このページの本文へ

【関西ミュージアムメッセ Vol.1】移動体通信を使ったミュージアムガイド、トータルメディア開発研究所から登場

2000年05月26日 00時00分更新

文● 高松平藏/ジャーナリスト

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

5月24日から27日まで、大阪・北区の大阪国際会議場(グランキューブ大阪)において、“関西ミュージアム・メッセ2000”が開催されている。これは、近畿2府4県と福井、三重、徳島の自治体や企業が運営する博物館や資料館を紹介するイベント。さまざまな博物館や資料館を来場者に知ってもらい、関西広域圏の文化施設の活用を進めるために、'97年から始まったもの。本稿では、このイベントの中でIT関連を中心にレポートする。

ミュージアム関連の調査、構想から施設運営全般までの事業を行なうトータルメディア開発研究所(宝地戸弘社長、本社東京)は、移動体通信を使ったミュージアムガイドシステム『K-Guid』を提案した。

これは、美術館や博物館を訪れるユーザー向けのサービスで、来館者が持つインターネット対応の携帯電話やPHSに随時、館の情報や案内を送るというもの。

利用者はチケット購入時などに、自分のメールアドレスをミュージアムへ伝える。ミュージアム側は館内を歩く利用者に向けて、通路の案内や展示物の紹介などが行なうことができる。

見本市会場をミュージアムに見立てて行なわれたデモンストレーション
見本市会場をミュージアムに見立てて行なわれたデモンストレーション



同システム最大の特徴は、来館者の持つ端末を利用するため設備投資がほとんどいらないこと。さらに、アンケートサービスを標準装備しているため、展示などの感想を集めたりと来館者の声が聞けるかたちだ。

同社プロデューサーの西川智昭氏によると商品化は「今から」。携帯電話やPHSのインフラが現在不十分であることがネックになっているほか、コンテンツの整備などが商品化に向けた課題だと同氏は言う。

昨今、利用者の知的好奇心をくすぐるようなミュージアム作りの必要性を唱えられているが、美術館や博物館向けのマーケティング手法はまだ手探りの状態だ。そんな中、利用者との双方向性の関係づくりを構築できることから、ニーズの把握が可能になる。

加えてPHSや携帯電話を使いこなしている10代の若者など、ミュージアムにとって新たな客層の開拓にもつながると見られるほか、町全体をミュージアムと見立てたアートフェスティバルや地域のイベントにも応用が考えられる。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン