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NEC、人物の顔を対象とする3Dスキャン装置を発表――警察の鑑識作業などへの導入を期待

2000年06月01日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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日本電気(株)と日本電気エンジニアリング(株)は1日、3次元画像計測装置『Fiore(フィオーレ)』を発表した。2台のCCDカメラを使って人物の顔などの立体を計測し、ワイヤーフレーム画像として出力する。計測に要する時間は2秒~4秒程度で、同社は警察の鑑識作業や医療用途、衣料品・装飾品の立体採寸やゲーム、映画のCG入力などへの導入を期待している。

『Fiore 2』。上位機種の『Fiore』には、被計測者が着席するイスが付属する 『Fiore 2』。上位機種の『Fiore』には、被計測者が着席するイスが付属する



今回の製品は、NECが開発した“多眼正弦波格子位相シフト法”という技術を用いたもの(特許出願中)。1つの位置から発せられた正弦波状に強度変調した光パターンを、1つ以上の視点位置から観察することで立体形状の計測を行なうという。左右1対のCCDカメラ(30万画素)と同じく1対のハロゲンランプを利用して、顔の右半分/左半分の形状を各々計測し、合計16枚の写真を用いてデータを作成する。

データはワイヤーフレームとして出力されるが、取得した色情報を元にテクスチャー加工を加えることができる。計測データとワイヤーフレーム加工には約2分かかる。

『Fiore 2』を使った計測の様子。『Fiore』と『Fiore 2』は、CCDカメラを左右1対のほか、中央にもう1台搭載する。光源の具合などで左右のバラつきが出た場合、これを利用して画像を補正する
『Fiore 2』を使った計測の様子。『Fiore』と『Fiore 2』は、CCDカメラを左右1対のほか、中央にもう1台搭載する。光源の具合などで左右のバラつきが出た場合、これを利用して画像を補正する



製品のラインナップは、被計測者が着席するイスが付属する設置型の『Fiore』、その汎用型の『Fiore 2』、可搬型の『Danae(ダナエ)』の3機種。最上位機種の『Fiore』の場合、計測精度は0.2mmで、計測密度は0.6mm、計測エリアは縦300×横400mmという。サイズは、幅1300×奥行き1800×高さ1400mm、130kg。『Fiore 2』と『Danae』は、本体のほか画像処理用のパソコンが必要になる。


ワイヤーフレーム画像とそれにテクスチャー加工を加えたもの
(クリックして拡大画像がみられます)



本日から販売し、価格は『Fiore』が600万円、『Fiore 2』が200万円、『Danae』が88万円。今後3年間で500台の販売を見込むという。10万円を切るような装置の開発も考えているという。

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