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日立システムアンドサービス、大規模ネットワーク拠点向けセキュリティーシステム製品を発表

2000年05月16日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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*(株)日立システムアンドサービスは、ウェブホスティングサイトやASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)に向けた、大規模・高速のネットワークセキュリティーシステム『NetScreen-1000』を発表した。1台でファイアーウォール、VPN(Virtual Private Network)、*トラフィック・シェーピングなどの機能を兼ね備える。価格は構成によるが、1898万円からとなっている。16日に販売が開始され、出荷開始は10月1日となっている。

*(株)日立システムアンドサービス:日立システムエンジニアリング(株)、日立西部ソフトウェア(株)、日立中部ソフトウェア(株)の3社が4月1日付けで合併して発足した。

*トラフィック・シェーピング:FTPやHTTPといったポリシー(プロトコル)ごとに、通信できる帯域幅を設定し、保証・制限を行なう機能。

『NetScreen-1000』(左側に見えるのは外したカバー)
『NetScreen-1000』(左側に見えるのは外したカバー)



今回発表されたNetScreen-1000は、日立システムアンドサービスの前身の日立西部ソフトウェアが、'98年12月に事業提携をした米NetScreen Technologies社の製品。これまで、SOHOなど小規模向けの『NetScreen-5』、『同-10』、中・大規模向け『NetScreen-100』というシリーズ製品を発売しており、NetScreen-1000は最上位機種となる。

日立システムアンドサービス取締役社長の名内泰藏氏
日立システムアンドサービス取締役社長の名内泰藏氏



NetScreenシリーズは、ファイアーウォール機能、VPN機能、NAT(Network Address Translation)機能、トラフィック・シェーピングを1台にまとめたことが特徴のセキュリティーシステム製品。NetScreen-1000は最上位製品として、1000BASE-SXポートを備え、最大50万同時セッションに対応するファイアーウォール機能、*3DES暗号が利用可能な最大2万5000トンネルのVPN機能、*内部を仮想的に最大100の独立したセキュリティーサブシステムとして運用可能なバーチャルシステム機能を持つ。

*3DES(Triple-DES):米国国務省で'70年代に制定された秘密鍵方式の暗号方式がDES(Data Encription)。3DESは、近年のコンピューターの演算能力の上昇に伴い、堅牢性を高めるためにDESを3回繰り返して使用するもの。

*ホスティングサービスなどを提供するASPのデータセンターで使用した場合に、複数の顧客のシステムに対しても1台のNetScreen-1000を使用して、顧客ごとにセキュリティーシステムが用意されているものとして、管理・運用ができる。

NetScreen Technologies社長兼CEOのロバート・トーマス(Robert Thomas)氏
NetScreen Technologies社長兼CEOのロバート・トーマス(Robert Thomas)氏



ハードウェアとしては、データの暗号処理用にNetScreen Technologiesが開発した、“GigaScreen”ASICを搭載、ファンや電源などは2重化されており、ホットスワップにより交換が可能。GigaScreenを搭載したプロセッサーカードは、本体内に標準で2枚、最大で6枚まで搭載可能。NetScreen-1000自体を複数用いた冗長構成システムも構築できる。

また同日、複数のNetScreen機器を、ネットワークを介して統合管理できるソフトウェア『NetScreen Global Manager』も発表している。価格は98万円(10デバイスまで管理可能)からとなっており、16日に販売を開始、出荷は近日中となっている。日立システムアンドサービスでは今年度、NetScreen-1000を10システム、NetScreen Global Manager50本を販売したいとしている。

NetScreen Technologiesのトーマス社長兼CEOによると、同社のNetScreenシリーズは、米AT&T社や、米TIBCO Software社(米ヤフーのウェブシステムの実際の運用管理を行なっているウェブホスティング会社)などで利用され、高い評価を得ているという。NetScreen-1000はほかの企業がまだ投入していないカテゴリーの製品であり、米国で顕著になってきた広帯域化の流れに対応できる製品であると述べた。

NetScreen-1000はかなり大規模で高速なネットワーク向きの製品で、日立システムアンドサービスでも、具体的にどのような企業に向けて販売するかは「これからパートナー数社を募集し、パートナーと連携しながら販売推進を行なっていきたい」としており、“手探り”での販売となりそうだ。

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