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平成11年度のPCカード出荷は521万7000枚、コンパクトフラッシュやスマートメディアなどは1361万4000枚と大幅増加――電子協が国内メーカーの昨年度実績を発表

2000年05月19日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(社)日本電子工業振興協会(JEIDA:電子協)は18日、平成11年度('99年4月~2000年3月期)における、加盟各メーカーのPCカード出荷実績を発表した。それによると、平成11年度のPCカード出荷実績(輸出含む)は、前年同期比14パーセント増の521万7000枚、*スモールカードは前年同期比218パーセント増の1361万4000枚と、いずれも大きく増加し過去最高となった。

PCカード統計分科会委員長の坂内義明氏
PCカード統計分科会委員長の坂内義明氏



*スモールカード:電子協では統計上、コンパクトフラッシュ、スマートメディア、ミニチュアカード、マルチメディアカード(MMC)などをまとめて“スモールカード”と呼んでいる。なお、ソニー(株)はこれまで出荷統計に参加しておらず(2000年4月から参加)、これまでのスモールカード統計には、メモリースティックは含まれていない。

*この統計は電子協に加盟する企業のうち、PCカード専門員会に参画する25社と、出荷統計に協力する23社の、計48社からの申告をまとめたもの。PCカード専門委員会に参画する企業は以下の通り(順不同)。(株)アイ・オー・データ機器、ITTキヤノン(株)、(株)アドテックシステムサイエンス、FCIジャパン(株)、沖電気工業(株)、オリンパス光学工業(株)、キヤノン(株)、サンディスク(株)、(株)三洋電機、シャープ(株)、セイコーエプソン(株)、TDK(株)、(株)東芝、東京エレクトロンデバイス(株)、日本IBM(株)、日本電気(株)、(株)日立製作所、日立マクセル(株)、(株)フジソク、(株)富士通、松下電池工業(株)、三菱電機(株)、三菱樹脂(株)、(株)村田製作所、ラトックシステム(株)。出荷統計に協力する23社は以下の通り(順不同)。(株)アドテックス、アライドテレシス(株)、岩崎通信機(株)、(株)NTTデータ、(株)小野測器、オムロン(株)、京セラ(株)、(株)コンテック、(株)サイキューブ、三星電子ジャパン(株)、シチズン時計(株)、セイコーインスツルメンツ(株)、(株)タムラ製作所、ティアック電子計測(株)、(株)ニコン、富士写真フイルム(株)、富士通メディアデバイス(株)、(株)マクニカ、松下電器産業(株)、丸紅ソリューション(株)、(株)メイコー、(株)メルコ、ロジテック(株)。

デジタルカメラの普及に伴いスモールカードが大幅な伸び

出荷実績について電子協では、スモールカードが前年比3倍以上と大幅に伸びた理由として、デジタルカメラの出荷が前年度同期比で82%増と大きく伸びたことから、その記録メディアであるスモールカードも伸びたとした。またスモールカードほど劇的ではないが、PCカードについても伸びていることについては、ATAインターフェースを持つメモリーカードとLANカード(16bitのもの)がともに前年同期比で30%増と伸びていること、100BASE-TXのLANカード(CardBus:32bitのもの)が同102%と大幅に増加したことを挙げた。そのほか、携帯電話接続用のアダプターカード、IEEE1394インターフェースカード、スモールカードのアダプターカードの需要も増加したという。

平成12年度の出荷予測は、スモールカードが11年度比で135%増の3200万枚、PCカードが同28%増の584万枚で、PCカードの非準拠品を含めて全体では同103%増の3824万枚に達するとしている。金額ベースでは、11年度の753億円に対し同65%増の1239億円と、1000億円を突破するのは確実であるとしている。

平成11年度出荷実績詳細


(クリックすると実サイズになります)


・PCカード出荷実績数(国内出荷+輸出)

数量:521万7000枚(前年同期比14%増)
金額:301億9900万円(同17%減)

PCカードの出荷実績には、フラッシュメモリーなどをPCカードスロットで使用するためのアダプターを含む。

・スモールカード出荷実績数(国内出荷+輸出)

数量:1361万4000枚(同218%増)
金額:450億5200万円(同194%増)

今後のPCカード製品について

PCカード専門委員会主査の大原稔氏
PCカード専門委員会主査の大原稔氏



また今後のPCカード製品の方向について発表した、PCカード専門委員会の大原主査によると、現在PCカードスロットにIEEE1394やUSBのインターフェース機能や、スモールカードのアダプター機能を持たせた“CardBay”と呼ばれる仕様が策定中であるという。これは、現在のPCカードのコントローラーチップに、IEEE1394やUSBのインターフェースや、スモールカードのアダプター回路を統合して、PCカードスロットのピンに割り当てることで、ユーザーは、PCカードの形状をした廉価なアダプター(実質的に各種の標準コネクターへの配線のみ)を用意すれば各種の機能が利用できるという。

これらの仕様は'97年12月から審議されており、現在は各機能の切り替え方法や、ピン配置などについて審議中で、年末までには承認される予定としている。またCardBay以外に、現在5Vと3.3Vとなっている電源電圧の仕様に、1.8Vというさらに低電圧の仕様が審議されているという。



ノートパソコンのインターフェースとして普及してきたPCカードだが、筐体の小型化や取り扱いの容易さからデスクトップパソコンへの搭載も増えると予想される。今後は、LANインターフェースがノートパソコンなどにも標準で搭載されて、PCカードタイプのLANインターフェースへの依存が減る一方で、PCカードスロットにCardBayといった機能の集約が行なわれることにより、全体としては出荷の増加が見込まれる。

また、スモールカードはデジタルカメラの普及に従って急速に伸びているが、さらに携帯用の音楽プレーヤーの普及や携帯電話への採用が進むことは間違いなく、今後は爆発的に市場が増大すると見られる。ただし、スモールカードについては各社がさまざまな仕様のものを発売し、スタンダードが確立されていないまま普及が始まっている状況であり、ユーザーの投資を保護し、便宜を図る意味では、規格の統一が望まれる。

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