2月7日より9日まで、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている、半導体技術に関するカンファレンス“IEEE
ISSCC2000(International Solid-State Circuits Conference)”(主催IEEE Solid-State
Circuits Societyなど)では、1GHz超のマイクロプロセッサーの発表が相次いだ。
サンフランシスコのマリオットホテルで毎年開催されているISSCC。今年は前日夕方までに3000名が登録し、参加者新記録となった |
発表順に“アルファ”機(コンパックなど)、“PowerPC”機(IBM)、“IA-32アーキテクチャー”機(インテル)である。いずれも型名は明らかにされていない。また、SOI技術によるPowerPC(660MHz:IBM)、L2キャッシュ内蔵PowerPC(780MHz:モトローラ)、PA-RISC機(600MHz:ヒューレット・パッカード)、S/390G6(760MHz:IBM)なども発表され、高周波数化がものすごい勢いで進行していることが伺われる。
過去にISSCC98において、IBMが1GHz動作のPowerPCを発表していたが、この時は機能を限った実験機であり、商用の1GHzプロセッサーが発表されたのは今回が初めてのことになる。
PowerPCの1GHz機は、98年に論文発表したIBMのチームによるものである。このチームの以前の研究では、高速化に不利な命令を実装していなかったが、今回はPowerPCの全命令(FP命令を含む)を実装している。ただし、今回発表されたものも実験機である。高周波数化に不利な構造を持つオリジナルのPowerPCを用いているところが興味深い。
アルファプロセッサーは、当初より高周波指向であった。今回は、6命令非整順発行の構造を保ったままGHz台に乗せており、同社の設計技術の高さを伺わせる。
IA-32プロセッサーは、L2キャッシュを内蔵しており、基本的には昨年のMicroprocessor
Forumで発表されたものと同じアーキテクチャーを持つ。今回は、半導体技術の探求が中心で、容易に量産を行なうために、銅配線技術を利用しなかったことを強調していた。同社の発表では、「なぜ銅を使う必要がないか」の解析に関する発表に多くの時間が割かれていた。