インテル(株)は5日、台湾で開幕した“COMPUTEX TAIPEI 2000”において、新しい“I/O
Controller Hub2”(ICH2)を採用した、高性能デスクトップパソコン向けチップセット『インテル820Eチップセット』を発表した。820Eは'99年9月に発表された『同820』の後継のチップセットで、ICH2は100BASE-TX
LAN、*Ultra ATA/100、4ポート(2ポート×2チャンネル)のUSBといったインターフェース機能を備える。即日量産出荷されており、1000個ロット時の価格は3850円。
*Ultra ATA/100:米クアンタム社が中心となって策定している、毎秒100MBのデータ転送速度を持つIDEインターフェースの規格。ただし、正式な呼び名はまだ決められていない。本記事では便宜的に“Ultra
ATA/100”と記した。
USBポートは2チャンネルになったことで、USBビデオカメラなどの高速なデータ転送を必要とするハードウェアを複数利用する場合の、パフォーマンスの低下を軽減することができる。またICH2においては、820で採用していたICHでは2チャンネルだった*AC'97対応のサウンドチャンネルを6チャンネルに強化した。これにより、専用のサウンドチップを搭載しなくとも、DVDビデオの5.1chサラウンド音声のデコードが可能になるという。
*AC'97(Audio Codec
'97):インテルが提唱するオーディオのハードウェア規格。
『インテル820Eチップセット』 |
820Eの“Memory Controller Hub”(MCH)部分については前製品の820と同じで、100MHzまたは133MHzのFront
Side Bus(FSB)、AGP 4×、ダイレクトRDRAMをサポートしている。
インテルによると、820Eチップセットを使用した場合のパフォーマンスは、アプリケーションにもよるが、820チップセットを使用した場合に比べて、Pentium
III-866MHzを搭載したシステムで約5パーセント、Pentium III-1GHzでは約10パーセント以上向上するとしている。高速なプロセッサーであればあるほど、性能が向上する割合も多いという。
820Eは高性能デスクトップパソコン向けチップセットだが、このICH2を採用したバリューゾーン向けのチップセットもまもなく発表されると見られている。