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【MACWORLD Expo/Tokyo 2000 Vol.7】ビートニック、ウェブ制作に応用できる作曲ソフト『Mixman』を発表

2000年02月18日 00時00分更新

文● 正月孝広 

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16日より千葉の幕張メッセで開催されている“MACWORLD Expo/Tokyo2000”。スティーブ・ジョブズ氏の基調講演を皮切りに、多くのセミナーや発表会が催されている。本稿では、ホテルニューオータニ幕張で開催されたビートニックの発表会とライブデモの模様を報告する。

演奏しながら作曲できる『Mixman』

セッションは、まずビートニックの日本マーケット開発部長、John Eckstein氏の挨拶から始まった。「昨年11月、ビートニックがミックスマン・テクノロジーズとの合弁を発表したが、それが大きな流れの始まり」と、流暢な日本語で解説した。そのキーとなるソフトウェアが『Mixman』である。

ビートニックの日本マーケット開発部長、John Eckstein氏
ビートニックの日本マーケット開発部長、John Eckstein氏



『Mixman』は、16のトラックに当てられたサウンドをキーボードのキーにそれぞれ割り振り、DJがクラブでサウンドを即興でリミックスするように、演奏しながら曲を作れるソフト。これまでのDTMのように先に曲を作ってから再生するのではなく、演奏しながら曲を作るところに、新鮮さがある。

会場で行なわれたプレゼンテーションの模様。映し出されているのは『Mixman』の操作画面。ターンテーブルにそれぞれ8サウンドを割り当て、DJがリミックスを行なうように曲を自在に作れる
会場で行なわれたプレゼンテーションの模様。映し出されているのは『Mixman』の操作画面。ターンテーブルにそれぞれ8サウンドを割り当て、DJがリミックスを行なうように曲を自在に作れる



3月に発売になるMixman専用外部コントローラー『P-MIX・Controller』。キーボードに割り振られていたチャンネルを専用コントローラーに持ってくることにより操作性が向上する
3月に発売になるMixman専用外部コントローラー『P-MIX・Controller』。キーボードに割り振られていたチャンネルを専用コントローラーに持ってくることにより操作性が向上する



国内では、現在この『Mixman』と連動した企画“Joi/Butterfly”が進行中である。オラシオンがプロデュースを担当し、テイチク(株)がレーベルを引き受けている。先行して『Mixman』で使えるデジタルコンテンツがリリースされ、クラブシーン、ウェブ、CD-ROMなどで、このコンテンツを扱かっている。そしてアーチストとしてのビジュアルが登場するのは4月26日。それまではデジタルコンテンツが一人歩きする状態である。このようなプロモーションの仕方はこれまでにはなかったものだ。

ウェブ上で自由自在に応答できる“RMF”ファイル

テイチク社長付、岡本慎吾氏
テイチク社長付、岡本慎吾氏



オラシオン副代表、冨田芳正氏
オラシオン副代表、冨田芳正氏



『Mixman』が扱うデータは、ハイクオリティーのサウンドデータである。ウェブ上でこのデータを扱えるようにするための『Beatnikツール』群もある。これらのツールを使うことによって、サウンドデータをウェブ専用のRMF(Rich Music Format)ファイルとして書き出せる。

『Beatnikツール』の解説をしたビートニックのシニアバイスプレジデント、Jeff Martin氏は「現在のウェブはサイレント映画である」と語った。そのサイレント映画をトーキー映画にする方法として、現在は、データをダウンロードして扱うMP3、ストリーミングを行なう“QuickTime”や“Realsystem”がある。しかし、『Beatnikツール』の“RMF”は、そのどちらでもない第3のフォーマットである。

ビートニックのシニアバイスプレジデント、マーケティングoおよび業務開発担当、Jeff Martin氏
ビートニックのシニアバイスプレジデント、マーケティングoおよび業務開発担当、Jeff Martin氏



RMFファイルを扱うことによって、今までにないインタラクティビティーをウェブに与えるられるようになる。具体的には、ページをめくっても音飛びが起こらないスムーズな連続したBGM、マウスオーバーするだけで再生するジングルやSE(サウンドエフェクト)がある。

非常に軽いデータサイズのRMFは、ウェブ上で自由自在にストレスなく応答できるインタラクティブな音楽サイトを実現している。

新コンセプト“Sonify”によるウェブ制作が進行中

また『Beatnik』では、ウェブページを聴覚的にデザインし、エンターテインメント性を与えていくことを“Sonify(ソニファイ)”と呼んでいる。

日本ではメディアを中心として、既にプレゼンテーションが行なわれている。“Sonify”という新しいコンセプトによって、ウェブ制作が進行中であるという。このようなサイトが一般的に見られるようになるのももうすぐだろう。これまでになかった、まったく新しい感覚をウェブで得られる『Beatnik』。今後の展開から目が離せない技術である。

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