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【INTERVIEW】インターコム高橋啓介社長に訊く、ユニファイドメッセージングシステムに本腰

1998年07月02日 00時00分更新

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 (株)インターコムは、通信分野に注力してきた。『まいと~く』シリーズは、パソコンソフトパッケージを対象としたいくつもの賞を総なめにした定番ソフトである。ここ2~3ヵ月以内に発表された商品としては、『まいと~くFAX V3』、『NOVITAMAIL』、『デバイスモザイク3.0』などがある。社長の高橋啓介氏に同社の戦略などについて伺った。



----通信分野に焦点を当ててこられましたが、世の中の多くの活動が通信ネットワークがらみになって幅が広がってきました。今後はどこに注力されていくのですか。

「アメリカでは、“ユニファイドメッセージングシステム”が、脚光を浴びています。これは、電子メールとFAX、さらに“音”も一緒に扱うシステムです。わが社でも年末までにはこの分野に参入したいと考えています。このシステムの応用として米国の例ですが、地方自治体の情報公開などが挙げられます。従来ですとFAXを持っている市民が、自治体のFAXサーバーに電話をかけ、音声メッセージに従って番号を押していくと、該当する文書がFAX送信されてきました。現在では、FAXを持たない市民でも文書アクセスできるように、文書データを自動音声合成で読み上げて、電話口で聞かせるシステムが登場してきたのです」

----主力商品の『まいと~く』シリーズはいかがですか。また“ユニファイドメッセージングシステム”との関係はどうなるのでしょうか。

「『まいと~くFAX V3』の売り上げは好調です。ネットワーク化や、CTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)との連携を強めるという考えもありますが、現在は検討中です」

「『まいと~く』の名前のついたシリーズの中ではテレビ電話ソフトの『まいと~く LivePhone』の路線が柱のひとつとなるでしょう。ただし、同製品自体は初期の製品なので、標準的なプロトコルが決まる前に独自に始めました。現在は、LivePhone同士でしか通信ができません。これを標準通信規約に基づいて、バージョンアップするつもりです。LivePhoneの公衆電話回線用のH.324対応版を秋に、インターネット用のH.323版をその次に出すことになるでしょう」



----『まいと~く』が一般消費者から中規模オフィスまでをカバーしているとなると、端末エミュレーターは主に大企業向けになりますよね。こちらの市場の方はいかがですか。

「数年前に“クライアントサーバー(C/S)システム”が主流になると言われたときには、わが社の端末エミュレーターなどの通信ソフトの市場は駄目になるかと思いました。しかし、メインフレームと大規模データベースを使って、十数年もの間に各ユーザー企業で構築してきたシステムは、容易にはC/Sシステムに移植できなかったのです」

「ある大企業では、社内に1万数千台のクライアントマシンが存在します。従来型のC/Sシステムでは、クライアントソフトをバージョンアップするために1万数千回インストール作業をしなければいけません。これでは、TCO(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)の削減にはなりません」

----そうすると、メインフレームプラス端末という図式をそのまま続けたほうが、TCOをより削減できるという例もあるんですね。

「そこで注目を集めているのが“Web to ホスト”です。ある人たちは、冗談半分で“レガシーアゲイン”(古き良き時代よ、もう一度)と呼んでいるようです。クライアントソフトはサーバー側に置かれています。それを使うために、Webブラウザーからクライアントソフトをダウンロードします。JavaやActiveXを使って作られているので、ダウンロードは自動的に行なわれます。このため、クライアント側でいちいちバージョンアップする必要はありません。ダウンロードには原則として無料のWebブラウザーを用います」

----今後の海外戦略についてお聞かせください。

「キーポイントは海外対応です。2年前に設立した台湾の開発会社が軌道に乗ってきました。ここを軸に、ソフトの海外対応を進めていきたいですね。今後のソフトは必ず英語と日本語、両バージョン作っていきます。さらに需要があるなら中国語化も進めていこうと考えています」

(報道局  降旗  敦子)

http://www.intercom.co.jp/

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