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【Seybold Seminars Boston 2000 Vol.5】基調講演のXML戦略を裏付けるXMLの新製品が多数出展! Quark、XyEnterprise、IXIA Softなど

2000年02月14日 00時00分更新

文● TERO MODA

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2000年2月7日から11日(米国東海岸現地時間)までの5日間、マサチューセッツ州ボストンのMassachusetts Convention Centerにおいて“Seybold Seminars Boston 2000”が開催された。Seyboldは、紙出版、電子出版におけるデジタルクリエーション、DTP、デザイン、印刷などのプロフェッショナルを対象にしたイベント。本稿では、基調講演のXML戦略を裏付けるXMLの新製品を中心に報告する。

9日の基調講演において、QuarkのTim Gill氏(Chairman and Chief Technical Officer)は、“情報交換の未来は、XMLにある”と語り、ミレニアム(2000年)に登場する2つの新製品を発表した。『Quark XPress 5.0』、そして『eStage』である。

基調講演でXMLの未来を語ったQuarkのTim Gill氏(Chairman and Chief Technical Officer)
基調講演でXMLの未来を語ったQuarkのTim Gill氏(Chairman and Chief Technical Officer)



QUARKのXML対応新製品――『QuarkXPress 5.0』と『eStage』

『Quark XPress 5.0』は、プロフェッショナルを対象にした紙や電子出版のためのレイアウトソフトウェアだ。このバージョンでは、PDFファイルの直接出力、ウェブページの制作などが可能になった。また、今年4月にQuark XPress 4.1対応製品として195ドルで発売になる『avenue.quark』がバンドルし、XMLファイルを出力できるようになる。

QUARKの展示ブース。さっそく『eStage』や、今年4月に発売となる『avenue.quark』などのデモストレーションを行なっていた
QUARKの展示ブース。さっそく『eStage』や、今年4月に発売となる『avenue.quark』などのデモストレーションを行なっていた



QUARKのGlen Turpin氏(Corporate Communications Manager)によると、QuarkXPress 5.0の発売は今年秋以降になる。また、日本語版は、英語版の出荷開始から90日以内に発売される予定。今年夏発売予定のオペレーションシステム『MacOS X』では、『Classicモード』での動作が保証されている。

『eStage』は、データベースのサーバー/クライアントシステム。出版、カタログ作成、市場調査などをグループ単位で共同作業できる。サーバーの対応オペレーションシステムは、Windows NTのみとなる。Windows 2000の対応については未定だ。また、発売日も明らかではないが、QUARKでは『eStage』のベータテストを今年4月に開始するとしている。価格は、4万5000ドル。1クライアントごとに3500ドルが追加になる。

続々と各社から登場するXML製品。ミレニアムはXMLの時代に

Tim Gill氏の語った“情報交換の未来”を裏付けるかのように、展示会場では“XML Showcase”のコーナーが設けられ、いくつかのXML対応製品を見ることができた。ここでは、サーバー/クライアントシステム製品の『Content@』と『TEXTML Server 1.1』、XMLオーサリングツール製品の『XML Authority 1.1』と『XMetaL 1.2』を紹介する。

展示会場には“XML Showcase”のコーナーが設けられた
展示会場には“XML Showcase”のコーナーが設けられた



XyEnterpriseの『Content@』は、ワードプロセッサー『Microsoft Word』を使用するコンテンツ管理サーバー/クライアントシステム。グループ単位でWordドキュメントを作成し、RTF、またはHTML/XMLファイルとして出力できる。サーバーは、WindowsNT、Sun Solaris、IBM AIXで動作する。データベースには、Oracleなどを使用する。

クライアントは、Windows 95/98/2000に対応する。価格は、10クライアントで5万ドル程度となる。また、XyEnterpriseでは、XMLデータの入出力に対応した高度なワークフローシステム『Production Publiser』を、3月下旬に発売すると発表している。

『TEXTML Server 1.1』を展示するIXIA Softのブース。『TEXTML Server 1.1』は、Windows NT 4.0 ServerのASP(Active Service Pages)をCOMオブジェクトとして使用できる
『TEXTML Server 1.1』を展示するIXIA Softのブース。『TEXTML Server 1.1』は、Windows NT 4.0 ServerのASP(Active Service Pages)をCOMオブジェクトとして使用できる



IXIA Softの『TEXTML Server 1.1』は、ASP(Active Service Pages)をCOMオブジェクトとして使用できるコンテンツ管理サーバー/クライアントシステム。Delphi、Visual Basic、Visual C++、Javaといったプログラム言語で、クライアントのインターフェースを開発できる。サーバーはWindows NT 4(Option Pack 4)、クライアントはWindows 98/NT 4.0(Service Pack 5)で動作する。クライアント数は無制限で、価格は3500ドル。IXIA Softのウェブサイト(http://www.ixiasoft.com)からは、評価版(TEXTML Server Lite)をダウンロードできる。

Extensibility社の『XML Authority 1.1』は、XMLのSchemaを作成するツール。Javaアプリケーション。Windows 95/98/NT 4.0/2000、UNIX、MacOSで動作する。Extensibility社のウェブサイト(http://www.extensibility.com/)から、オンライン購入できる。

『XML Authority 1.1』の作業ウインドー。視覚的にオブジェクトを構築できる
『XML Authority 1.1』の作業ウインドー。視覚的にオブジェクトを構築できる



SoftQuad Softwareの『XMetaL 1.2』は、視覚的な操作でXMLファイルを作成できるXML/SGMLオーサリングツール。XSLスタイルシートを使い、XMLドキュメントをHTMLファイルに簡単に書き換えることができる。Windows 95/98/NT 4.0で動作する。価格は495ドル。『XMetaL 1.0』のユーザーには、無償アップグレードが用意されている。

『XMetaL 1.2』では、表示画像を確認しながら作業を進めることができる
『XMetaL 1.2』では、表示画像を確認しながら作業を進めることができる



Javaがプラットフォームを選ばない言語として成功しているように、XMLもまた、プラットフォームを選ばないデータ交換フォーマットとして成功をおさめるのは間違いのないことだろう。

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