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【NetWorld+Interop 2000レポート Vol.1】ビル・ゲイツ氏の基調講演--UNIXとの相互運用を目的とした『Windows Services for UNIX 2.0』を発表

2000年05月10日 00時00分更新

文● TERO MODA

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5月7日から12日の6日間(現地時間)、米ラスベガスの“Las Vegas Convention Center”において、ZD Events社主催のイベント“NetWorld+Interop 2000 Las Vegas”が開催された。

同イベントは、全米で最大規模のコンピューターネットワークイベントで、チュートリアルやワークショップ、エンジニアを対象にしたカンファレンス、サービスプロバイダーを対象にしたソリューションなどが催されている。

Las Vegas Convention Centerの基調講演会場への入口。同会場は、Hiltonホテルにつながっている
Las Vegas Convention Centerの基調講演会場への入口。同会場は、Hiltonホテルにつながっている



9日午前には、米マイクロソフト社のビル・ゲイツ(Bill Gates)会長が基調講演を行ない、同社のインターネットビジネスにおけるビジョンを語った。同社は、今回のイベントに合わせて『Windows Services for UNIX 2.0』の出荷を開始した。

Windows 2000の利便性と安全性を強調するゲイツ氏

壇上に現われたゲイツ氏は、「時間、場所、デバイスに依存しない優れたソフトウェアを提供することが、マイクロソフト社のビジョンです」と語り、この日の基調講演を開始した。

基調講演を行うマイクロソフト社のビル・ゲイツ(Bill Gates)会長
基調講演を行うマイクロソフト社のビル・ゲイツ(Bill Gates)会長



ゲイツ氏は、「将来のインターネットで重要となるのは、利便性、安全性、実用性、プログラミングのプラットフォーム、そしてパフォーマンス」と指摘し、その上で『Windows 2000』の利便性を強調した。

また、「もっとも優れたオペレーションシステム(OS)は、もっとも信頼性のあるオペレーションシステムのことを言う」と断言し、ウェブベースのフィードバックループやオンラインレショルーションといった、Windows 2000の持つ独自機能が、同製品の信頼性を高めていると述べた。

基調講演で上映されたコマーシャルフィルムの一コマ。ラスベガスが登場する映画“オースチン・パワーズ”のパロディで、今年のCESで上映されたものと同じ。法廷に立たされるという自虐的な場面もあった
基調講演で上映されたコマーシャルフィルムの一コマ。ラスベガスが登場する映画“オースチン・パワーズ”のパロディで、今年のCESで上映されたものと同じ。法廷に立たされるという自虐的な場面もあった



次に、Kerberos(認証システム)、IPSEC(TCP/IP通信のセキュリティーを強化する技術)、EFS(データをIPカプセル化してトンネリングする手法を規定するIPSEC)、PKI(認証局サービス)といったセキュリティー技術により、Windows 2000の安全性が強固であることが強調された。

またゲイツ氏は、「マイクロソフトは今後も、スマートカード(ICチップを搭載した電子支払いのカード)といった重要なセキュリティー技術の開発を積極的に行なっていきたい」と発言。「こうした技術を安価に提供しようとする企業と、ともに働きたいと考えている」と、今後のビジョンについて語った。

Windows 2000の利便性と安全性を訴えるデモストレーション。最近マイクロソフトの基調講演でよくお目にかかる、シチュエーションドラマ仕立てのデモ風景
Windows 2000の利便性と安全性を訴えるデモストレーション。最近マイクロソフトの基調講演でよくお目にかかる、シチュエーションドラマ仕立てのデモ風景



『Windows Services for UNIX 2.0』を発売

米マイクロソフトは同イベントの開催に合わせ、9日に『Microsoft Windows Services for UNIX 2.0』の出荷を開始したと発表した。価格は149ドル(約1万6000円)。

同製品は、UNIXとWindows 2000/NT4.0との相互運用を可能にするもの。両プラットフォームにまたがるネットワーク管理やアカウント管理を簡略化する管理コンポーネントも提供されている。同製品の日本語ベータ版は、マイクロソフトのウェブサイトから入手できる。

Windows 2000/NT4.0とUNIXプラットフォームとの相互運用を目的とした『Windows Services for UNIX 2.0』と、『Microsoft Interix 2.2』を発表
Windows 2000/NT4.0とUNIXプラットフォームとの相互運用を目的とした『Windows Services for UNIX 2.0』と、『Microsoft Interix 2.2』を発表



同製品は、『Microsoft Interix 2.2』を利用することにより、利便性がさらに高まるという。『Microsoft Interix 2.2』は、今年3月に出荷されたソフトウェアで、Windows 2000/NT4.0上でUNIXのアプリケーションやスクリプトを実行可能にするもの。

Microsoft Interix 2.2は、もともとは米Softway Systems社が開発した製品。米マイクロソフトとSoftway Systems社はInterixの製品化に当たり協力関係にあったが、'99年9月に米マイクロソフトはSoftway Systems社を買収していた。

『Windows Services for UNIX 2.0』のデモストレーション風景
『Windows Services for UNIX 2.0』のデモストレーション風景

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