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ドリキャスでインターネット電話--セガグループとVoIP技術の米InnoMedia、合弁会社を設立

2000年05月09日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)セガ・エンタープライゼスと(株)イサオは9日、インターネット電話事業を手掛ける合弁会社“ドリームコール(仮称)”を5月に設立すると発表した。新会社に資本参加する米InnoMedia社のボイスオーバーIP(VoIP)技術を採用し、(1)ドリームキャストユーザーとパソコンユーザー間の通話および、(2)上記の2ユーザーと一般電話間の通話を対象に、サービスを8月より展開する。

インターネット電話サービスの開始にあたり、ドリームキャストユーザーに対し同サービス専用システムディスク『DreamCall(ドリームコール)』を、パソコンユーザーに対しInnoMediaのインターネット電話ソフト『インフォアクセル』を提供する(共に価格は未定)。ユーザーは、インターネットを経由した通話や、ボイスチャット機能を搭載したネットワークゲームなどが楽しめる。

新会社社長にはイサオ取締役会長兼セガ代表取締役会長の大川功氏(左から2人目)が就任
新会社社長にはイサオ取締役会長兼セガ代表取締役会長の大川功氏(左から2人目)が就任



新会社の資本金は1000万円で、事業開始時に増資予定。出資比率は、InnoMediaが50%、イサオが30%、セガが20%。社員数は未定で、社長にはイサオ取締役会長兼セガ代表取締役会長の大川功氏が就任する。本社は東京都港区内に設置する。

一般電話に対する通話料は、国内の場合1分10円程度

新会社はサービスに必要なソフト・機器の販売のほか、電話接続用サーバーの運用を行なう。ユーザーが電話をかけた場合、音声データは、ユーザーが契約するISPのサーバー、続いてこの電話接続用サーバーを経由して、相手の元に届くことになる。

接続料について、ドリームキャストまたはパソコン相互間の会話の場合、アクセスポイントまでの電話料と、ユーザーが契約するISPに支払う接続料のみで会話できる。新会社の試算によると、東京-札幌間の通話の場合、通常3分で90円かかるが、同システムを使った場合40円程度で済むという。

なお、電話をかけた相手が一般電話の場合、上記の電話料および接続料のほか、一般電話通話料を新会社に支払う。通話料は、相手が国内の場合1分10円程度、米国内の場合1分6円程度とする予定。この、通話料の課金。徴収システムは、イサオが提供するドリームキャストユーザー向けのISPサービス“ISAO.NET”のプロバイダー決済を使用する。そのため、サービスを利用するにはこれに加入する必要がある。

ドリームキャストユーザーの2人がインターネット電話を楽しむというイメージ映像。ちなみに、ドリームキャスト接続用マイクは、(株)ビバリウムが開発した育成シミュレーションゲーム『シーマン ~禁断のペット~』効果で既に50万本以上が普及しているという。
ドリームキャストユーザーの2人がインターネット電話を楽しむというイメージ映像。ちなみに、ドリームキャスト接続用マイクは、(株)ビバリウムが開発した育成シミュレーションゲーム『シーマン ~禁断のペット~』効果で既に50万本以上が普及しているという。



“ボイスチャット”から“ビデオチャット”に

セガによれば、ドリームキャスト国内販売台数の3割強にあたる60万台が、既にネットワークに繋がれているという。

今回ドリームキャストユーザーに提供するシステムディスクには、『DreamDorobo(ドリームドロボー、仮称)』というネットワークゲームが含まれている。これは、ボイスチャット機能を利用し、2人1組となって制限時間内にダンジョン内の宝物を探すというもの。なお、今年10月リリース予定の『Dream Passport』の次世代バージョンには、『DreamCall』の機能をデフォルトで搭載する予定という。

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『DreamDorobo(仮称)』より


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大川氏は、ネットワークゲームの将来について、ボイスチャットだけでなく、ユーザーがお互いの顔を見ながらチャットをする“ビデオチャット”の可能性について触れた。セガグループでは、『DreamCall』の機能を、ドリームキャストでビデオメールが送れるカメラ『Dreameye』の専用システムディスク『Visualpark』に採用する方向で検討しているという。

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