新日エレクトロニクス(株)は21日、長さ6cm弱のリムーバブルメモリー『Thumb
Drive(サムドライブ)』を発表した。フラッシュメモリーを内蔵した本体とUSBコネクターが一体化したデザインで、ノートパソコンなどのUSBポートに直接差し込んで使用する。他の小型記録メディアと異なり、パソコンとの接続にアダプターなどが不要で、特にモバイルでの使用に向いているという。容量は16/32/64/128MBの4種類。対応OSはWindows
98。販売はインターネットや電話受付による直販のみとなる。発売は5月20日、価格は6480~3万4800円。
『Thumb Drive』 |
Thumb Driveは、フラッシュメモリーを搭載した本体とUSBコネクターが一体化した小型のリムーバブルメモリー。シンガポールのTrek
2000 International社が開発し、新日エレクトロニクスが国内代理店として販売する。
Thumb Driveのサイズは長さ57×幅17×厚さ10mm、重さ30gと小型のライター程度。利用には付属ドライバーをインストールする必要がある。プラグアンドプレイに対応し、パソコンに接続すると約1秒で“リムーバブルディスク”として認識される。USB
Hubを使い、複数のThumb Driveを同時に利用することも可能だ。
ノートパソコンに接続したところ |
データ転送速度は毎秒700KB。100万回の書き込み/消去と10年間のデータ保持が可能という。電源はUSBポートから直接供給され、消費電力は8mW。両面にLEDを1個ずつ備え、接続時に点灯、データ転送時には点滅する。底面の小型スライドスイッチを切り替えることでライトプロテクトを設定できる。
Windows 98上では“リムーバブルディスク”として認識される。認識は約1秒で行なわれ、コンパクトフラッシュなど小型記録メディアの認識時間と比べて早い |
価格は、容量16MBが6480円、32MBが1万1800円、64MBが1万8800円、128MBが3万4800円。ただし同社では発売を記念し、7月末まで16MBを500円割引き、その他を2000円引きで販売する。発売は5月20日だが、注文は5月1日から同社のサイトや電話で受け付ける。
Trek 2000 Internationalによると、今後は今年第2四半期にWindows 2000に対応、256MBタイプをリリースする予定。同第3四半期にMac
OSをサポートするという。第4四半期にはPalm OSに対応させ、同OS搭載のPDAで使用可能にする予定。また第4四半期には512MBタイプを発売するほか、厚さ7mmの薄型モデルを投入する。2001年にはLinuxに対応、1GBの製品を発売する予定としている。
このほかUSB Hubと一体化した製品や、セキュリティー機能を搭載したモデルも開発を進めているという。記録データをパスワードでロックし、他人に不正に読み取られるのを防いだり、アプリケーションのライセンスキーを暗号化して記録、アプリケーション使用時に“鍵”として利用するといったことが考えられるという。
販売契約を結び握手する新日エレクトロニクス副社長の鈴木進氏(左)と、Trek 2000 International社CEOのヘンリー・タン氏 |
三洋電機(株)系の新日エレクトロニクスは、三洋電機の半導体製品を扱っているほか、米Castlewood
Systems社のリムーバブルドライブ『ORB』の国内代理店としてパソコン周辺機器販売に参入している。
都内で開かれた発表会で、新日エレクトロニクス副社長の鈴木進氏は、「Thumb
Driveはメカニカルな部品がなく、信頼性が高く扱いやすい。Trek 2000
International社ではRB販売で蓄積した販売ノウハウを活かし、年間10億円の売上を目指す」と語った。