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ぴあ、ICカードや携帯電話を利用したデジタルチケットシステムを発表

2000年03月29日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ぴあ(株)は、デジタルチケットシステム『ぴあデジタルチケッティング』の発表会を都内ホテルで開催した。

ぴあが発表したデジタルチケットシステムは、専用のICカードを利用した非接触型デジタルチケットを用いるもの。チケットの予約から購入、受け取りまでをインターネットで行なえるという。チケット購入後、映画館やコンサート会場にて、デジタルチケットに対応した非接触型のゲーティングマシン(チケットデータ読み取り機)を通して入場できる。非接触ゲーティングマシンは、VMS(会場管理システム)と連動しており、チケット席の案内や会場案内などを表示できる。会場側でも、チケット管理や入場者数管理などが容易になるという。

ICカードで不正使用をブロック

基本パーツとして、専用のデータキャリアチップを搭載したICカードを採用する。デジタルチケットのデータは、この専用チップに書き込まれ、従来の紙のチケットと同様にチケットとして利用できる。専用チップは、内部を覗けない耐タンパ仕様のワンチップマイコンと、電源が切れてもチケットデータが失われない不揮発性メモリーを搭載する。公開鍵暗号による認証通信を行なうための暗号処理回路と、非接触通信/インターネット通信を処理できる通信制御回路を備えている。このため、チケット所有者でもチケットデータに不正アクセスできないようになっている。

この専用チップを利用して認証通信によるチケット流通を行なう。専用チップ間でしかチケットデータの転送ができないようになっており、チケット販売業者からの購入のほか、ユーザー同士のチケットの受け渡しの際も、外部から不正アクセス/改ざんできないようにするという。専用チップに対する外部からのチケットデータ操作に関しては制限設定が可能で、書き換え不能で読み込みのみ、1回だけ書き込み可能、といった制御が行なえる。

OSにはTRONを採用

デジタルチケットの転送には、TTP(Ticket Transfer Protocol)という、集中管理サーバーを介在させず、送信者と受信者の二者間のみでデジタルチケットを送信できるプロトコルを採用する。チケット転送中に、通信が物理的に切断されても、チケットが2枚になったり、消滅したりしないようになっている。

実際のチケットデータは、μPCOというデータ形式で専用チップに書き込まれる。μPCOは、PCO(Portable Compound Object)という汎用チケットの内容を書き込む際の規格に準拠したデータ形式。組み込みOSにはTRONが採用される。

流通ネットワークはインターネットのほか、携帯電話網の利用も予定しており、デジタルチケット情報を記録できる専用チップを搭載した携帯電話などを、メーカーと共同で開発するという。これにより、携帯電話のみでコンサート会場などへの入場が可能になる。

同社は、2001年度にぴあ会員向けにICカードを配布し、本格的に実用化する方針という。

発表会場で展示されたデジタルチケットシステムのデモ用端末。ICカードを指定の場所に置き、タッチパネル画面に表示されるチケットリストを選択すると、ICカードにチケット情報が記録され、チケットを購入できる。VMSとも連動しており、購入したチケットの席が会場のどの位置かも表示可能。端末のOSはB-TRON発表会場で展示されたデジタルチケットシステムのデモ用端末。ICカードを指定の場所に置き、タッチパネル画面に表示されるチケットリストを選択すると、ICカードにチケット情報が記録され、チケットを購入できる。VMSとも連動しており、購入したチケットの席が会場のどの位置かも表示可能。端末のOSはB-TRON



同じく参考展示されていたチケットビューア。ICカードに記録されているチケット情報を表示できる
同じく参考展示されていたチケットビューア。ICカードに記録されているチケット情報を表示できる

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