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【E3 2000レポート Vol.1】オープニングは、AOLボブ・ピットマン社長の基調講演

2000年05月12日 00時00分更新

文● TERO MODA

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5月10日から13日の4日間(現地時間)、米ロサンジェルスの“LA Convention Center”において“Electronic Entertainment Expo(E3)”が開催した。主催はInteractive Digital Software Association。

E3は、コンピューターゲーム、ビデオゲーム、インターネットゲームにおける、世界最大規模の展示会。11日にオープンした展示会には、400社以上が出展参加をしている。

E3の会場となった“LA Convention Center”の南館入口
E3の会場となった“LA Convention Center”の南館入口



11日午前には、全米第1位のインターネットサービスプロバイダーであるAmerica Online社(AOL)のボブ・ピットマン(Bob Pittman)社長兼COOによる基調講演が行なわれた。

エンターテイメントにコンシューマーを集めるにはどうすればよいのか?

「ビジネスを考えるとき、われわれはコンシューマーのことをどうしても忘れがちになる。つかみにくいコンシューマーよりも企業を相手にした方がビジネスとしては安心だからだ」とピットマン氏は語り、この日の基調講演を開始した。

続けてピットマン氏は「しかし、結局はそれらの企業もコンシューマーを相手にしているのだ。われわれはもっとコンシューマーを大事に考えなければならない」と語りコンシューマー(消費者)を重要視する姿勢を強調した。

基調講演を行なったAOLのボブ・ビットマン社長兼COO
基調講演を行なったAOLのボブ・ビットマン社長兼COO



「公園に人を集めるにはどうしたらよいか? その公園を綺麗にすればいい。では、インターネットを使ったエンターテイメントにコンシューマーを集めるにはどうすればよいのか? それを知るにはまず、インターネットにコンシューマーが何を望んでいるかを正しく認識しなければならない」と述べ、ピットマン氏はAOLが実施した複数回答のアンケート調査のデータを紹介した。

まず、インターネット以外の娯楽に注目してみると、“インターネットを接続しているとき以外の娯楽”という調査の結果は以下の通りだった。

テレビ:78パーセント
食事:24パーセント
読書:17パーセント
新聞購読:12パーセント
運動:9パーセント

次に、“インーネット接続中に何をしているか”というアンケートの結果を明らかにした。

なにもしていない:55パーセント
音楽:15パーセント
テレビ:14パーセント
電話:6パーセント
食事:5パーセント
書き物:4パーセント

AOLの利用目的を示したグラフ。ウェブを使ったオンラインショッピングやコンテンツなどのサービスを受ける目的が、50パーセントともっとも高い
AOLの利用目的を示したグラフ。ウェブを使ったオンラインショッピングやコンテンツなどのサービスを受ける目的が、50パーセントともっとも高い



次の変わった質問、“砂漠の孤島に一人取り残されたとしたら何をするか”では、67パーセントが“インターネット”と回答している。ちなみに、“テレビ”と答えたのは23パーセント、“電話”はわずか9パーセントだった。

インターネットゲームの利用については、44パーセントの成人が“頻繁にプレイしている”と回答した。9歳から17歳までの未成年も48パーセントが“頻繁にプレイしている”と答えている。

AOLでは現在、3つのゲームチャンネルを用意している。AOL会員の42パーセントが、これらのチャンネルを頻繁に利用しているという。もっとも利用しているのは、35歳から44歳までのユーザー。利用者の性別は、男性が48パーセント、女性が52パーセントを占めている。

利便性、ブランド、コミュニケーション

次にピットマン氏は、コンシューマーの購買意欲に関する調査結果を示した。昨年中に新しくPCやMacを購入したAOLユーザーは、全体の32パーセントを占めているという。ゲームソフトウェアへの関心も高く、49パーセントがテレビゲームを所有している。92パーセントが“ゲームソフトウェアを購入した”と回答し、1人平均9本のゲームソフトウェアタイトルを購入しているという。

「コンシューマーがゲームソフトウェアに求めているものは、利便性、ブランド、そしてコミュニケーションである」とピットマン氏は断言。そして、昨年夏から公開を開始したAOLのゲームチャンネルが、これらの要素を兼ね備えたものであると紹介した。

「たとえば、運転中に食事をとりたくなったとき、多くの人がマクドナルドを思い浮かべるだろう。飲み物には、メニューを検討することもなくコーラを頼む人も多いことだろう」と例を挙げ、ピットマン氏はブランド力について説明した。

「コンシューマーが望むものは、場所や時間を問わずにネームバリューサービスを受けること」とピットマン氏は語る
「コンシューマーが望むものは、場所や時間を問わずにネームバリューサービスを受けること」とピットマン氏は語る



ここでビットマン氏は、「今日のわれわれの生活には、情報を一方的に受け取る機器、情報を双方向で送受信する機器とが溶け込んでいる。前者には、テレビやステレオ、後者にはパソコンや電話がある。」と指摘。

その上で、「しかし現在、米国の多くの家庭にはケーブルテレビが入っているが、私は、300もあるチャンネルをどうやって選べというのだろうと悩むことがある」と問題提起を行なった。インターネットに接続したパソコンでは、サウンドや動画、コミュニケーションをカバーできる。これこそが、もっとも利便性の高い情報機器」だと評価した。

基調講演終了後に展示会が開場

ピットマン氏の基調講演が終了した午前10時に、展示会が開場した。“LA Convention Center”の4つの大ホールには、400社以上が出展参加する。

基調講演終了後、展示会が開場した
基調講演終了後、展示会が開場した



イベントの開催にあわせ、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの米国法人である米Sony Computer Entertainment America社は、『PlayStation 2』を今年10月26日に北米で発売することを発表した。

また、(株)セガ・エンタープライゼスの米国法人であるSega of America Dreamcast社は、『Dreamcast』の50ドルのリベートキャンペーンを発表している。

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