このページの本文へ

富士写真フイルム、光学6倍ズーム搭載デジタルカメラを発表──本格的なマニュアル機能を持つハイエンド機

2000年08月01日 20時44分更新

文● 編集部 小林久

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

富士写真フイルム(株)は、都内のホテルで記者会見を開き、デジタルカメラの新機種『FinePix 4900Z』を発表した。

富士フイルムが発表した『FinePix4900Z』。大きなレンズが印象的だ
液晶ファインダーを装備し、一眼レフカメラに近い感覚で撮影を行なえる

FinePix4900Zは、撮像素子にハニカムCCDを搭載したコンシューマー向けモデルの最上位機種で、ワイド端がF2.8と明るい光学6倍レンズや本格的なマニュアル機能の搭載を特徴としている。ハニカムCCD搭載モデルは今回で4モデル目となり、コンパクトな縦型デザインの『FinePix4700Z』、プロ仕様の一眼レフ機『FinePix S1 Pro』、MP3再生機能を備えたスクエアデザインの『FinePix40i』とラインナップが充実してきた。

レンズがひときわ目を引く特徴あるデザイン

光学6倍/F2.8の大口径レンズがひときわ目を引くFinePix4900Zは、ホールド感の高い“L字型グリップ”、一眼レフ機に近い感覚で使え視差の生じない0.55インチのカラー液晶ファインダー、本体背面とレンズ側面の2個所に用意したズームボタンなど、独創的なデザインが魅力だ。本体は剛性の高いマグネシウム合金製で、重量410g。レンズを沈胴式としたことで、携帯時の奥行きを45mm抑えている。また、マクロ/ストロボなどのオン/オフは従来のメニュー操作ではなく、独立したボタンとすることで操作性を高めた。

撮影モードは、オート/絞り優先(A)/シャッター優先(S)/プログラム(P)/シーンセレクト(SS)の6種を用意し、右手の親指の位置に用意したモードダイヤルで切り替える。マニュアル撮影時の絞り/シャッタースピードはモードダイヤルの下のコマンドダイヤルでそれぞれF2.8~11.0までの13段階、1/2000~3秒を選択可能。また、マニュアルフォーカス用の“フォーカスリング”、撮影条件を表示するための“インフォボタン”、本体上部のストロボ接点(ホットシュー)、カスタムホワイトバランス機能など、撮影機能はかなり充実している印象だ。

それ以外の主なスペックは、撮像素子が1/1.7インチの“SuperCCDハニカム”で、総画素数240万画素(出力画素数432万画素)、焦点距離が7.8~46.8mm(35mm換算で35~210mm相当)、撮影感度がISO125/200/400/800相当、最短10cmのマクロ撮影(2倍ズームまで)など。記録形式はJPEG形式で、2400×1800ドット/1600×1200ドット/1280×960ドット/640×480ドットの出力が可能。起動時間は3秒で、毎秒5コマの連写ができる。サイズは幅110×奥行き93.5×高さ78.5mm。本体背面には液晶ファインダーのほかに2インチの低温ポリシリコンTFT液晶パネル(総画素数13万画素)も装備。PCとの接続はUSB、記憶メディアにはスマートメディア、電源にはリチウムイオン充電池(NP-80)を使用する。

FinePix4900Zの価格は12万8000円で、9月10日の発売を予定している。また、オプションとしてワイドコンバージョンレンズ(WL-FX9、価格2万円)とフィルター径φ55mmのアダプターリング(AR-FX9、同3500円)を用意する。

幅広いラインナップで、30パーセント台半ばのシェアを目指す

なお、本日行なわれた発表会には、同社執行役員で電子映像事業部長を務める加藤典彦氏、同じく電子映像事業部営業部長を務める青木良和氏などが出席した。

青木氏は「デジタルカメラ市場は今年急成長し、毎月20万台強が出荷されている。特に7月は約32万台と、昨年の同時期の15万台に比べ倍増している」と市場を分析。今年1年間で300万台強の出荷する見通しを示した。

同氏は、今年初めの300万画素機の登場によって、ハイエンド機とエントリーモデルが明確に区別されるようになったと指摘。現在、市場にはメガピクセルのエントリー機からハイスペックのプロシューマー一眼レフ機まで、5つのセグメントがあり、300万画素クラスのイノベイティブゾーンが30%強、5~6万円クラスの200万画素機とほぼ同等のスペックのマルチスペック機が合わせて30~35%強、メガピクセルのエントリーゾーンが25%前後であるという。また、その下には35万画素クラスの撮像素子を採用して価格数千円クラスの“おもちゃデジカメ”の層が7~8%程度存在するという。

また、加藤氏は発表会後の記者の質問に対し、「広範なラインナップの充実と特徴ある切り口の製品で35%のシェアを獲得したい」と、エントリー機からハイエンド機に対し、幅広く取り組むことで市場拡大を目指す意向を表明した。ただし、ローエンドの“おもちゃデジカメ”に関しては「まずはカメラメーカーとしての持ち味が生かせる部分から」と、様子見の段階であることを示唆した。なお、青木氏によると「富士フイルムのシェアは今年春に30%以上を記録したが、その後10%台に一時低迷。現在は25%前後をキープしている」という。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン