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無線LAN製品の米プロキシムが日本法人を設立――初年度15億円の売り上げを目指す

2000年05月17日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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世界の無線LAN市場でトップシェアを持つ米プロキシム(Proxim)社は、日本法人であるプロキシム(株)の設立記者発表会を開催した。販売代理店およびOEMパートナーである、(株)アイ・オー・データ機器、関西電機(株)、(株)アクティブテクノロジーの3社のサポート強化と、新たなパートナー開拓を目指して業務を拡大し、初年度15億円の売り上げを目指すという。

米プロキシム会長兼CEOのデイビッド・キング氏
米プロキシム会長兼CEOのデイビッド・キング氏



米プロキシム会長兼CEOのデイビッド・キング(David King)氏の説明によると、同社は'84年に設立されてから無線ネットワーク製品の開発を続け、'94年に2.4GHz帯を利用した周波数ホッピング方式の無線LAN製品を開発し、世界100社以上にOEM供給しているという。*'98年度の無線LAN製品市場において、同社は37パーセントのシェア(台数ベース。米の調査会社Frost & Sullivan社調べ)で1位であるという。また、日本ではアイ・オー・データ機器から発売されている、家庭向け無線ネットワーク製品“Symphony”シリーズは、家庭向け無線ネットワーク製品市場において、60パーセントと圧倒的なシェアとなっているという('99年前期、米Frost & Sullivan調べ)。

2位は米Aironet Wireless Communication社(米シスコシステムズ社により買収された)が24パーセント、3位は米ルーセント・テクノロジー社が14パーセントなどとなっている。

無線LANの標準化を行なう、“Wireless LAN Interoperability Forum”(WLI Forum)や“Home Radio Frequency(HomeRF) Working Group”といった団体でも積極的に活動を行なっているという。

日本市場では'94年以後、販売代理店であるアクティブテクノロジーを通じて、主に工場などで使用するハンディーターミナル向け製品や、企業向け無線LAN製品“RangeLAN2”を提供している。現在同社が発売している2.4GHz帯を利用する無線LAN製品のデータ伝送速度は1.6Mbpsであるが、IEEE802.11b規格に対応した10Mbps製品も開発しており、7月から投入するとしている。

さらに今後は、HomeRF製品において、現在標準化に向けてHomeRF Working Groupで話し合われている、音声とデータを同時に扱える次世代の仕様に合わせた製品を予定しているという。この標準化は今年の年末までに終了する見込みで、2001年には製品を提供できるとしている。

プロキシム(株)代表取締役社長の松本重継氏
プロキシム(株)代表取締役社長の松本重継氏



次に3月27日付で設立されたプロキシム(株)の松本重継社長が日本法人のビジネス戦略について説明した。松本社長によると、前述の3社とのパートナーシップを強化し、RangeLAN2とSymphonyをプロキシムブランドとしてパートナーを通じて提供し、市場での存在感をアピールすると共に、HomeRF製品の普及を図るという。また、ビル間用の無線通信製品“Stratum”(ストラタム)も日本市場に投入するとしている。

製品の販売については、あくまでパートナーを通じて行ない、直接販売は行なわない予定で、今年度15億円(OEM向け7億円、企業向け3億円、家庭向け5億円)、3年後に100億円の売り上げを目指すという。

日本でもこの春から、802.11bに対応した11Mbps製品の登場と共に、無線ネットワーク市場が急激な高まりを見せている。大きな実績を持つプロキシムの日本法人設立で、製品の機能や価格など、ますます競争が激化することが予想される。

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