世界最大のビデオチップメーカーであるカナダのATIテクノロジーズ社は、ハイエンド向けビデオチップ『RADEON
256』を擁してハイエンド市場に乗り込もうとしている。ASCII24編集部は今回来日した同社のCEO、K.Y.ホー氏に今後の戦略に関するお話を聞くことができた。
カナダATIテクノロジーズ社のK.Y.ホーCEO |
──ATIのグラフィクスチップを搭載した他社製のビデオカードが登場する可能性はありますか。エヌビディアなどは自社チップを積極的にOEMしていますが。
「我々はこれまでマザーボードへのオンボードまたは自社製のカードの販売に特化しており、これが成功の原因になっています。これが正しい選択であることは、3DfxがSTBを、S3がNumber
Nineを買収し、我々と同じビジネスモデルを実現しようとした点でも明らかでしょう」
──3月にArtX社を吸収合併しましたが。
「ArtXにいた部隊は我々のビジネスユニットのひとつとして機能しています。またCEOを担当していた人物は現在当社のCOOの職にいます。彼らは統合型チップの設計などを担当しており、一部従来から当社の部隊と共同で作業しています。システムオンチップなどの開発を行なっています」
──RADEON 256はハイエンド市場をターゲットにした製品ですが、ローエンド向けに関してはどのような戦略をお持ちですか。
「これまで得意としてきたメインストリーム市場に加え、今回ハイエンド向けのチップを発表しました。また、ローエンド市場に関しては、アプライアンスやSTBなどを視野に入れた統合化チップの開発を行なっています。今後はこちらでも主要なプレーヤーになれるでしょう。我々の強みはローエンドからハイエンドまで幅広いレンジを押さえている点です」
──ハイエンド市場で競合するエヌビディアは、半年ごとに新製品を出すロードマップを提示し、マーケットに強い印象を与えていますが。
「発表したRADEON 256は高いパフォーマンスを持っており、十分対抗できます。また、市場のシェアに関しては我々が上を行っている。6カ月ごとに高速なチップを投入していくといっても、TNT2の発売が2年前、GeForceが昨年秋、GeForce
2が今年の春とアーキテクチャーの更新はあくまでも1年単位ではないですか?」