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【ビジネスシヨウ2000 TOKYO Vol.2】ドコモに対抗する“KDDI”とJ-フォン――新サービスやブランド再構築に奮闘

2000年05月23日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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“ビジネスショウ2000TOKYO”では移動体通信事業者が軒並み大きなブースを構え、移動体通信の成長ぶりを印象づけている。“ガリバー”NTTドコモグループに対抗する2グループもブースではドコモに負けてはいない。大手キャリア3社の合併で10月に誕生する“KDDI”は一般ユーザーへの初お披露目とあって、新ブランドの端末や新サービスPRに必死。J-フォングループも新しい端末やサービスを披露、次世代携帯電話のコンセプトモデルも展示した。

総合キャリア“KDDI”の初披露


KDDIのブース
KDDIのブース



第二電電(株)(DDI)とケイディディ(株)(KDD)、日本移動通信(株)(IDO)は10月1日付けで合併、国内通信から国際通信、移動体通信まで網羅する総合通信キャリア“株式会社ディーディーアイ”が誕生する。統一ブランド名は“KDDI”。3社ではビジネスシヨウをKDDI初披露の場として合同でブースを開設し、各社のサービスを総合的に紹介した。

まず第一弾として、DDIセルラーグループとIDOの携帯端末を合併に先駆けた7月から、全国統一ブランド“au(エーユー)”として販売する。次世代携帯電話でも同ブランドを使用するという。accessやalways、amenityなどの頭文字aと、unique、universal、userなどのuを組み合わせ、「これからの移動体のように自由自在な意味」を込めたという。

auブランドの携帯端末がずらりと並んだ
auブランドの携帯端末がずらりと並んだ



このほか、スタートしたばかりの“cdmaOne”国際ローミングサービスや、端末用インターネットサービス“EZweb”“EZaccess”などを展示し、移動体通信事業への力の入れようを来場者に印象付けた。またKDDIの大株主であるトヨタ自動車(株)の電気自動車と、自動車用通信ネットワークを組み合わせた地域交通システムも参考出品された。次世代移動体通信であるIMT-2000については、KDDIは土壇場で北米方式(cdma2000、MC-CDMA)の採用を決定した経緯があるため、パネルなどで今後の取り組みを説明する程度にとどまった。

最高速度64kbpsのパケット通信サービス“PacketOne”に対応したPCカード型端末。セイコーインスツルメンツ(株)製で、「10月までには発売したい」とのこと
最高速度64kbpsのパケット通信サービス“PacketOne”に対応したPCカード型端末。セイコーインスツルメンツ(株)製で、「10月までには発売したい」とのこと



参考出品された『トヨタEVコミューターシステム Crayon(クレヨン)』に使用されるトヨタの2人乗り新型電気自動車『e-com』。同システムでは、駅など地域の拠点にe-comを置き、通勤通学時に共同利用して渋滞緩和を図るもの。乗り捨ては自由で、各車の管理はGPSで行ない、さらに渋滞状況や地域の情報が、cdmaOneを利用した自動車用通信ネットワーク“MONET(モネ)”経由で提供される
参考出品された『トヨタEVコミューターシステム Crayon(クレヨン)』に使用されるトヨタの2人乗り新型電気自動車『e-com』。同システムでは、駅など地域の拠点にe-comを置き、通勤通学時に共同利用して渋滞緩和を図るもの。乗り捨ては自由で、各車の管理はGPSで行ない、さらに渋滞状況や地域の情報が、cdmaOneを利用した自動車用通信ネットワーク“MONET(モネ)”経由で提供される



H"(エッジ)のヒットで気を吐くディーディーアイポケット(株)(DDIポケット)は、H"端末を利用した音楽配信を今秋にも開始するという。そのインフラを担うサービスとして、回線交換式で最大128kbpsの接続サービスを2000年度内か来年度早々にも開始するという。また同時に64kbpsと32kbpsのパケット通信サービスもスタートさせるという。音楽配信は回線交換式の128kbps、ウェブ閲覧やメール送受信では64/32kbpsのパケット通信で常時接続するといった使い分けができそうだ。ただしパケット通信の課金体系は決まっていないという。

データ伝送速度の速さが特徴の次世代携帯電話より、PHSが一足先に広帯域サービスを実現してしまう格好。同社は「IMT-2000は恐るるに足らず」と意気軒昂だ。

記録メディアにSecure MMCを採用した三洋電気(株)製端末による音楽配信システムを出展。128kbpsサービスより先に商用化されるという 記録メディアにSecure MMCを採用した三洋電気(株)製端末による音楽配信システムを出展。128kbpsサービスより先に商用化されるという



“ミーメディア”を目指すJ-フォン


J-フォンのブース
J-フォンのブース



もう一方のドコモ対抗軸であるJ-フォングループは、ジェイフォン東京(株)が出展社となった。J-フォンが掲げたのは“ミーメディア”。その意味は“私(me)に身近で、私の世界を広げ、私と世界をつなげるメディア”だという。

今月スタートした新サービス“J-ナビ”は、このコンセプトに沿ったもの。このサービスでは、希望した場所のカラー地図を端末画面に呼び出すことができる。さらに地図に待ち合わせ場所などをマークして、メールで添付ファイルとして送付することもできる。

J-ナビで呼び出した地図。カラー液晶搭載端末ではカラーで分かりやすい地図が閲覧できる J-ナビで呼び出した地図。カラー液晶搭載端末ではカラーで分かりやすい地図が閲覧できる



IMT-2000に関しては、J-フォングループはドコモと同じ日欧方式の“W-CDMA(DS-CDMA)”を採用し、2001年12月のサービス開始を予定している。ブース内ではスウェーデンのエリクソン社やフィンランドのノキア社による携帯情報端末のモックアップを展示。サービス開始後は両社の製品を国内販売することで合意しているという。

エリクソン社製の携帯情報端末。OSは“EPOC”を採用する。世界の携帯電話市場で最大手のノキアやエリクソンは、日欧で規格が同一の次世代端末を武器に日本市場への本格的な参入を開始するようだ エリクソン社製の携帯情報端末。OSは“EPOC”を採用する。世界の携帯電話市場で最大手のノキアやエリクソンは、日欧で規格が同一の次世代端末を武器に日本市場への本格的な参入を開始するようだ



J-フォンブースで唯一動作していた次世代端末。小型カメラとカラー液晶ディスプレーを搭載し、MPEG-4形式による動画の送受信が可能だ。製造メーカーは明らかにされなかったが、「国内メーカー」とのこと
J-フォンブースで唯一動作していた次世代端末。小型カメラとカラー液晶ディスプレーを搭載し、MPEG-4形式による動画の送受信が可能だ。製造メーカーは明らかにされなかったが、「国内メーカー」とのこと



6月に発売予定の新端末『J-SH03』。人気の前機種と同様カラー液晶ディスプレーを搭載した上、FM音源による4和音の着信メロディーが再生可能。このほか5月末発売予定の『J-SA02』、6月発売予定の『J-T04』とカラー液晶搭載機が充実してきた 6月に発売予定の新端末『J-SH03』。人気の前機種と同様カラー液晶ディスプレーを搭載した上、FM音源による4和音の着信メロディーが再生可能。このほか5月末発売予定の『J-SA02』、6月発売予定の『J-T04』とカラー液晶搭載機が充実してきた

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