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沖電気とカシオ計算機、PCM音源方式を採用した携帯電話・PHS向けの超小型音源LSIを共同開発

2000年06月27日 00時00分更新

文● 編集部

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沖電気工業(株)とカシオ計算機(株)は6月26日、携帯電話・PHSに組み込んで音楽データを演奏するための音源LSI『ML2857』3製品を共同開発し、8月に沖電気工業よりサンプル出荷を開始すると発表した。サンプル出荷するのはTQFPタイプの『ML2857TB』(サイズは幅12×奥行き12×高さ1.2mm、価格は800円)、FBGAタイプの『ML2857LA』(サイズは幅9×奥行き9×高さ1.5mm)、“ウェハ・レベル・CSP”(W-CSP)*1の『ML2857HB』(サイズは幅6.3×奥行き6.3×高さ0.4mm)の3製品。

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2 と楽曲データフォーマット)の開発はカシオ計算機が、LSIの量産設計と製造・販売は沖電気工業が担当する。プロダクトマーケティングは両社が共同で行ない、さまざまな用途への提案活動を展開するという。小型化・高性能化のための高密度実装ニーズにも対応し、両社が昨年11月に共同設立した合弁会社“株式会社アイ・イー・ピー・テクノロジーズ”の設計によるウェハ・レベル・CSPでの量産も行なう。

今後はコンテンツビジネスを視野に入れ、業界標準であるGM規格*3にも対応する計画としている。仕様は3製品ともに共通で、音源方式はPCM音源。音色数が100音色で、同時発音数は5音色12和音。音域は5オクターブ。

*1 ウェハ・レベル・CSP(Chip Size Package):従来のCSPは、ウエハーからひとつひとつのLSIチップに切り分けてからパッケージに組み立てていたが、ウェハ・レベル・CSPは、ウエハー状態で一括して銅の再配線形成、電極端子形成と樹脂封止を行なった後、チップサイズに切り出す。この技術の利点は、チップと同じ寸法までパッケージを小型化できることと、コスト削減が期待できることにある。

*2 IP(Intellectual Property):電子回路などのマクロ機能を、資産として蓄積したもの。開発した技術をIPとして蓄積しておくことで再利用が可能になる。短期間で高性能なLSIチップを開発せねばならない現在の半導体業界では、IPを活用した回路設計が不可欠とされており、IPの売買をビジネスとする企業“IPプロバイダー”も出現している。

*3 GM(General MIDI)規格:異なる電子楽器の間でも演奏データに互換性が持てるよう、規定された標準規格。音色に共通の番号が割り振られており、異なるシステムでもほぼ同じ演奏が再現できる。現在、流通している電子楽器やカラオケ用の演奏データは、ほとんどがGM規格をベースにしており、GM規格に対応すれば、これらのコンテンツが利用可能となるメリットがある。

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