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プラス、重さ1.3kgの軽量DLP方式プロジェクターを発表

2000年05月11日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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プラス(株)は、A5より小さなサイズで重さ約1.3kgの、*DLP方式のプロジェクター『U3シリーズ』を発表した。従来製品の『U2シリーズ』に比べて体積比で約60パーセントに小型化しながら、同等の明るさとしたほか、コントラスト比は800:1に向上(従来は500:1)した。1024×768ドット表示が可能な『U3-1080』(77万8000円)と800×600ドット表示が可能な『U3-800』(47万8000円)の2機種があり、7月に出荷される予定。

*DLP(Digital Light Processing):米テキサス・インスツルメンツ社が'87年に開発した、制御可能な超小型の鏡を半導体チップ上に並べたDMD(Digital Micromirror Device)を使用した、デジタル制御による画像表示技術およびシステム。

『U3-1080』(上)。下は従来製品の『U2-1080』
『U3-1080』(上)。下は従来製品の『U2-1080』



U3シリーズのサイズは、幅230×奥行き177×高さ48mm(突起部含まず)で、同社によると現時点で世界最小・最軽量のプロジェクターであるという。U3-1080とU3-800にはそれぞれ、0.7インチのDMDが1枚使用(単板方式)され、*光時分割合成方式による表示を行なう。単板式のため、色ずれや色むらも発生しないとしている。コントラスト比は800:1となり、一般的な液晶プロジェクターのコントラスト比300~350:1と比較して、より鮮やかな画像表示が可能になったという。表示色は1677万色となっている。

*光時分割合成方式:3原色の光を高速に切り替えることで色を表現する方式。3原色の光を照射する長さを制御することで、多様な色の表示を行なう。

ボディーには軽く耐久性に優れたマグネシウム合金を使用し、レンズ部分の保護にはスライド式のカバーを採用しており、大きな突出部分はなく、鞄などに入れた場合の持ち運び安さを考えたとしている。製品には鞄などに入れたとき保護するための“インナーバッグ”が付属している。

U3-1080の背面コネクター部
U3-1080の背面コネクター部



U3シリーズでは、投影レンズの焦点距離を短焦点にしたため、最小投影距離1.2mでも画面サイズ36インチ(従来のU2シリーズは25インチ)と、狭い部屋での利便性を向上したという。また、入力はミニD-Sub15ピンコネクターによるアナログRGB(水平同期周波数15~91kHz、垂直同期周波数50~80Hz)、RCAピンコネクター(NTSC、PAL、SECAM)、S映像端子を備える。音声入力はステレオミニジャックを備えるが、内蔵のスピーカーはモノラル。

発表会で挨拶した、プラス代表取締役副社長の今泉公二氏は現在のプロジェクター市場について、「国内のプロジェクター市場は'99年度5万8000台と、前年比で125パーセントの伸び(データは(株)富士キメラ総研)となっており、一層の市場の伸びを期待している」、「特にプラスが重点を置いている、重さ3kg以下のいわゆる“マイクロポータブル”製品は、日本では今年はじめにプロジェクター市場全体の20パーセントを占め、米国でも2001年第1四半期には市場の20パーセントを超えると予想されている」、「プラスでは7月からの1年間で、U3のエンジン部分のみの供給やOEMを含め、6万台の出荷を見込んでおり、自社ブランドではU3シリーズを持って、現在5パーセント程度のシェアを、10パーセントにしたい。特にマイクロポータブルに限れば30パーセントを目指したい」と述べた。

プラスの今泉公二副社長(左)と、P&C事業部商品企画部の新宅栄治部長(右)
プラスの今泉公二副社長(左)と、P&C事業部商品企画部の新宅栄治部長(右)



さらに今後の製品開発については、「これ以上の小型化、軽量化が必要かどうかという議論も出てくるだろうが、小型化によって思わぬ需要が生まれるかも知れない。モバイルプロジェクター市場のナンバーワンを目指し、プラスとしてはいけるところまでいってみたい」と、さらなる小型化、軽量化を目指す姿勢を見せた。

記者発表時には、記者団から「昨年は(米テキサス・インスツルメンツが供給する)DLP装置の供給不足が伝えられたが、この製品についてはどうか」という質問があがった。これについては、「テキサス・インスツルメンツからは、欲しいだけの数を言ってくれとの言葉をいただいており、供給に不安はないと信じている」と述べた。また、記者発表に同席した、日本テキサス・インスツルメンツ(株)のデジタル・イメージング事業部長堀内豊太郎氏は、「昨年度は供給について各社にご迷惑をおかけしたが、2000年第1四半期(1~3月)には、前年同期比で2.5倍のDLP装置の出荷がされており、我々の需要予測を大きく上回ることがなければ、供給に問題はないと考えている」と、供給体制についての不安に応えた。なお、DLP装置は'97年から本格的な出荷が開始され、現在までの累計出荷台数は35万台としている。

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