“eAT'00 KANAZAWAアワード”、ゲスト講師の作品など盛りたくさんのギャラリー展示――eAT'00 KANAZAWA開催(中編)
2000年02月29日 00時00分更新
奥深い伝統芸術、文化を育んできた金沢市が、新たな芸術、文化、産業の創造と人材育成を目的として毎年開催している“eAT'00
KANAZAWA(イート2000金沢)”が2月24日から26日の3日間にわたって開催された。
このイベントを推進しているイート金沢実行委員会は、金沢市高度情報化推進室内に置かれ、東京にいる委員とともに具体的なイベントの計画を立てている。全国各地で行なわれている行政主体の“デジタル系イベント”の中でも、特に盛況で中身の濃いものになっている。
糸の後、イートのアート
初日のコンサート、昼間のセミナー、同時開催のギャラリー展示に加え、夜はバスで40分ほどの温泉地に宿泊し、宿の大広間で講師、参加者膝を交えて自由に飲みつつ語りあう……というのが本イベントの全容である。本稿では、この中でギャラリー展示を中心に報告する。元は紡績工場だったという金沢市民芸術村。演劇、音楽、アートなどの工房があり、24時間自由に使えるという画期的な施設。金沢の文化的な厚みを感じさせる会場 |
eATギャラリーでは、ゲスト講師の作品やアワード作品、“eATジュニア芸術展”と題した子供たちの作品も展示され、盛況であった |
講師作品の展示では、鈴木氏(セガ)の『シェンムー』デモをはじめ、萩野氏(ボイジャー)のエキスパンドブック作品、CM、映画などのデモを上映 |
“eAT'00 KANAZAWAアワード”の受賞作品が並ぶ。表彰式は24日、MACH1.67ライブに先立って金沢市文化ホールで行なわれた |
ギャラリーでひときわ注目を集めていた『Goblin』の展示。コンピューターネットワーク上で1つのオブジェクトを共同制作できるシステムだ |
講師作品のほか、さまざまなデジタル作品、キャラクターグッズを集めた販売コーナーも。目玉はやはり浅野忠信デザインのTシャツか? |
今年で4年目を迎えるこのイベント。過去の参加者を列挙すると、伊藤穣一氏、江並直美氏(デジタローグ)、河口洋一郎氏、千葉麗子氏、タナカノリユキ氏、ロドニー・アラン・グリーンブラッド氏、村上隆氏などそうそうたる面々が登場している。
実行委員会の村上孝博氏は語る。
「初年度は市の職員対象の講習、協賛企業の方々にもチケットを買っていただいて……という形で始めたんです。しかし、昨年ぐらいから背広人口が減り、それほど広報にお金を掛けなくても、県外からもたくさん若い人が集まってくるようになりました。マンネリにならないよう、毎回テーマを変えて、今年は“映画”に絞った内容にしています。2月の開催だけでなく、昨年11月には“イート塾”というミニセミナーも行ないました」
毎年の開催で、着実に地元に根付いてきた“eAT”。今後のさらなる発展を期待したい。