デンマークのLEGO Dacta社と(株)ラーニングシステムは10日、レゴブロック『マインドストーム・ロボラボ(日本語版)』を発表し、都内で発表会を開いた。同製品は、マイクロチップを搭載したレゴブロック『マインドストーム』をベースに、学校や家庭でのグループ教育用教材として開発されたもの。LEGO
Dacta社では「8歳の子供でもロボット組み立てを楽しめる」としている。欧米では学校向けに販売されており、一般販売は日本のみ。店頭販売は行なわれず、16日からラーニングシステムのウェブ上で予約受付を開始する。出荷は3月下旬。価格はオープンで、予想販売価格は4万8000円。
『マインドストーム・ロボラボ』の『シティ・アンド・トランスポーテーション』セット |
LEGO Dacta社は、レゴ社の教育教材部門を担当する100パーセント子会社。マインドストーム・ロボラボは、マイクロチップとモーターを搭載し、パソコンで動作をプログラミングできるレゴブロック製品。一般個人向けのマインドストームに対し、マインドストーム・ロボラボは「教師やチューターなどの指導で、子供たちがロボットの仕組みやプログラムをグループ学習できる教材」(LegoDacta社)として開発された。欧米では学校向け教材として発売され、すでに10万台以上が出荷されたという。
同製品の4種類のセットのうち、日本で発売されるのは『シティ・アンド・トランスポーテーション』セット。乗用車や電車など、市街を走る交通機関をイメージした内容になっている。
セット内容は、マイコンを搭載した“RCX”と呼ばれるコントロールユニットと、パソコンに接続してプログラムを赤外線送信するユニット“IRT”、モーターユニットを含む350個のレゴブロック、ソフトウェアCD-ROM。付属のリファレンスマニュアルなどはすべて日本語化されているという。
会場に展示された組み立て例 |
動作制御用のソフトウェア『ロボラボ』も日本語化されており、アイコン化された61種類のコマンドをマウスで選び、画面に並べることで動作をコントロールできる。入門と応用の2段階にそれぞれ4レベルが設定され、学習進度に合わせてプログラムを学べるという。対応OSはWindows
95/98/NTと、MacOS 7.5以降。
なお、ベースとなったソフトは、米ナショナルインスツルメンツ社の汎用プログラミングシステム『LabVIEW』で、同システムは計器制御などに多く使用されている。火星探査機『マーズパスファインダー』の着陸機とセットで活躍した車輪付き地上探査ロボット『ソジャーナー』の制御にも利用されたという。
欧米では販売を学校などに限り、一般向け販売はしていないが、日本では短期間での普及を図って一般販売に踏み切ったという。国内代理店のラーニングシステムと2次代理店が販売に当たる。いずれもウェブや電話による通販のみで、店頭販売は当面行なわれないとしている。ラーニングメディアによる予約受付は、同社のウェブで16日から開始。同日から始まる“Mac
World Expo2000”にも出展し、展示と予約受付を行なうとしている。
LEGO Dacta社広報部長、ハネ・バウトラップ氏は元教師だという |
発表会に出席したLEGO Dacta社広報部長、ハネ・バウトラップ(Hanne
E.Boutrup)氏は、「我々の目的は、組み立てる時にハッピーなもの。同時に、チャレンジすることで問題解決能力を育成できる製品だ。簡単過ぎると退屈だし、難しいとフラストレーションがたまる。我々の製品は難易度のバランスがちょうどよく、なおかつスキルが上がればもっと上のレベルにも挑戦できるようになっている」と、教材としての魅力を強調した。
ラーニングシステム社長の菊池廉也氏 |
ラーニングシステム社長の菊池廉也氏は、「ロボットを鑑賞する、育てるという従来の楽しみに、自分だけのロボットを作る、ロボットを競わせるという楽しみを付け加えたい」と語り、“ロボットエデュテイメント”を提案していくと語った。