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固有時間を利用した新しいセキュリティー方式を採用したサーバーソフト『TAO Proxy Server 4.0』

2000年07月07日 00時00分更新

文● 編集部 小林久

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ジェーシーエヌ(株)は、固有時間の概念を利用した電子認証システム“TAO TIME認知システム”を採用したセキュリティー製品を9月に発売すると発表した。また、ソフトバンク・インベストメント(株)、トレンドマイクロ(株)など5社から計5億円の増資を受け、従来の受注中心の製品開発形態から、セキュリティー関連技術の研究開発に注力していく意向を表明した。

TAO Proxy Server 4.0のデバッグ画面
TAO Proxy Server 4.0のデバッグ画面



TAO TIME認知システムは、固有時間(基準となる時間からの経過秒数)を利用して、接続された機器間でやり取りする識別情報(TAOコード)を生成する。パスワードを用いるユーザー認証やデータの暗号化でセキュリティーを実現する方法とは異なり、サーバーに接続しようとしているクライアントマシンを特定し、許可を与えられていないマシンのアクセス権限を制限できるのが特徴になっている。

TAO TIME認知システムは、(1)認知コードデータのジェネレーター、(2)認知コードデータの判断エンジン、(3)認知コードデータ自体という3つの部分から構成されている。TAO TIME認知システムのサーバー/クライアントは、ジェーシーエスが定めた基準点からの経過時間(TAO TIME)を常に数値化して記憶しており、それを元に認知コードを生成する。

認知コードはクライアントとサーバーがデータをやり取りするたびに更新され、互いに通信しあう。サーバー(S1、S2、S3……Sn)とクライアント(C1、C2、C3……Cn)の双方で蓄積され、マシン識別の際に、ペアーとなるクライアント・サーバー間の過去のやり取りの履歴と、やり取りの整合性(受信した認知コードの時間が送信した認知コードの時間より後になっていないか)の参照に用いられる。

同社では、TAO TIME認知システムに対応した製品として、Linux対応のサーバーソフト『TAO Proxy Server 4.0』を9月に発売する予定。Windows NT/Solarisに対応したバージョンも順次出荷する。製品はソフトのみのパッケージのほか、基本的なネットワークの設定を行なったLinuxマシンに2000クライアント程度のユーザーライセンスを付与したボックス版の販売も予定している。価格は未定だが、ソフトウェアのライセンス料は1クライアントあたり10~100円程度と安価になる予定。

また、認知コードデータをICカードやPCカードタイプに格納するタイプの製品の開発も行なう。

発表会では、同社の第3社割り当て増資に関する発表も行なわれた。増資総額は5億円で出資を行なうのは、ソフトバンク・インベストメント(株)、トレンドマイクロ(株)、(株)インターネット総合研究所、(株)三井海上キャピタル、興銀インベストメント(株)の5社。増資後の出資比率はそれぞれ16.4%、16.4%、4.9%、4.1%、3.3%、3.3%になる。なお、それ以外の22.7%分の株式は同社代表取締役社長の杉山彰氏が保有する。

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