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日立、大型コンピューター『Mパラレルシリーズ』のラインナップを強化

1998年07月09日 00時00分更新

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 (株)日立製作所は、7日、大型コンピューターシステム『Mパラレルシリーズ』に、『MP5800E』シリーズと『MP5600E』シリーズ、各11モデルを追加。第3四半期に出荷を開始する。また、同社は、Mパラレルシリーズ用OS『VOS3/FS-JSS4』と、Java実行環境やJIT(Just in Time)コンパイラーを提供する『OSAE/BASE for Java』を発売、12月に出荷を開始する。

『MP5800』、『MP5600』シリーズ

 『MP5800』シリーズは、高密度で低消費電力のCMOS技術と高速なバイポーラECLをLSIチップ上で融合したACE(Advanced CMOS-ECL)テクノロジーを採用。また、『MP5600』シリーズは、CMOSプロセッサーを採用し,小型化とコストパフォーマンスの向上を図ったモデル。『MP5800』は1から8までのプロセッサーに対応。主記憶容量は最大12GB。モジュールの外形寸法は115×115mm、層数は48。最大4つのプロセッサーと記憶装置を1ボードに搭載可能。ボードの外形寸法は730×534mmで、モジュール数は6、記憶容量は最大12GB。2つのボードに対応している。また、『MP5600』は、最大8基(8way)までのプロセッサーに対応し、主記憶容量は最大16GB。モジュールの外形寸法は136×136mm、層数55、I/Oピン数は5042、基盤材料はガラスセラミックを利用。ボードの外形寸法は364×534mm、層数は30、IP数は最大8、記憶容量は最大で32GB。

『MP5600』用ボードの模型。中央がプロセッサーモジュール。周囲にあるのが主記憶装置。
『MP5600』用ボードの模型。中央がプロセッサーモジュール。周囲にあるのが主記憶装置。


 今回追加される『MP5800E』シリーズと『MP5600E』シリーズはそれぞれ、従来機種をもとに、プロセッサーの処理性能を向上させたもので、処理速度は、『MP5800E』が150MIPS(1秒間に1億5000万命令)、『MP5600E』が110MIPS程度(同1億1000万)。従来比で、それぞれ約1.3倍と約2倍の性能アップを実現したという。また、FDDI(光ファイバーを用いたLAN)と直接接続可能な100M/10M EthernetのLANアダプターが搭載された。また『5600E』は、暗号プロセッサーを内蔵、IEEE準拠の浮動小数点演算をサポートしている。

写真は、MP5800Eモデル
写真は、MP5800Eモデル



『VOS3/FS-JSS4』、『OSAE/BASE for Java』

 同時に発表された『VOS3/FS-JSS4』は、『Mパラレルシリーズ』シリーズ用のOSで、Javaアプリケーション実行のための環境やJIT(Just in Time)コンパイラーを提供する『OSAE/BASE for Java』と連携しながら、Java実行環境の提供やWebブラウザーへの対応など、オープンシステムや分散システムへの対応を強化したのが特徴。

価格・今後の製品展開

 価格はリース形態で、それぞれ月額が、『5800E』シリーズが4519万円から、『5600E』シリーズが1330万円から、『VOS3/FS-JSS4』が170万円、『OSAE/BASE for Java』が2万円(『VOS3/FS-JSS4』、『OSAE/BASE for Java』に関しては、MP5600/140E使用時の価格)。

 また、同社は、配線抵抗が低く、寿命の長い銅配線技術を実用化し、ACEプロセッサーに盛り込んでいくことなどを検討しているという。(報道局 小林 久)

従来のアルミニウム配線(左)と銅配線技術(右) 従来のアルミニウム配線(左)と銅配線技術(右)


http://www.hitachi.co.jp/index-j.html

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