このページの本文へ

NTTソフト、2000年度の事業方針を発表 ――インターネット/EC分野に注力し売上高目標は580億円

2000年05月18日 00時00分更新

文● 編集部 鹿毛正之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

NTTソフトウェア(株)は17日、2000年度の事業方針について記者発表を行なった。今年度の売上高目標は580億円(前年度は503億円)で、NTTグループ外への売上は120億円(同43億円)を見込んでいる。経常利益目標は25億円で、経常利益率は4パーセントの見込み。インターネット/EC分野への注力をはかり、EAI、EC/CRM、セキュリティーの3事業を戦略ビジネス分野として推進していくという。

NTTソフトウェア(株)は17日、都内のホテルにおいて2000年度の事業方針について記者発表を行なった。

都内で開催された記者発表会には、同社の経営陣が勢ぞろいした
都内で開催された記者発表会には、同社の経営陣が勢ぞろいした



今年度の売上高目標は580億円で、前年度の503億円から約16パーセントの増加を見込んでいる。このうち、NTTグループ外への売上は120億円(約20パーセント)としており、前年度の43億円から大幅な増加を見込んでいる。経常利益の目標は25億円で、経常利益率は4パーセントの予定だ。

同社では、“eビルダー”をキーワードにビジネスモデルの構築を行なう。代表取締役社長の鶴保征城氏は、「インターネット上でサービスを提供するよりも、サービス提供者向けにより安価で簡便な構築サービスを提供する」と説明。その上で、“eビルダー”というキーワードについて、「Eビジネスを構築することが“eビルダー”」だと語った。

また、現在のインターネットを19世紀のゴールドラッシュになぞらえ、「金を掘るのではなく、シャベルやジーンズを提供する」と語り、自らEビジネスを実践するよりも、システムの面から後方支援していくという経営方針を明らかにした。

鶴保社長は「2000年度は経営の自立化に向けて重要な年度」と語り、NTTグループ外への売上を高めたいとアピールした
鶴保社長は「2000年度は経営の自立化に向けて重要な年度」と語り、NTTグループ外への売上を高めたいとアピールした



2つの戦略と3つのソリューションに注力

今年度、同社は2つの戦略を実践する。1つ目の“A&D”(Alliance & Development)は、国内外のパートナー企業と積極的にアライアンス(同盟)を組み、デファクトスタンダード(事実上の業界標準)をいち早く取り入れていくというもの。

2つ目の“Speed & Technology”では、インターネット先進国の米国において先進的な企業と提携し、スピーディーに技術を取り入れていくとしている。同社では'99年度に起業部という部署を新設し、米国に開設したカリフォルニアセンターを通じて、企業への投資などを実践している。

これら2つの戦略を推し進めていく上で、同社が注力する分野として、3つの“ソリューション”を挙げた。

一つ目に挙げたEAI(Enterprise Application Information)は、企業内で利用される各アプリケーションと業務を、ネットワークを利用して統合するもの。同社では4月から米アクティブ・ソフトウェア社の『Actice Works』を販売しているほか、5月にはパートナー企業6社と共同で、業界団体のEAI Solution Firmを立ち上げるなど、EAI分野で積極的な展開を図っている。2000年度にはEAI分野で約20億円の売上を目標にしているという。

二つ目にはEC/CRM分野が挙げられた。同社では、インターネット上でEビジネスを展開するのに必要な各種システムの展開を進めており、ここに課金/決済システム(EC)と、顧客対応を行なうCRM(Customer Relationship Management)が含まれている。

EC分野では米PORTAL社の決済システム『Infranet』の日本語化と販売を行なっており、国内のISPなどに売り込んだ実績がある。またCRM分野では、昨年度に提携を結んだ米ネットパーセンプションズ社の『NetPerceptions』や、コールセンター向け送信例文自動作成ソフトの『Kana Response』などが主力商品となる。同分野では約60億円の売上を目標としている。

三つ目に挙げられたのは、セキュリティー分野。ネットワーク向けのアクセス管理システムや、PKI(公開鍵基盤)事業などを展開していく。同社ではセキュリティー分野を、前出のEAIやCEM事業を進めるに当たって欠かせない要素とし、それぞれを組みあせたシステムの提案を行なっていくとしている。セキュリティー分野の売上は、約30億円を目標においている。

バイオと教育分野にも進出、グループ外売上を30パーセントに

以上に挙げた重点分野のほか、同社ではバイオ分野と教育分野を、新規ビジネスとして展開していく。

バイオ分野では、昨今話題になっている“ゲノム解析”を中心とした“バイオインフォマティクス”事業を展開する。また教育分野では、インターネットを活用した遠隔教育などを“インターネット教育ビジネス”として展開していくという。

これらの重点分野と新規事業を中心に、NTTグループ外への売上を高め、約120億円を目標とする。同社ではグループ外への売上を最終的に30パーセントまで高めることを目標に置いており、2001年度には総売上目標700億円のうち、グループ外売上を200億円(約28.5パーセント)にしたいとしている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン