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ウルトラ大速報! 新Athlon(Thunderbird)とDuronのスピードがわかった!

2000年06月19日 00時00分更新

文● DOS/V ISSUE編集部 丸尾雅人、編集部 野口岳郎

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●新Athlon(Thunderbird)とDuronのスピードがわかった!

AMDが6月5日に発表した新型Athlon(コードネームThunderbird)、それに本日発表されたDuronは、すでに先週末から秋葉原でちらほら見かけられるようになっている。マザーボードも数は少ないものの、買えなくはない。そこでASCII DOS/V ISSUE編集部ではさっそく、新Athlon(Thunderbird)、Pentium III、旧Athlon、Duronの4CPUを、同一クロック(700MHz)で徹底検証した。なお検証した環境は以下のとおり。

Thunderbird
&Duron
FSB100MHz×7
マザーボード MSI K7T Pro(Apollo KT133)
メモリ Micron PC133 SDRAM(CL=3) 128MB
ビデオ Leadtek WinFast GeForce256/DDR(Detonator2)
HDD Seagate Barracuda ATA(UltraATA/66)


 

旧Athlon FSB100MHz×7
マザーボード ASUSTeK K7V(Apollo KX133)
メモリ Micron PC133 SDRAM(CL=3) 128MB
ビデオ Leadtek WinFast GeForce256/DDR(Detonator2)
HDD Seagate Barracuda ATA(UltraATA/66)


 

Pentium III FSB100MHz×7
マザーボード ASUSTeK CUSL-LE(i815)
メモリ Micron PC100 SDRAM(CL=2) 128MB
ビデオ Leadtek WinFast GeForce256/DDR(Detonator2)
HDD Seagate Barracuda ATA(UltraATA/66)


WV32ベンチマーク~ メモリ : リードライトミックス ~

CPU 8KB 16KB 32KB 64KB 128KB 256KB 512KB 1MB 2MB
Thunderbird-700MHz 4948 4909 4189 3654 2136 2118 309 305 303
Pentium III-700MHz 3989 3855 1837 1829 1817 1245 242 210 208
Athlon-700MHz 4955 4917 4194 2718 870 867 839 317 284
Duron-700MHz 4947 4908 4188 3652 1782 308 309 305 303



図1 WV32ベンチマーク (クリックで拡大表示します)

◆図1はメモリ性能。ポイントは3点。
1. 旧Athlonでは64KBゾーンから性能が急落する(低速なオフチップキャッシュへのアクセスとなるため)のに対し、Duronは128KBまで、Thunderbirdは256KBまで高い性能を維持している。オンチップ(オンダイ)キャッシュのパワーを見せつけた形になった。

2. 同じ256KBの2次キャッシュを持つPentium IIIが、256KBゾーンではサイズぎりぎりいっぱいとなり多少性能ダウンとなっているのに対し、Thunderbirdはほとんど変化がない。これは、ThunderbirdとDuronが採用したパフォーマンスエンハンシングキャッシュ(機構的には排他的キャッシュ)の効果により、実際にはキャッシュ容量が384KBまで広がっていることを証明している。

3. 全域にわたってThunderbirdがPentium IIIを上回っている。

Excelベンチマーク

CPU コピー&ペースト フィルタ スクロール 拡大縮小 フォント変更 整数演算 浮動小数点演算 検索と置換
Thunderbird-700MHz 4.52 1.70 14.08 6.05 3.22 0.93 1.76 2.80
Pentium III-700MHz 4.47 1.68 13.34 6.25 3.18 0.88 1.63 3.07
Athlon-700MHz 4.79 1.87 14.81 6.35 3.50 1.00 1.89 3.18
Duron-700MHz 4.88 1.96 15.44 6.42 3.51 1.08 2.08 3.44



図2 Excelベンチマーク (クリックで拡大表示します)

※グラフは逆数を取って表しているため、長いほど成績がよい。以下同様

◆図2はASCII Lab.によるExcelベンチマーク。Athlon vs. Pentium IIIでは、伝統的にWordはAthlon有利、ExcelはPentium III優位であった。しかし見てのとおり、ThunderbirdはここでほぼPentium IIIに並ぶ性能向上を見せた。旧Athlonより明確に高速化されており、2次キャッシュが512KBから384KBに減ったダメージを、2倍の高速化で十分取り返していることがわかる。一方Duronは、さすがにキャッシュサイズの小ささが効いたか、Athlonを下回っている。

Photoshopベンチマーク

CPU 画像補正 フィルタ モード変換 テキスト処理
Thunderbird-700MHz 2.12 44.93 4.36 8.91
Pentium III-700MHz 2.15 45.61 4.57 9.33
Athlon-700MHz 2.21 48.05 4.47 9.08
Duron-700MHz 2.21 51.43 4.67 9.58



図3 Photoshopベンチマーク (クリックで拡大表示します)

◆図3はPhotoshop。ここでは、もともとAthlonはPentium IIIに迫っていたため、ThunderbirdはPentium IIIを完全に抜き去っている。一部ファンクションがSSEに対応していることを考えれば画期的な結果だ。以下Excel同様、Athlon、Duronと続く。

3DMark2000

CPU 3D Marks CPU 3D Marks
Thunderbird-700MHz 4587 387
Pentium III-700MHz 4690 372
Athlon-700MHz 4527 371
Duron-700MHz 4488 376



図4 3DMark2000 (クリックで拡大表示します)

◆図4は3D描画によってFPU、SSE/3DNow!の性能を見る3DMark2000の結果である。ここではAthlonは長らくPentium IIIの後塵を拝してきたが、Thunderbirdでは僅差で逆転をおさめている。ここではDuronが健闘し旧Athlonに並んでいる。比較的小さなメモリサイズでの高速アクセスが求められるようだ。

Superπ

CPU      秒
Thunderbird-700MHz 180
Pentium III-700MHz 179
Athlon-700MHz 202
Duron-700MHz 187



図5 Superπ (クリックで拡大表示します)

◆図5のSuperπは、メインメモリやHDD性能が影響するベンチマークだが、ここではThunderbirdとPentium IIIはほぼタイ、3位にはDuronが入った。3DMark以上に小さなサイズでの高速メモリアクセスが多いようだ。

結果をまとめると、Thunderbirdは従来Pentium IIIに押され気味だったテストで肩を並べたり、抜き去ったりと、予想どおりのパフォーマンスアップを見せた。ここには掲載していないが、もともとAthlonのほうが速いテストではさらに差は開くだろう。700MHzの状態ではThunderbirdがやや優勢に見える。

Duronはなかなかに優秀だ。テストによっては旧Athlonさえ上回る健闘を見せている。そのDuronの700MHzが192ドル(国内価格は2万3040円)というのはきわめて魅力的である。

ただ、今回はクロックをそろえる都合上、Pentium IIIも700MHz版を用いたが、これはFSBが100MHzである。つまり、Pentium IIIはフルパワーとは言えない状況である。また、性能を追求するなら、Pentium IIIはPC133やRDRAMを、ThunderbirdはVC SDRAMを使うこともできる。1GHzパーツがそろった段階で、こういった事情を加味しながら、最速CPUを再度検証していきたい。

★いっそう詳しい評価内容やThunderbird/Duron対応マザーボード情報は、6月29日発売のASCII DOS/V ISSUE 8月号に掲載されます。

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