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【Oracle e-business Days Vol.3】Windows 2000対応のOracle8i R8.1.6は、拡張性や可用性、ディレクトリサービスが強化

2000年03月15日 00時00分更新

文● 若菜麻里

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日本オラクル(株)のプライベート・イベント“Oracle e-business Days”の初日の15日に行なわれたセッションのひとつ、“Oracle8i on Windows 2000新機能概要”では、午前中に発表された“Oracle8i for Windows NT R8.1.6”(以下、R8.1.6)の機能を紹介した後に、特にWindows 2000に対応して強化されたR8.1.6の機能について、詳しい説明が行なわれた。講師は、同社のマーケティング統括本部システム製品統括部IAグループマネジャーの今野尚昭氏。

Windows 2000とOracle8iの最新動向が気になるユーザーで会場は埋まった
Windows 2000とOracle8iの最新動向が気になるユーザーで会場は埋まった



R8.1.6は、統合されたJavaVMであるOracle JServerの標準サポートや、マルチメディアデータの統合管理を行なうOracle interMediaに対する機能拡張などが、大きな特徴である。またR8.1.6は、Windows 2000に対応した最初のバージョンでもある。今野氏は、「オラクルでは、Windows 2000への対応は、R8.1.6からとしており、既存のバージョンのOracleデータベースについては、対応させる予定はない。またこれまで通り、Windows NTのサポートは継続する。製品名は、“for Windows NT”のままで、特に“for Windows 2000”という名称を用いる予定はなく、Windows NTとWindows 2000は同一のパッケージで提供され、Oracle側で、OSを自動的に判断する」と説明している。

R8.1.6では、Windows 2000のディレクトリーサービス機能“Active Directory”、拡張アドレッシング機構“Enterprise Memory Architecture”、クラスター機能“Microsoft Cluster Service”への対応が図られている。

Active Directoryと連携したセキュアーなシングル・サインオンを提供

Active Directoryとは、業界標準のLDAPに準拠したディレクトリー・サービスだ。ユーザーは、Windows 2000にログインすれば、ユーザー名やパスワードをあらためて入力せずに、R8.1.6にログインする“シングル・サインオン”が可能だ。この際にWindows 2000のユーザーと、R8.1.6のユーザーは、1対1で対応する。ユーザー登録は、ユーザー管理ツール“Oracle Administration Assistant for Windows NT”を用いて行なうことができる。

またR8.1.6が備えているディレクトリー・サーバー機能“Net8ディレクトリ・ネーミング機能”や“Enterprise User Security機能”を、Active Directoryに連携できる。Net8ディレクトリ・ネーミング機能では、データベース・サービスとネット・サービスの名前をActiveDirectoryに格納し、一元管理が可能だ。これまでは、ホスト名やプロトコル、ポート番号などの情報を各クライアントで持っていなければならなかったのが、この機能により、自動的にActiveDirectoryから必要な接続情報が取得できるようになった。またEnterprise User Security機能では、SSL(Secure Socket Layer)プロトコルを使用したX.509認証により、セキュアーなシングル・サインオンが可能だ。

Enterprise Memory Architectureにより、スケーラビリティーを向上

Enterprise Memory Architectureとは、米インテル社のPentium III XeonプロセッサーとWindows 2000の組み合わせによる拡張アドレッシング機構で、36bitアドレッシングに対応する。これにより、Windows 2000で利用できる実メモリーサイズが、従来の4GBから、最大64GBまで拡張された。今野氏は、「R8.1.6がいち早くWindows 2000に対応したことにより、より大規模なデータベースや大規模なユーザー環境での利用が可能になった」としている。

Oracle8i Fail Safe R3.0.4とMicrosoft Cluster Serviceにより可用性を強化

R8.1.6では、フェイルオーバー機能を提供する“Oracle8i Fail Safe R3.0.4”がサポートされた。同機能は、Windows 2000 Advanced Serverの2ノード・クラスタに対応する。またWindows 2000 Datacenter Serverの4ノード・クラスタにも対応する予定だ。セッションでは、クラスタ構成の2台のWindows 2000 Advanced Serverを用いたデモが披露された。

日本オラクル システム製品統括部IAグループの今野尚昭氏
日本オラクル システム製品統括部IAグループの今野尚昭氏



今野氏は、「Windows 2000の堅牢性や、Active Directoryによる管理コストの低減に関心を持つユーザーは多い。R8.1.6は、タイムリーにWindows 2000に対応することにより、ユーザーのニーズに応えた」とまとめた。

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