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【CeBIT 2000レポート Vol.14】VIAのウェンCEO、「我々のターゲットは完全にバリューPC」--統合型チップ“Mathew”の開発も明らかに

2000年02月29日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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“CeBIT 2000”期間中の24日、台湾VIA Technologies社は、同社の新プロセッサー『VIA Cyrix III』の欧州市場投入を発表した。同社社長兼CEOのウェン・チー・チャン(Wen Chi Chen)氏は、「我々のフォーカスは“バリューPC”市場」として1000ドル(約10万9000円)以下のパソコン市場をターゲットとする戦略を強調。さらに、バリューPCとインターネット接続に特化した“インターネットアプライアンス”向けの統合型チップ“Mathew”の開発も明らかにした。

Cyrix IIIのヨーロッパ市場投入を発表するウェン氏


同プロセッサーは、“Joshua”というコードネームで呼ばれていた、初めてのSocket 370対応x86互換プロセッサー。それぞれ433MHz、466MHz、500MHz、533MHzの動作クロックを持つ4製品がラインナップされている。64KBのL1キャッシュと256KBのL2キャッシュを搭載し、FSB(Front Side Bus)は66MHz、100MHz、133MHzの3種類をサポート。MMX命令に加え米AMD社の“3D Now! テクノロジ”に対応、浮動小数点演算は米インテル社のCeleronに匹敵するとしている。動作電圧は2.2V、マルチプロセッサーには対応していない。

公開されたベンチマークの結果。ベンチマークソフトは『Business Winstone』。同クロックのCeleronと同じ数値となっている。「Business Winsotoneはもっとも基本的なベンチマークソフト」として、これ以外のソフトによる結果は明らかにされなかった
公開されたベンチマークの結果。ベンチマークソフトは『Business Winstone』。同クロックのCeleronと同じ数値となっている。「Business Winsotoneはもっとも基本的なベンチマークソフト」として、これ以外のソフトによる結果は明らかにされなかった



CeBIT会場内で開かれたプレスカンファレンスに出席した同社社長兼CEOのウェン氏は、「Cyrixプロセッサーは、バリューPCとインターネットアプライアンスのプロセッサーに強力な選択肢を与えるものだ」と新プロセッサーが価格性能比に優れている点を強調した。

「“バリュー市場”に100パーセントフォーカスする」と話すウェン氏 「“バリュー市場”に100パーセントフォーカスする」と話すウェン氏



ウェン氏は同社のプロセッサー戦略について、「我々のプロセッサーは、こうした“バリュー市場”に100パーセントフォーカスする。なぜなら将来もっとも成長が見込まれているマーケットだからだ」とし、代理店とOEM先のサポートを強化して販売力を高めていく方針を明らかにした。

さらにウェン氏は「VIAは、バリューPC向けプラットフォームに対し、チップセットから始まってプロセッサー、グラフィックスを加えるなどして拡張を進めてきた。今後はこれらを統合していく」とし、統合チップ“Mathew”*を開発していることを明らかにした。Mathewが出荷されれば、米インテル社が開発中の統合チップ“Timna”に対抗するものとなる。またMathewの前には“Samuel”の出荷も予定されているという。

* JoshuaとSamuelは、旧約聖書に登場する預言者ヨシュアとサムエルであり、Mathewはキリストの12使徒の1人であり、新約聖書の福音書記者マタイ。CPUのみだった旧世代を経て、新しい統合型チップの時代へ移る、という意味らしい。

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