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【INTERVIEW】『D』企画制作・脚本・監督:岡部暢哉氏に聞く

2000年05月23日 00時00分更新

マニアの間で密かに盛り上がっている『D』は、もともとVシネマ作品として制作されたが、その過激な内容と斬新なビジュアルから口コミで評判が伝わり、昨年の東京ファンタスティック映画祭での上映、今年2月の劇場公開(デジタル上映)、そしてDVDの発売とジワジワとファンを増やしている。ロシアが開発したパワードスーツを強奪した2人の日本人が、宇宙から飛来した宇宙生物と戦うという荒唐無稽なストーリーで3話構成。フィルムではなくDV(デジタルビデオカメラ)で撮影し、そのままパソコンに入力、CGによる効果を加えて完成させるという低予算作品ゆえの手法を駆使した作品だ。企画制作と脚本と監督を兼任した岡部暢哉氏にインタビューを行なった。なお、現在発売中のDVDは1話から3話までで各6000円。メイキングや予告編などの特典映像付き。ビデオも発売中だ。ただしDVDの在庫は店頭分のみ。

これがロシア製パワードスーツだ
これがロシア製パワードスーツだ



DVで撮影し自作ソフトでCG化

――そもそもの企画の始まりは何だったんですか?
岡部:予定していたスピードファイターの企画が空いちゃったんです。でもそのために用意した体制を何とかしたかったので、Vシネの企画を立ててやろうと。だから、これがという志みたいなのはないんですよ(笑)。

『D』を執念で完成させた岡部監督
『D』を執念で完成させた岡部監督



――ロボットや怪獣に思い入れがあったわけではない?
岡部:実写でCGといえば何だろうと考えたらそこに行き着いたんです。

――結果的にこういう手法で映像作品ができるという道を示したことになりました。
岡部:ええ。まあそれは否定しません。DVで撮ってSGI(シリコングラフィックス製ワークステーション)を一切使わないでやろうと。今後こういう形式でやることが多くなるだろうしね。だから予算の配分にしても、ボクは現場上がりだから、たとえが凄くて申し訳ないけどジェームズ・キャメロン(タイタニック監督)は特撮現場上がりじゃないですか。ボクも特撮現場上がりで、5000万円の予算があるなら特撮にいくら人件費がいくら、役者にいくらとかそういう観点から話を考えるんですよ。ほら『ターミネーター』なんてそうでしょ、最後のスケルトンのサイボーグを見せるところにお金を集中させたから成功したわけだし。

――ほぼすべてWindows NTマシンを揃えたんですね。
岡部:ええ。Photoshopで絵を作った程度ですね。昔はMacを使ってたんだけど、サポートでアタマに来たんでNTにしました。

――自製でソフトも作ったんですよね。
岡部:フィルムトーンにするフィルタとかレンダラーとか、合成ソフト、マスクを抜くヤツなどを作りましたね。自分たちがやってきたクオリティを落としたくなかったですから。

――でも画質的にはDVでも意外と違和感がありませんね。
岡部:ただのフィルタではなく直接絵を変換してますからね。それにナイトシーンの場合、フィルムだとたくさんの照明が必要なんだけどDVだとそれよりも少ない光量でも黒が撮れる。締まり具合がなかなかいいんです。ただしほかでは『D』と同じことは絶対できないと自負しています。ボクらビルドアップには13年間のノウハウの蓄積がありますからね。何と言っても1話1週間で撮りましたし(笑)。

川俣はオレの精神状態そのまま

――かなりキレ気味のストーリーですが?
岡部:最近の特撮やアニメに多い「単純なことを苦労して考えよう」みたいなのはヤだったんです。中学生みたいなシナリオだっていわれたけど、オレはそれをやりたいんだよっって(笑)。ガキが適当に書いたような話を大人がカネと時間をかけてやるんだよって。怪獣がどこから来てもいいじゃん、と。

狂気の男・主人公の川俣。戦うことを生き甲斐にする好戦的な男
狂気の男・主人公の川俣。戦うことを生き甲斐にする好戦的な男



――細かいこと言うな、と(笑)。
岡部:そう。太古の遺跡に書いてあったとか、そんなの要らないって。ホントはゴジラ映画でもジェットジャガーをリメイクしたいんですよ。『ゴジラ2000』でも中盤にジェットジャガーが出てくればみんな許す! って感じだったんだけどなあ。そんなノリです。ガメラなんかにしても昔のバイラスが出てくるようなので、ボーイスカウトとかが出てきてショートケーキの罠にハマっちゃうようなヤツをやってほしいね。

――隠れ家からへりが出てくるシーンは笑いました。
岡部:あれは現場までトラックで運んでいくのも何だろうし。じゃあへりだって(笑)。

――いちおうソ連製のへりなんですよね。
岡部:最初は船に乗せるシーンも考えたんですよ。プロモ用に撮った『D0』ってのがあってそこでは船という設定になってます。

パワードスーツを運搬するカモフヘリコプター
パワードスーツを運搬するカモフヘリコプター



――主人公がどんどん肉体を削られちゃいますが。
岡部:最後に脳ミソだけになっちゃうでしょ、あれボクなんですよ。書いているときからそう言ってた。企画がポシャってタマってたときの状態で書いてたから。主人公の川俣はボクの精神状態そのままなんですよ。

――子どもと助けようとした母親の頭が吹っ飛ぶシーンが強烈でした。
岡部:あれはホントは別れた女房なんですよ。子どもはホントの子どもで、映画に出してやるとか言わないと会えないんで(笑)。で女房の頭を吹っ飛ばしてやろうって。でも当日ドタキャンしちゃって別の人になっちゃったんですけど。

――怪獣のアイデアは?
岡部:1話目は緑で尻尾があってみたいな古典的なのを、2話目はヘンなのを、うーん2話だからニワトリでいいやって(笑)。3話目はゲームに出てくるようなバイオハザードみたいなヤツにしようって。それと予算の配分の絡みもあってCGの比率も5:3:2とだんだん減らしています。

第2話に登場するニワトリ怪獣。宇宙生物は最初に触れたものに寄生する
第2話に登場するニワトリ怪獣。宇宙生物は最初に触れたものに寄生する



第3話に登場する“バイオハザード+エイリアン”風怪獣との戦い。CGと実写を効率よく組み合わせている
第3話に登場する“バイオハザード+エイリアン”風怪獣との戦い。CGと実写を効率よく組み合わせている



Vシネの音楽じゃないよね

――歌舞伎町ロケはゲリラ方式だそうですが、よみうりランドは許可取ったんですか?
岡部:取ったんだけど、血をバラまくとは聞いてなかったって言われて(笑)。実写でCGで合成するスーパーヒーローが出てくる……っていったら、ウチもよくライダーショーとかをやるんですよって、ああ、そういうヤツですって(笑)。でも回転木馬の前でバーっと血をまいちゃった。

新宿歌舞伎町に現われた宇宙怪獣。オーソドックスなセンを狙ったらしい
新宿歌舞伎町に現われた宇宙怪獣。オーソドックスなセンを狙ったらしい



――今回『D』をやってみていかがでしたか?
岡部:もう大変ですよ。でもエッジをとがらせた作品にしようと思ったら監督とプロデューサーを兼ねる体制にしないとダメだね。

――たくさん苦労があったと。
岡部:そりゃもう。たとえば撮影中に位置関係がヘンですよって助監督に言われたんですよ。これだとすぐに追い付いちゃうからヘンだって。整合性を追求したがるんですよ、彼は。でもこれはボクが撮ってる映画なんだからって思いがあって「それじゃあ、こんなロボットだっていないだろう」って(笑)。また歌舞伎町でアタマが飛んじゃうときも「どうしてアタマが飛ぶんですか」っていうから「弾が当たったからだ」って。そしたら「そりゃ酷いじゃないですか」、「うん酷いんだよ」ってそんなやり取りばかり。

――それにしてもサントラは豪華ですね。
岡部:下世話で暴力的なボクのテイストが出ている作品ですから、音楽には重厚なものが必要だったんですよ。作曲のマイケル・バータはハリウッドでもやってる人間で、2人でスタジオにこもって延々と打ち込みでやってました。音と音楽にはお金をかけましたけど、Vシネマの音楽じゃないよね(笑)。

次は改造人間ヒーローのリメイク

――次の予定は?
岡部:今書いているシナリオは『D』の500倍面白いです。改造人間ヒーローのリメイクです。ヤクザ関係のロケができるようにそのスジの人たちとも仲良くしてるくらいですし(笑)。ただリメイクだから残りの1社がOK出さないとダメなんですけどね。シナリオ見せると『D』より面白いって言われるし、これは絶対やってほしいとか、どうやって撮るんですかっていうから、こうこうなんだっていうと「おー」って(笑)。

――それもDVで撮影するんですか?
岡部:ええ、松下の新型のカメラを使う予定です。

――最後にひとこと。
岡部:DVD、店頭にあるうちに買ってください(笑)。Vシネは再販がかかりにくいんで。

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