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日本初のデジタルプロジェクター常設シネマコンプレックス“シネマメディアージュ”の映写室に潜入

2000年04月24日 00時00分更新

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東京お台場に4月21日にオープンした“メディアージュ”は、13の映画館とアトラクション、ショップなどを併設した施設だ。先日のプレス公開日のレポートに続き、今回はメディアージュのメイン施設である複合映画館“シネマメディアージュ”を詳しくレポートする。

シネマメディアージュは、13のスクリーンに3000席を超える収容力を誇る都内屈指のシネマコンプレックス。シネマメディアージュの正式オープン日は、メディアージュのオープンより1日遅い4月22日だ。

シート配置が傾斜がついたスタジアム形式になっていることに加え、シート幅や前後の間隔も通常より広めなので快適に鑑賞することが可能だ。また最大規模の“シアター1”では、通常のシートに加えて、より余裕を持たせたプレミアシートと、ソファのように2人分のスペースを確保したスーパープレミアシート、そしてプレミアメンバー専用ラウンジなども用意されている。

シネマメディアージュのシアター。映写室の常時スタッフは10名で、シアター1~4のチーム、シアター5~9のチーム、シアター10~13のチームに分かれて活動する
シネマメディアージュのシアター。映写室の常時スタッフは10名で、シアター1~4のチーム、シアター5~9のチーム、シアター10~13のチームに分かれて活動する



プレミアシート(水色のシート)。写真でわかるように通常シート(紫色のシート)よりも横幅と間隔が広くゆったりと座れる。通常シート自体も他の映画館より大きく座り心地がいい
プレミアシート(水色のシート)。写真でわかるように通常シート(紫色のシート)よりも横幅と間隔が広くゆったりと座れる。通常シート自体も他の映画館より大きく座り心地がいい



一部で“ラブラブシート”と呼ばれている2人用のスーパープレミアシート(手前のクッション付きの2人掛シート)。プレミアシートとスーパープレミアシートは、インターネット上の専用ウェブサイトで予約できる
一部で“ラブラブシート”と呼ばれている2人用のスーパープレミアシート(手前のクッション付きの2人掛シート)。プレミアシートとスーパープレミアシートは、インターネット上の専用ウェブサイトで予約できる



シネマメディアージュはメディアージュと共用のICカード“ファンカード”でゲスト(来場者)管理を行なっている。ゲストは来場時に自分専用のICカードを登録、作成する。シアターの入退場管理や、ポップコーンやドリンクなどの精算にもこのICカードが使われる。メディアージュには、現金を入れてキャッシュ情報をICカードに移すコーナーも用意されているので、一度作ったICカードはそのまま使い続けることが可能だ(なお初年度は無料だが、2年目以降は管理費が徴収される)。ちなみにこのICカードのシステムは、ソニーがシンガポールなどですでに実用化しているものを使用している。

メディアージュの3階にある、シネマメディアージュで上映される映画のチケットを購入できるシアターカウンター。シアターは1から13まで全席指定の完全入替制で、情報掲示板には上映する映画の上映時間や空席状況などが表示されている
メディアージュの3階にある、シネマメディアージュで上映される映画のチケットを購入できるシアターカウンター。シアターは1から13まで全席指定の完全入替制で、情報掲示板には上映する映画の上映時間や空席状況などが表示されている



シアターカウンターの向かい側に位置するアトラクションカウンター。ここでICカードを取得できる
シアターカウンターの向かい側に位置するアトラクションカウンター。ここでICカードを取得できる



シアターの入り口にあるICカード専用ゲート。ゲートにICカードをかざして入場する。シアターは全席指定のため、上映時間内のゲートの出入りは何度でも可能だ
シアターの入り口にあるICカード専用ゲート。ゲートにICカードをかざして入場する。シアターは全席指定のため、上映時間内のゲートの出入りは何度でも可能だ



13のシアターに映像を映し出す映写室は、シアター1、シアター2、シアター3と4、シアター5から13まで、4分割されている。特にシアター5から13までは広大な通路でつながっており、さながら地下基地の様相だ。

通常のフィルムプロジェクター(映写機)は、13のシアターごとに13台設置されている。一方、注目されたデジタル上映用のプロジェクター(ソニー製のデジタルプロジェクター『VPD-LE100』)は、シネマメディアージュのシアター全体で2台しか用意されていない。このため、シアター間をすぐに移動できるよう専用のキャスター台に乗せられている。デジタルプロジェクターは2台ともまだ稼動しておらず、出番を待っている状態だ。



常備設備のデジタルプロジェクター『VPD-LE100』。各シアター間をスムーズに移動できるよう、キャスター台に乗っている常備設備のデジタルプロジェクター『VPD-LE100』。各シアター間をスムーズに移動できるよう、キャスター台に乗っている



キャスター台の中には、デジタルコンテンツを上映するためのハードウェアが装備されており、さながら“デジタルコンテンツ上映セット”。シネマメディアージュのデジタルコンテンツ上映第1弾は、2000年後半に上映される予定のフルデジタルCGアニメーション映画『BLOOD』の見込みキャスター台の中には、デジタルコンテンツを上映するためのハードウェアが装備されており、さながら“デジタルコンテンツ上映セット”。シネマメディアージュのデジタルコンテンツ上映第1弾は、2000年後半に上映される予定のフルデジタルCGアニメーション映画『BLOOD』の見込み



このプロジェクターは、テキサス・インスツルメンツ社のDLP素子を使い、ソニーが独自のデジタル補完技術を使って映画上映用にクオリティーを高めたもの。解像度はSXGA(1280×1024ドット)。明るさ1万ルーメンを誇り、最大700インチの投影ができる性能があり、当初から映画上映用途が視野に入れられていた製品だ。ソニーによると、素材のデジタルデータはDVDメディアで供給される予定だ。これまでデジタル上映ではHDDを使ったディスクレコーダーが使われてきており、光ディスクを使うシステムはこれが初めてとなる。

容量的にDVDチェンジャーが使われる予定だが、現時点ではその詳細は不明だ。デジタルプロジェクターを使うことで衛星放送を始めとするビデオ素材を上映でき、サッカーのワールドカップなどのスポーツイベントの上映会などの企画もある。なお、音響面も充実。すべてのシアターはEXを含むDOLBY DIGITAL、SDDSに対応、一部はDTSにも対応している。

表にはあまり出てこないが、シネマメディアージュの運営は東宝が担当している。一方のソニーはインフラ面で全面的に支援しており、シアター内の音響設備はもちろん、ICカードシステムやメディアージュ内の各所に設置されたPDPを使った情報掲示板などはすべてソニーの製品だった。

こちらは通常のフィルムプロジェクター。フィルムプロジェクターは13のシアターごとに13台用意されている。写真は番号が示すとおりシアター1のものこちらは通常のフィルムプロジェクター。フィルムプロジェクターは13のシアターごとに13台用意されている。写真は番号が示すとおりシアター1のもの



音響設備もほとんどがソニー製音響設備もほとんどがソニー製

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