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NEC、A3対応で10万円を切るモノクロレーザープリンターなど3機種を発売――上位機種は両面印刷機能を標準搭載

2000年07月21日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本電気(株)(以下NEC)は21日に記者発表会を開催し、A3用紙対応ながら、定価で10万円を切るモノクロレーザープリンター『マルチライタ210S』など3モデルを発表した。210SはA4を最高毎分12枚印刷可能(600×600dpi)で、定価9万9800円。両面印刷機能を搭載した上位機種『同2100』(11万8000円)および『同2300』(13万8000円)と共に、本日より出荷開始される。

『マルチライタ210S』
『マルチライタ210S』



『マルチライタ2300』
『マルチライタ2300』



NECによれば、今回発表のマルチライタシリーズのポイントは4つある。

高速性

トナーの定着に必要な“ヒートローラー”と呼ばれる部品を薄肉化することで、必要な温度に短時間で加熱できるようになったため。節電モード状態から、印刷可能状態になるまでの“ウォームアップタイム”が、2300で約8秒、2100と210Sでは約9.5秒と、従来30秒から60秒かかっていたものが、大幅に向上した。

また、独自開発した新しいプリンターコントローラーを搭載したことで、ラスターデータをビットマップデータに展開する処理時間が短くなり、結果として、*実効印刷速度が向上したとしている。

*実効印刷速度:ここでは、コピーモードによる連続印刷ではなく、ページごとに異なるような、実際のデータを印刷する速度を指す。

小型化

新しい印刷エンジンを採用したことで、小型化、軽量化を図った。設置面積で幅459×奥行き448mmと、同社の従来機『マルチライタ2250H』と比較して約25パーセント小型化した。また、同クラスの他社製品と比較しても、小さな設置面積ですむとしている。

使い勝手の向上

プリンターカートリッジの交換や、紙詰まりが起きた際の対応が、前面パネルを開けるだけで処理できるようにした。プリンターの上側に大きく空間を取る必要がないため、オフィスのラックなどにも設置が容易になるとしている。また、2段の給紙カセットを標準装備しているため、同じ用紙を縦と横にセットし、印刷単位ごとに縦と横に交互出力することで、プリンター共有時にも、ユーザーのプリントアウトがわかりやすいとしている。

価格

210SはA3対応プリンターで初めて10万円を切る定価設定、2100および2300では、10万円前半の価格帯の同クラスプリンターで初めて、2段の給紙カセットと、両面印刷ユニットを装備したという。従来機と比較して部品点数を削減することで、低価格を実現したとしている。

本日発表された新マルチライタシリーズの主な仕様は以下の通り。

製品名 マルチライタ2300 マルチライタ2100 マルチライタ210S
印刷解像度 1200×1200dpi
(最大2400×2400dpi
相当の印刷
が可能)
600×600dpi(最大1200×1200dpi
相当の印刷が
可能
600×
600dpi
印刷速度
(A4横)
毎分約20枚 毎分約12枚 毎分約12枚
印刷速度
(A3)
毎分約11枚 毎分約6.5枚 毎分約6.5枚
印刷速度
(A4横両面)
毎分約8枚(16ページ) 毎分約4.8枚(9.6ページ) -
CPU RV4640-150MHz RV4640-100MHz RV4640-100MHz
メモリー容量 16MB(最大272MB) 8MB(最大264MB) 8MB(最大264MB)
消費電力 最大780W
以下
最大770W
以下
最大760W
以下
節電モード時 45W以下 30W以下 30W以下
サイズ 幅459×奥行き583×高さ319mm
(給紙カセット最大伸長時)
重さ 約18.5kg(プリンターカートリッジ含む) 約16.5kg
(プリンター
カートリッジ含む)
インターフェース IEEE1284パラレルインター
フェース×2
IEEE1284パラレル
インターフェース×1


NEC執行役員の吉本陸郎氏
NEC執行役員の吉本陸郎氏



また同社は今年9月の発売を目指し、マルチライタシリーズをネットワークで活用するためのソフトウェア、『iPrinting.AutoServer』および『iPrinting.DeliveryService』を開発中であると発表した。

iPrinting.AutoServerは、サーバー用のソフトウェアで、クライアントのウェブブラウザーのみを利用して、インターネットを経由しての印刷や、例えば一太郎のドキュメントが添付された電子メールをMacintoshで受けてしまった場合に、iPrinting.AutoServerを経由してMacintoshから出力できるようになるという。およそ10万円程度の価格設定を予定している。

一方のiPrinting.DeliveryServiceは、クライアントユーティリティーとして、マルチライタシリーズに添付を予定しているソフト。イントラネットに接続されたマルチライタシリーズに対して、複数の遠隔地に同時に印刷するなど“ファクスのようなイメージで利用できる”ソフトウェアとしている。印刷と同時に、送り先のユーザーに対して「IPアドレスが192.168.1.100のプリンターに出力しました」といった電子メールを送る機能を備えている。

iPrinting.DeliveryServiceにより送信される電子メールの例
iPrinting.DeliveryServiceにより送信される電子メールの例



NECの社内カンパニーであるNECソリューションズ、メディアターミナル販売推進本部 市場開発部 マネージャーの青木知也氏によると、現在国内のモノクロページプリンター市場におけるNECのシェアは17パーセント(第3位)で、今年度+1パーセントを目標としているという。また、今後の機種として、現在オプションで用意しているネットワークインターフェースを内蔵したものなどを検討しているという。

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