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アスキーが、'98年3月期の決算と再建計画の進捗状況などについて発表

1998年05月22日 00時00分更新

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 (株)アスキーは、本日'98年3月期の決算と役員人事、そして、4月27日に発表した再建計画の進捗状況について発表を行なった。



 本日、午後5時から行なわれた記者会見では、まず、大川功(株)CSK会長(アスキー会長に就任予定)が挨拶。今後のアスキーにいて、「CSKグループとのシナジーを図る。再建計画は、銀行と交渉中だが新しいスキームを受け入れてもらうには時間がかかる。また、社長の交代やアスキーの若手を役員にすることで、社内を活性化したい」と述べた。

 続いて、鈴木憲一次期社長(現アスキー特別顧問)が、「単なるリストラだけでなく、アスキーの良さを引き出していきたい」と挨拶。そして、借入金の70パーセントを転換社債に切り替えるという再建計画の進捗状況を説明した。この中で、「興銀については、正式決済が得られていないが、了承する方向で合意ができている。他行については、アスキー再建に関し何らかの支援をしなければならないという意志はあるが、転換社債に切り替えるという再建案は、まったく新しいものであるため、了承に時間がかかっている。現在、興銀が中心となって、転換社債の条件の見直しなど、各行のとりまとめを行なっている」と述べた。また、'98年度に前年度比50億円の経費削減を行なうことと、3月末時点で約1600人の社員数(契約社員、アルバイトを含む)を約1360人にまで削減する計画であることも発表した。

 続いて、橋本孝久副社長が'98年3月期の決算を発表した。パソコン出版の不振から、売上高は前期比9.4%減の475億円となった。また、455億円の特別損失を計上したため、最終損益は443億円の赤字となり、409億円の繰越損失が発生、132億円の債務超過となった。なお、'99年3月期は、パソコン出版の不振が継続するとの前提で、売上高は427億円に落ち込むものの、経費削減効果により8億円の経常利益を計上すると予想している。

質疑応答は以下のとおり。

----社長を退任する西社長のお気持ちは?

西「これだけの赤字を計上したのだから本来は役員をやめなければならないところだが、大川会長に残っていいと言われました。私がやらなければならないのは、次世代ゲーム機とパソコンとの融合、そして、アスキーとCSKグループ各社とのコラボレーションだと思う。'92年の経営危機以来、現業と銀行との折衝の両方をやってきたため、ずっと左脳を使ってきた。しかし、最近は銀行との折衝から解放されて右脳が動き始めている。マイクロソフトで仕事をしていたころに戻ったような気がする。こういうと怒られるかもしれないが、毎日が非常に楽しい」

----西社長と橋本副社長の今後の役割は?

鈴木「西さんについては、教育事業を担当してもらう。橋本さんの担当については、当面は白紙」

大川「西君みたいな才能の持ち主を辞めさせるのはおしいので、残ってもらった。われわれにはわからないことも、ちゃんと理解していたりする。もうちょっとこきつかってやる必要があると思っている」

(報道局 佐藤和彦)

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