【NetWorld+Interop 2000 レポート Vol.3】シスコとExtreme Networks、1000BASE-T対応のスイッチング製品を展示
2000年05月15日 00時00分更新
5月7日から12日の6日間(現地時間)、米ラスベガスにおいて、“NetWorld+Interop
2000 Las Vegas”が開催された。主催は米ZD Events。同イベントは、全米最大規模のコンピューターネットワークイベントで、9日から開催した展示会には900社以上の企業が出展参加した。
基調講演では、9日に米マイクロソフト、10日には米シスコと米Inktomi、11日に米Extreme
Networksの代表者が基調講演を行ない、情報ネットワークに関連した意欲的な新製品を発表した。本稿では、上記新製品、および展示会場において注目された新製品の詳細をお伝えする。
シスコは1000BASE-Tのスイッチング製品を出展
米シスコシステムズ社は、1000MbpsのEthernet規格に対応したスイッチング製品『Catalyst 6000』『同4000』『同2900 XL』ファミリーを出展。この他、IPテレフォニー製品の『ICS 7750』や、ネットワーク管理システム『Cisco Works 2000』を展示していた。スイッチング製品『Catalyst 6000』『同4000』『同2900 XL』ファミリーには、IEEE802.3abスタンダードに準拠する1000BASE-T(1000MbpsのEthernet規格)の対応製品が投入されることになる。価格は、『Catalyst 6000』が1万5995ドル(約170万円)、『同4000』が6995ドル(約75万円)、『同Catalyst 2900 XL』が795ドル(約8万6000円)。発売時期はまだ明らかにされていない。
『Catalyst 6000』にはRJ-45インターフェースの16ポートモジュールが、『同4000』には14ポートモジュールが搭載されるほか、『同2900 XL』にはアップリンクモジュールが搭載される。さらに『同4000』ではポート数を最高60に、『Catalyst 6000』では128まで拡張することが可能だ。
スイッチング製品『Catalyst 2948G-L3 スイッチ』 |
『ICS 7750(Integrated Communications System 7750)』は、IPベースでデータ通信や音声処理を行なう、電話関連の総合システム。価格は1ユーザーにつき765ドル(約8万2500円)。システムには、データ・音声機能やIP電話機も含まれている。出荷は今年の第3四半期から。
同製品は、シスコのAVVIDアーキテクチャー*を拡張するための製品。大企業の支店や、中規模レベルの会社をターゲットにしている。
*AVVID(Architecture
for Voice, Video and Integrated Data)とは、'99年9月にシスコが発表した“次世代音声・ビデオ・データ統合アーキテクチャー”のこと。IPベースのネットワーク上で音声/映像/データを統合し、ビジネス用アプリケーションとの円滑な連動を図ることで、マルチサービスを実現するというもの。IP電話によるコスト削減やWANバックボーンのIP化といった初期の目的から、さらに発展を遂げたものだ。
IPテレフォニー製品『ICS 7750』、シスコのAVVIDアーキテクチャーに基づいた製品だ |
『Cisco Works 2000』ファミリーは、企業ネットワークのWANおよびLANの運用管理を対象に、総合的なサービスを提供する。価格は、1万4995ドル(約162万円)。今年7月初旬からの出荷となる。
同製品には、Catalyst製品ラインを中心としたLAN管理ツールのほか、WANにおけるトラフィック管理やアクセス制御などのためのアプリケーションが含まれている。シスコ製品で構築されたマルチサービスネットワークの広い範囲をカバーする。
企業ネットワークのWANおよびLANの運用管理を対象とした総合システム、『Cisco Works 2000』の展示ブース |
Inktomiは、Traffic ServerとContent Delivery Suiteをバージョンアップ
米Inktomiは10日(現地時間)、インターネットサービスプロバイダーや通信キャリアを対象にしたソフトウェア製品『Traffic Server 3.5』および『Content Delivery Suite 3.5』を発表した。『Traffic Server 3.5』は、ネットワーク上のトラフィックを軽減するキャッシングサーバー。今回のバージョンアップでは、LDAPのサポート、ユーザーの認証、スプリットDNSへの対応、セキュリティーの強化、処理速度の向上などの機能強化が図られている。
『Content Delivery Suite 3.5』は、コンテンツの分散/配信/運用に向けた統合型ソフトウェア。必要な人へ必要な時に必要な情報を送るという目的に対応する。今回のバージョンアップでは、オーディオやビデオコンテンツのキャッシュへのプリロード、ストリーミングコンテンツの定時配信、一時的なトラフィックの負荷によるパフォーマンスの低下対策などの機能強化が図られている。
米Inktomiの展示ブース |
Extreme NetworksのAlpine 3800シリーズが“Best of Show”を受賞
11日(現地時間)、米Extreme Networks社のスイッチング製品『Alpine 3800』シリーズが、“Best of Show”を受賞した。このシリーズは4月17日に発表された製品で、1000MbpsのEthernet規格に対応するもの。同シリーズでは、9つのスロットを備えた筐体『Alpine 3808』、または4つのスロットを備えた『Alpine 3804』を選択できる。このスロットに、1000Mbpsののスイッチモジュールを挿入して使用する。1000BASE-X、1000BASE-SX 、100/1000BASE-Tに対応したスイッチモジュールはそれぞれ4ポートを備えている。