(社)日本オフィスオートメーション協会ヘルプデスクセンター(JHDC)は14日、米ヘルプデスク協会(Help
Desk Institute:HDI)と提携し、同協会が企業のIT関連ヘルプデスクやサポートセンターに対して実施している品質認定制度を国内で開始すると発表し、都内で発表会を開いた。同センターで米国の認定基準や試験のローカライズを行ない、今夏にも認定をスタートさせる。
認定について説明するHDIのCEO、ロン・マンズ氏 |
提携は、HDIがIT関連のヘルプデスク向けに実施している品質認定制度を、JHDCが国内向けに行なうというもの。実施するのは、企業内のヘルプデスクやユーザー向けサポートセンターといった組織全体を認定する“HDI
Certified Support Center Certification”と、サポート業務に関わる個人に対して認定を行なう“HDI
Star Series Certification”の2種類。米国では両制度とも今月からスタートしている。
組織向け認定では、サポートポリシーやマネージメント、手順といった業務態勢に加え、顧客満足度など結果についてもチェックし、4段階で評価する。個人向けは、アナリスト、サポートエンジニア、マネージャーの3職制ごとにそれぞれ実施。個別のソフトやハードについて知識を問うのではなく、電話応対などのコミュニケーションスキルや、問題解決力や柔軟性といったサービススキルを重視する。結果は5段階で評価する。
認定に当たっては、大手ベンダーらが参加する標準化委員会が判断基準を策定し、これに基づいてヘルプデスク経験者が認定作業を行なう仕組み。米国の標準化委員会には米サン・マイクロシステムズ社や米バンク・オブ・アメリカらが参加している。
日本では、JHDCが認定基準の日本語化や、国内事情に合わせたカスタマイズを行なうほか、認定作業を行なうコンサルタントを養成する。また認定取得を目指す企業や個人向けにセミナーを開催するなどして業界への普及を促す。
開始時期は今年の夏から秋。認定は有償で、組織認定で200万円以上、個人認定で3万円以下となる予定。当初は同センター会員の110社に認定を勧め、初年度実績は10社程度を見込む。将来は会員企業にとどまらず、国内のIT業界全体に広げていきたい考えだ。
日本オフィスオートメーション協会専務理事の富坂良雄氏は、「顧客重視の経営姿勢や社内の情報リテラシー向上のため、国内企業でもヘルプデスクの重要性は高まっている。国際的な認定基準を導入することで、国内のヘルプデスクの水準向上を図りたい」と提携の狙いを語った。
HDIのCEO、ロン・マンズ(Ron Muns)氏は、「HDIの認定はオープンな環境で策定されたグローバルスタンダード。認定取得でサポート業務に関わる社員の意識も向上し、結果的に顧客満足度も高まる」などと認定制度のメリットを強調した。