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AMD、省電力技術“PowerNow!”搭載の『K6-2+』533/550MHzを発表――発表会で2001年に掛けてのロードマップも明らかに

2000年06月27日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本AMD(株)は27日、都内のホテルで記者発表会を開催し、『モバイルAMD-K6-2+プロセッサ』の533/550MHz版を発表した。モバイルPC向けに消費電力を抑えてバッテリーでの駆動時間を伸ばす“AMD PowerNow!テクノロジ”を搭載している。価格は533MHz版が9350円、550MHz版が1万890円となっている。米ヒューレット・パッカード社から、この機能を備えたノートパソコンがリリースされたという。また、席上、AMDのプロセッサーやプラットフォームの今後のロードマップも明らかにされた。

『モバイルAMD-K6-2+プロセッサ』 『モバイルAMD-K6-2+プロセッサ』



モバイルAMD-K6-2+は、モバイルAMD-K6-III+と共に、すでに4月20日に450/475/500MHz版が発表されており、今回発表された製品はその高速版に当たる。従来製品を搭載したノートパソコンもすでに富士通(株)、(株)東芝、日本電気(株)、コンパックコンピュータ(株)、米ヒューレット・パッカード社などから発表されているが、PowerNow!機能は利用されていなかった。今回、米ヒューレット・パッカードが発表した、『HP Pavilion N3300』シリーズの一部で、初めてPowerNow!テクノロジが有効にされたとしている。

PowerNow!テクノロジは、“Gemini”(ジェミニ)というコードネームで知られていた技術。インテルの“SpeedStepテクノロジ”が、高低2つの駆動周波数とコア電圧のモードを持つのに対して、PowerNow!は、駆動周波数はFSBの0.5倍の周波数ごとに複数の値をとる(最低駆動周波数は2倍から)ことができ、コア電圧もそれに応じて1.4~2.0Vの間で変化する。例えば、今回発表されたモバイルK6-2+-550MHzでは、200、250、300、350、400、450、500、550MHzと変化させることが可能。ただし、これらの駆動周波数とコア電圧をどのように設定するかは、メーカーによる。

AMDでは、SpeedStepが、ノートでもデスクトップと同様のパフォーマンスを得られることを主眼としているのに対して、PowerNow!は、バッテリーでの駆動時間を延ばすことを主眼として開発したとしている。発表会では、動作周波数を表示しながらDVDビデオをソフトウェアプレイヤーによって再生するデモンストレーションが行なわれたが、駆動周波数が小刻みに変動しているのが見て取れた。このPowerNow!によって、バッテリー駆動時間を約3割延ばすことができるという。

PowerNow!のデモ。右上のダイアログに現在の駆動周波数が表示されている
PowerNow!のデモ。右上のダイアログに現在の駆動周波数が表示されている



なお、モバイルK6-III+については、「あまりデマンドがないため、メーカーから注文があればその分だけ生産する限定生産」で、現在採用されているノートパソコンは、富士通の『FMV-BIBLO NE4/45K』のみという。

AMDのサミュエル・ローガン部長
AMDのサミュエル・ローガン部長



また、発表会では、米AMD副社長兼日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏や、米AMD北アジアコンピュテーション製品グループマーケティング部のサミュエル・ローガン(Samuel Rogan)部長が、AMDの戦略などについて説明した。Athlon-1GHz発表時のような、「またAMDが勝ってしまった」というような派手な発言は無かったが、Socket Aを備えたマザーボードを20枚以上展示したり、AthlonやDuronを搭載した各社のパソコンでデモンストレーションを行なうなど、“AMD陣営の広がり”をアピールしていた。

Socket A対応のマザーボードが並べられていた
Socket A対応のマザーボードが並べられていた



なお、6月にプロセッサー製品の出荷を開始した独ドレスデンのFab30については、現在その2割ほどが稼働している状況で、フル稼働は2001年の年末を予定しており、最終的に8インチのウェハーを毎週1万1000枚生産可能になるという。米オースチンのFab25を合わせた、今年のAMDのプロセッサー出荷数は2500万ユニット以上を予定しており、そのうちAthlonコアの製品は、1380万ユニットと半数以上になるとしている。

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AMDのプロセッサーロードマップ

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AMDのプラットフォームロードマップ

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