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リコー、ソリューションプロバイダーへの転換を表明――顧客向けポータルサイト開設、文書電子化で新製品発表

2000年02月09日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(株)リコーは9日、プレス向けに同社のソリューションビジネス戦略について説明した。顧客向けポータルサイト“リコーオンライン”の開設や、文書の電子化を促進するシステム“REDMS”といった新製品を発表。「文書の電子化でTCOの削減を実現する“ドキュメントソリューション”を提供していく」として、ソリューションプロバイダーへの転換を進める方針を明らかにした。

リコー専務の紙本治男氏 リコー専務の紙本治男氏



リコーオンラインは、同社がシェア1位となっているデジタルコピー機(PPC)のユーザー企業を主な対象として開設。ウェブを介したワントゥワンの場を設けることで顧客との関係強化を図るのが狙い。当面はデジタルカメラやサプライ品など比較的安価な製品を直販。将来はPPCなど高額な製品の注文を受け付けるが、この場合は直販ではなく、販売店経由で納入する。公共事業の入札情報といった有料コンテンツの提供も視野に入れている。今月からユーザー企業1000社を対象に実験的にスタートし、本格的なサービス提供は本年度前半にも開始されるとしている。

参考出品として発表されたREDMS(RIcoh Enterprise Document Manager System)は、同社のソリューション事業の柱となる“ドキュメントソリューション”に連なるもの。ドキュメントソリューションとは、電子化された文書によるオフィスのペーパーレス化にとどまらず、電子化文書に合わせて業務プロセスを再構築するシステムだとしている。同社ではすでに開発や経理など各部門でペーパーレス化を実施してコスト削減を実現している上、電子化された文書をグループウェアなどで共同で活用するナレッジマネージメントも始まっているという。

REDMSはドキュメントソリューションを管理するシステム。コピー機やプリンター、FAXといった機器の使用データを機器別、個人別に把握でき、オフィス効率化への具体的な目標達成を手助けする。スキャナーを使用した文書の電子化、FAX文書の電子化にも対応した。発売は4月を予定している。

REDMSのシステム図 REDMSのシステム図



同社の説明によると、同社は総合ソリューション提供に向けて(1)デジタルコピー機、(2)プリンター事業、(3)ソリューション事業基盤の確立の3点を重点目標にしているという。デジタルコピー機では'96年からシェアトップを維持し、カラーレーザープリンターでは昨年にシェア2位を占めるに至っているという。ネットワークシステム分野の売上は昨年で831億円、グループ連結では1300億円に上っているとしている。

同社ではこれらを背景に、ドキュメントソリューションの提供を進め、将来はシステムのホスティングを請け負い、企業の文書を預かるといったASP的な方向も検討しているという。建設や製造などの中小企業向け業務アプリケーションの提供にも力を入れていくとしている。

同社専務の紙本治男氏は、「リコーは企業目標をソリューション提供に置いている。基幹システムのような大がかりなものではなく、ドキュメントソリューションが基本。プロダクト提供のリコーから、ソリューションプロバイダーのリコーへと転換していきたい」と語った。

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