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NEC、IPv6対応スイッチルーターを10月に発売

2000年06月06日 00時00分更新

文● 月刊ASCII network PRO編集部 榎本伸也

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日本電気(株)は、同社が'99年4月に発売したISP向けの統合スイッチルーター『IX5000シリーズ』を、次世代インターネットプロトコル“IPv6”に対応させて10月より発売することを発表した。今回の『IX5000シリーズ』が同社のIPv6製品の第1弾となる。

『IX5000シリーズ』『IX5000シリーズ』



インターネット上の技術についての標準化促進団体であるIETF(Internet Engineering Task Force、http://www.ietf.org/)で策定された、*IPv6の標準仕様をサポートしたIX5000シリーズでは、他社に先駆け、IPv6パケットのハードウェアエンジンによるフォワーディングを行なっているのが大きな特徴だ。

*
IPv6(Internet Protocol Version 6):現在使用されているIVv4では、ホストアドレス空間が32bitしかなく、インターネットに接続できる機器の増大に伴い、アドレスの枯渇が問題となっている。IPv6ではホストアドレス空間を128bitに拡大し、IPv4と互換性を保ちつつ機能拡張を行なったもの。

スイッチ容量はIPv4と同様に4Gbpsとなっている。ルーティングプロトコルはRIPng、BGP4+で、IPsec/IKEを使用することによる認証/暗号化機能も利用可能となっている。製品出荷時のサポートインターフェースは10/100BASE-TX、ATM PVC Point-to-Pointで、トンネル機能としてIPv6 over IPv4/IPv6、IPv4 over IPv4/IPv6、auto-tunnelなどがある。

また、すでに販売したIX5000シリーズについては、ファームウェアのバージョンアップ(料金は数万円程度を予定)によりIPv6に対応することができる。同社によればIX5000シリーズは、設計当初からIPv6対応を意識したものになっており、ファームウェアのバージョンアップのみで、IPv6に対応できるとしている。

価格は未定だが、IPv6対応での最小構成(本体、ソフトウェア、2スロット分のカードを増設できるIPSWモジュール、8ポートの10/100BASE-TXのEthernetカード1枚)で300万円弱から。また、今後はIX5000シリーズ以外にも、同社の大規模向けIPスイッチルーター『CX5210』などのIPv6対応製品も順次出荷していく(CX5210については12月下旬に出荷予定)という。

*NECネットワークス ネットワークソリューション推進本部の藤本幸一郎氏によると「ネットワーク業界で標準となっているシスコシステムズのルータなどとの相互接続性に関する優位性も強調したいですね」という。実際、6月7~9日に千葉・幕張メッセで開催される“Networld+Interop 2000 Tokyo”の会場で行なわれる企画展示「IPv6 Showcase」において、シスコシステムズをはじめとする複数のベンダーのルーターと相互接続するデモンストレーションが行なわれる予定だ。

*NECネットワークス:日本電気の社内カンパニーの1つ。

これまで、IPv4によるアドレス枯渇問題がNATなどにより回避されてきたことにより、IPv6への期待感がトーンダウンしているように感じる。しかし、今後携帯電話などの多くのデバイスがIPへ対応するなどの動きにより、再度IPv6への期待が高まっていくことが予想される。NECでは古くからIPv6の研究を行なっており、'98年からは社内外のIPv6実験網なども構築している。NEC以外のベンダーの対応も含め、今後IPv6に関する動きは要注目である。

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