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AMDデベロッパーズカンファレンス2000スプリングレポート――統合型プロセッサは独自路線か

2000年05月12日 00時00分更新

文● 元麻布春男

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日本AMD(株)は10日、都内のホテルにおいて“AMDデベロッパーズカンファレンス2000スプリングレポート”を開催した。'99年12月3日に続いて2回目。今回は本誌コラム“ソリッド・ステート・サバイバー”でおなじみの元麻布春男氏にレポートしていただいた。

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5月10日、AMDは都内で“AMDデベロッパーズカンファレンス2000スプリング”を開催した。だが4回目にあたるこのイベント、名前から連想するような開発者向けのイベントとはちょっと違う。“3DNow!”と“Enhanced 3DNow!”の違いを踏まえた上でソフトウェアの最適化を論じる、といったイベントではない。

AMDのロードマップやAMDのプロセッサに関連したサードパーティ製品を紹介することで、AMD製プロセッサの市場性の高さをアピール、開発者にAMD対応製品の開発をうながす、といったマーケティング的要素の高いイベントなのである。

『AMD Duronプロセッサ』
『AMD Duronプロセッサ』



というわけで、あまり目新しい話はなかった。“Spitfire”というコード名で知られてきたバリューPC向けのオンダイキャッシュ搭載プロセッサの正式名称が“Duron”に決まったこと、Duronとほぼ同時期に発売になるパフォーマンスPC向けプロセッサである“Thunderbird”の正式名称は現在と同じAthlonを用いる、本年末に登場するAthlonアーキテクチャに基づくモバイルPC向けプロセッサの開発コード名が“Mustang”から“Corvette”に変ったこと、など、基本的には4月末時点で明らかになっていた事項をおさらいした感じだった。


(クリックで拡大表示します)


そんな中で、ちょっと目をひいたのは、プロセッサトレンドのうち機能統合について触れた部分だった。図はAMDのプレゼンテーションにあったものを筆者が極力忠実に書き写したものだが、明らかにIntelとは異なる道に歩みだそうとしていることが見てとれる。端的には、Intelの統合型プロセッサである“Timna”が、グラフィックス機能を内蔵しているのに対し、この図ではグラフィックスはあくまでも外部にある(しかもグラフィックスオプション1は独自のインターフェイスのように見える)ことが最も大きな違いだ。Timnaが低価格にフォーカスした仕様であるのに対し、この図の統合型プロセッサは性能や機能性にフォーカスしたプロセッサのようにも見える。この図のような統合型プロセッサがどのくらい製品に近いのかは不明だが、AMDが独自の道を歩み出そうとしている点で興味深い。

AMDに続いては、NEC、nVIDIA、Cyberlinkといったサードパーティによるプレゼンテーションがあった。NECはミドル~ハイエンドワークステーション向けのOpenGLアクセラレータである“TEシリーズ”について、nVIDIAは発表されたばかりの“GeForce2 GTS”についてであった。最も面白かったのはCyberlinkによるリアルタイムMPEG2エンコーダソフトウェア、“PowerVCR2”に関するもので、実際に会場でAthlonとPentium IIIによるリアルタイムMPEG2エンコーディングを実演し、同一クロック(クロック800MHz)であればAthlonが上回っていることを示した。

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