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日本オラクル、社長に新宅常務が昇格、佐野社長は会長兼CEOに――執行役員制を導入を柱に機構改革

2000年07月18日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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日本オラクル(株)は18日、現社長の佐野力氏を代表取締役会長とし、現常務・事業統括本部長の新宅正明氏が代表取締役社長に昇格する人事を発表した。8月24日の株主総会で承認を受けて正式に就任する。佐野氏はCEO(最高経営責任者)として引き続き経営トップにとどまる。同時に執行役員制を導入し、新宅氏はCOO(最高業務執行責任者)として事業執行全般の責任を負う。高度な経営判断と事業執行を切り分けることで、責任の明確化と経営スピードをアップさせるのが狙いという。同社は同日付けで2000年5月期の決算も発表、売上高は前期比約20パーセント増の657億6800万円、純利益は同約40パーセント増の111億7200万円となった。

左から日本オラクル新社長兼COOに就任する新宅正明氏、会長兼CEOの佐野力氏、常務兼CFOの南野章氏
左から日本オラクル新社長兼COOに就任する新宅正明氏、会長兼CEOの佐野力氏、常務兼CFOの南野章氏



またCFO(最高財務責任者)に同社取締役・管理本部長の南野章氏が常務に昇格した上で就任する。機構改革に伴い大幅な役員人事を実施、執行役員は取締役のうち7人の兼任も含め17人を内定した。CEO、COO、CFO制と執行役員制の導入は8月1日付で実施される。

新制度では従来の取締役会を経営判断と意志決定の最高機関と位置付け、経営計画に基づく業務の執行はCOO傘下の執行役員が担う。執行役員は各セクションのトップとして事業に責任を負う一方、人事や予算面でこれまで以上に裁量権が与えられるという。

佐野氏は同日都内で会見し、「ネットビジネスの世界でオラクルがナンバーワンになるためには迅速な経営判断が必要。業務執行はCOOと執行役員に任せ、私はCEOとして最終的な経営判断と売上目標の達成に関わる責任を負うことにした」と機構改革の狙いを語った。

新宅氏は「4万人超の株主と社員、パートナー企業への重大な責任を自覚している。オラクルを単なる製品提供企業ではなく、サービス重視の路線にシフトさせるのが私の使命だ」と抱負を述べた。

マイクロソフト(株)の執行役員制導入に影響を受けたのかとの質問に、「Mの付く会社から学ぶものはまったくありません。何もない」といつもの“佐野節”を披露する佐野氏。新宅氏を社長に選んだ理由は「論理的な分析力と判断力、実行力。それに常に平常心を失わない。私は時々カーッとなって他企業の悪口を言うことがあるが」 マイクロソフト(株)の執行役員制導入に影響を受けたのかとの質問に、「Mの付く会社から学ぶものはまったくありません。何もない」といつもの“佐野節”を披露する佐野氏。新宅氏を社長に選んだ理由は「論理的な分析力と判断力、実行力。それに常に平常心を失わない。私は時々カーッとなって他企業の悪口を言うことがあるが」



2000年5月期決算は売上657億6800万円(前期比19.9%増)に対し、営業利益は199億5700万円(同34.7%増)、経常利益は201億700万円(同29.2%増)、純利益は111億7200万円(同40.2%増)。1株当たりの年間配当金は95円。産業のインターネット化の進展で10期連続の増収増益を達成したとしている。

今期の見通しとしては、ASPサービスや双方向デジタルテレビ向けシステムなどの早期事業化を目指すほか、9月にe-Businessスイート製品の『E-business Suite 11i』とアプリケーションサーバー『iAS』を市場に投入。総売上高は前期比20.2%増の790億3800万円、経常利益は同22%増の245億2300万円を見込んでいる。

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