(株)エルザジャパンは10日、グラフィックスカードの新製品『ELSA
GLADIAC(グラディアック)』シリーズを発表した。グラフィックスチップに米NVIDIA社の『GeForce2
GTS』を採用し、従来製品に比べ2倍の性能アップを実現したという。第一弾として6月上旬、VRAMに32MBのDDRメモリーを搭載したAGPスロット対応モデルを発売する予定。価格はオープンで、実売価格は4万円前後になる見込み。7月には64MBのDDRメモリー搭載モデルとPCIスロット対応モデル、さらにSVHS対応のビデオ入出力端子を追加できるドーターカードを発売する予定だ。
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| 『ELSA GLADIAC』。製品名は“パワフルで高速なゲームヒーローのシンボルである剣闘士(Gladiator)”と、“楽しい、うれしい(glad)”、独エルザ社の本社所在地でカール大帝の宮廷が置かれたことでも知られる古都アーヘン(Aachen)をイメージしてつけたという |
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| チップクーラーの左がビデオ入出力端子を搭載するドーターカード |
ELSA GLADIACはGeForce2 GTS(200MHz動作)を搭載したグラフィックスアクセラレーターカード。最大表示モードは1900×1440ドット(1670万色、垂直同期周波数60Hz-水平同期周波数85kHz)。メモリーにはDDR(Double
Data Rate) SDRAMを採用した。メモリーの動作クロックは166MHz、データ転送クロックは333MHz。RAMDACの動作クロックは350MHz。AGPスロット対応版はAGP4xに対応する。ビデオ出力端子はアナログD-Sub15ピン。
ドライバーの対応OSはWindows 95/98/NT/2000とLinux。Windows用付属ソフトとして、リフレッシュレートや解像度を調節できるツール『SmartRefresh』のほか、GeForce2
GTSのクロックを最大240MHz、メモリーのデータ転送クロックを最大380MHzまで上げられるオーバークロックツールも用意。DVD再生ソフトや同社のLCD立体グラス『3D
REVELATOR』を利用可能にするドライバーも同梱される。
まず6月上旬に32MBのメモリーを搭載したAGPスロット対応版を発売。7月には、64MBのメモリーとアナログ端子とDVI(Digital
Video Interface)端子を各1ポートずつ搭載したモデルを発売する。価格は未定。また同時期に、SVHSビデオ対応のビデオ入出力端子を搭載したドーターカードも発売する。こちらも価格は未定。
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| GLADIACにビデオ入出力端子を増設できるドーターカード。オランダのフィリップス社製チップを搭載する |
GLADIACに採用されたGeForce2 GTSは、NVIDIA社が今年4月に発表した最新のグラフィックスチップ。従来のGeForce256が0.22μmプロセスルールで製造されていたのに対し、新チップは0.18μmプロセスルールへと変更。消費電力を半分に減らしながらコア動作クロックは120MHzから200MHzへと向上し、最大フィルレートは毎秒16億テクセルと同社製品として初めてギガテクセルを超えた(“GTS”はGiga
Texel Shadingの略)。
さらに毎秒2500万トライアングルの処理が可能なハードウェアT&L(Transform&Lighting、座標変換と光源計算)や、4つのハイパーテクセルパイプラインそれぞれで7種類のピクセル処理をシングルパスで行ない、レンダリング性能を向上させた“NVIDIA
Shading Rasterizer”といった新アーキテクチャーを搭載している。
エルザジャパン会長の鉛谷貞治郎氏は、「日本法人の昨年の売上は5億円だったが、今年は第1四半期ですでにそれを上回った。特にワークステーション向けのハイエンドよりもコンシューマー向けが急速に伸びている」と好調な業績を報告。その理由として「NVIDIAはハイエンドからコンシューマー向けまで1社でカバーできるチップベンダー。現状を見ればエルザの戦略が正しかったことは明らかだ」などと述べた。今年の国内売上目標は20億円で、8割はコンシューマー向けを見込んでいる。
 | エルザジャパン会長の鉛谷貞治郎氏 |
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