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住商データコム、米CyberIQ Systemsのネットワーク負荷分散装置を発表

2000年05月26日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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住商データコム(株)は26日、*米CyberIQ Systems社製の、ネットワーク負荷分散装置『HyperFlow3』、『HyperWAN』、『HyperCommerce』を発表した。7月から順次、販売・出荷開始する予定。販売予定価格はHyperFlow3が300万円前後、HyperWANが400万円前後、HyperCommerceが500万円前後としている。

*CyberIQ Systems:2000年4月にHolonTechから社名を変更した。

今回発表された3製品はいずれも、米国ラスベガスで7日から12日まで開催された“NetWorld+Interop 2000において、CyberIQ Systemsが発表した新製品。

HyperFlow3は、10BASE-T/100BASE-TXのEthernetポート24ポート、Gigabit Ethernetポート1ポートを持つ、高さ1U(約4.4cm)のラックマウントタイプの製品。従来機種の『HyperFlow2』と同様に、負荷分散アルゴリズムをロジック化したASIC(Application Specific Integrated Circuit)を搭載することで高速化を図り、負荷分散装置自体がトラフィックの負荷にならないようにしたという。

『HyperFlow3』
『HyperFlow3』



HyperFlow2と比較して、100BASE-TX Ethernetポートが増えたほか(従来は4/8/16ポート)、新しくGigabit Ethernetポートの追加、NAT(Network Address Translation)、VLAN(Virtual LAN)のサポートが追加されている。HyperFlow3により、ウェブ、アプリケーション、FTP、ファイヤーウォール、プロキシー、キャッシュ、VPN(Virtual Private Network)、ルーターの各サーバーの負荷分散処理が可能。またサーバーに異なるOSが混在している状態でも利用できるとしている。

『HyperWAN』
『HyperWAN』



HyperWANは、HyperFlow3が同一のネットワーク内での負荷分散を行なうのに対して、地理的に離れたネットワーク(WAN)間で負荷分散を行なう、広域負荷分散装置。住商データコムによれば、現在、証券会社などの電子商取引サイトにおいては、サーバー機器の多重化は当然として、さらにサイトそのものを分散して配置されるようになってきており、HyperWANはそのような形での利用を想定している。HyperWANは、プライマリーDNSサーバーとして動作し、クライアントからのアクセスに対して、レスポンスの良い近くのサイトに振り向けることができるという。

HyperCommerceは、SSL(Secure Socket Layer)認証を使用しているような電子商取引サイト向けの製品。SSL認証処理をサーバーでなく、HyperCommerceが行なうことで、サーバーの負荷を軽減するSSLアクセラレーション機能を備える。また、電子商取引サイトにおいて頻繁に発生する、データベースへの照会要求、クレジットカード会社への照会要求、ユーザーへの入力に対する応答といった一連の処理を、それぞれ別のサーバーに対してパラレルに割り振ることで、負荷分散と、パフォーマンスの向上が図れるとしている。

CyberIQ Systemsの坂本明男会長
CyberIQ Systemsの坂本明男会長



住商データコムは、'99年度にHyperFlow2を約350台出荷している。利用企業としては、(株)大和総研、(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント、富士通エフ・アイ・ピー(株)などとしている。今回の製品については、初年度HyperFlow3が1000台、HyperWANとHyperCommerceをそれぞれ200台の販売を予測している。

日本においては、インターネット上の証券関連・銀行関連サービスの本格化や、iモードなど携帯電話ベースのアクセスにより、インターネットサービスを行なっているサイトの負荷が急激に増加している状況で、こうした負荷分散装置市場も大きな広がりとなりつつある。現在幅広くこの分野の製品を提供しているのは、*米F5 Networks社だが、今回CyberIQ Systemsが新製品を投入したことで、一層の市場拡大が見込まれる。

*F5 Networksの国内代理店は、(株)エヌ・ティ・ティ エムイー、東京エレクトロン(株)、ニチメンデータシステム(株)、(株)アズジェント

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