米サンフランシスコにおいて6月5日から9日の5日間（現地時間）、米サン・マイクロシステムズ社主催のイベント“JavaOne
2000 Conference”が開催された。同イベントでは、Javaテクノロジーをテーマに150以上の技術ディスカッションやセッション、展示会などが開催される。
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| JavaOneが開催中の“Moscone Convention Center” |
6日午前には、サンのスコット・マクネリ（Scott McNealy）会長兼CEOが基調講演を行なった。また、Javaコミュニティーに賛同するサードパーティーからは、米アップルコンピュータのスティーブ・ジョブスCEOらが登壇した。
5年目を迎えたJavaOne Conference
JavaOne Conferenceは、'96年以降毎年開催されているイベントで、今回の開催は5回目となる。マクネリ氏によれば、Java 2 SDKのダウンロード件数は300万件を越え、Java開発者は200万人を越えている。また、全米の大学の80パーセントでは、Javaの講座が設けられているという。 |
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| マクネリ氏が登壇する前、基調講演会場に集まった聴衆に質問が与えられた。「JavaOne Conferenceに参加するのは何回目?」「あなたは開発者?」「お金儲けがしたい?」 |
これらの輝かしい功績には、いくつかの理由がある。「私は、技術畑の人間ではないので、そのつもりで聞いくださいね」と、冗談を交えながら、マクネリ氏は語り始めた。「人々がJavaを選ぶもっとも大きな理由は、その高い安全性だ。Javaは、ネットワークプロテクトを当初から機能の中に取り入れてきた。これは、問題が起きてから付け足した機能とは根本的に異なるものだ」
次に、マクネリ氏は、Javaの高い汎用性を紹介した。Javaは、コンピューター機器はもちろん、ハンドヘルドデバイスや携帯電話、ゲーム専用機などに搭載される。今年出荷されるJavaスマートカードは、1億枚を越えるという。
野心ある起業家への呼びかけ
「開発ツールキットJava 2 SDKは、サンのウェブサイトなどから無償で入手できる。また、使用料もかからない。全米のベンチャーキャピタルは、今年、7000万ドルをベイエリア*の企業に投資するという。つまり、あなたがたは無料のツールを使い、大金を手にするチャンスが目の前にあるというわけだ」と、マクネリ氏は会場にいる聴衆の野心をあおった。*シリコンバレーを含むカルフォルニア州西海岸沿いの地区。
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| マクネリ氏は、サンの創立メンバー。技術者がトップになるケースの多いハイテク企業には珍しく、ハーバードを卒業後、スタンフォードの大学院で経営学を学んだ経歴を持つ |
「サンでは、米国内外の起業家たちへの支援を行なっている。ここにいるみなさんの中で、アイデアと実行力があり起業しようとしている方は、ぜひわれわれのホームページにアクセスしていただきたい」と、マクネリ氏はスタートアップ企業向けのウェブサイト“Sun
Startup Essentials”を紹介。また、「われわれは、Javaコミュニティーと共に進んでゆきたい」と、サンの野心も語られた。
アップルのジョブス氏がMac OS XのJava 2環境を紹介
マクネリ氏は、Javaコミュニティーに賛同するサードパーティーを紹介した。最初に名前を呼ばれたのは、米アップルコンピュータのスティーブ・ジョブスCEOだった。 |
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| ジョブス氏の登場に、聴衆の大多数が驚いた |
ジョブス氏は、来年1月に出荷予定の次期Mac OSである“Mac OS X”のJava
2アプリケーション実行環境を紹介した。5月15～19日に米サンノゼで開催した“WWDC
2000”の基調講演においても、ジョブス氏はJava 2を含むMac OS Xのデモを行なっている。ただし、開発者を対象にした内容であったため、Java
2アプリケーションの使用感などについては語られることがなかった。
Mac OS Xでは、CarbonやCocoaなどのアプリケーション実行環境が用意されている。Mac
OS Xでは、AQUAのユーザーインターフェースを搭載したJava 2アプリケーションを作成できる。つまり、CarbonやCocoaとまったく見た目の変わらないアプリケーションを実行できる。
Java 2開発バージョンのデモが不具合により中断したところで、現在出荷されている“QuickTime
for Java”を使い、マルチメディアコンテンツをJavaで再生する技術が紹介された。同製品を使用することにより、クロスプラットフォームに対応したアプリケーションを書くことができるという。
Javaに賛同するさまざまな企業の思惑
次にマクネリ氏は、Javaを搭載した電子手帳、そしてセガのドリームキャストを紹介した。また、マクネリ氏に引き続き登壇したパトレシア・C・シュルツ（Patricia C.Sueltz）ソフトウェア製品・プラットフォーム事業部社長は、National Software社、BEA Systems社、アメリカン・エクスプレス社を、Javaに賛同する企業として紹介した。 |
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| Javaを搭載したセガのドリームキャストが紹介された。セガの入交昭一郎副会長もステージに登場した(左) |
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| パトレシア・C・シュルツ氏。元はIBMの幹部で、'99年秋にサンに迎えられた |
だが、まわりにいるのは味方ばかりではない。基調講演終了後の記者会見で、あるジャーナリストが、マイクロソフト社に関する質問をすると、マクネリは「マイクロソフトは、Javaを殺そうとしている」と重苦しい様子で語った。サンは現在、Javaに関する著作権侵害で、マイクロソフトへの訴えを起こしている。
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| マジック・ジョンソン氏が、アメリカン・エクスプレス社のCEOに呼ばれて登場。サインを入れたバスケットボールを、聴衆の中に投げ入れた |
