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【PAGE 2000リポート Vol.3】インクジェットプリンターでの色校正に注目。スキャナーはより高品位、高生産性の訴求へ

2000年02月04日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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日本印刷技術協会主催の印刷とプリプレスの専門展示会“PAGE 2000”が東京・池袋のサンシャインシティコンベンションセンターTOKYOにおいて開催中だ。本稿では出品されている製品をジャンル別の傾向ともにリポートする。

インクジェットプリンターでのカラープルーフィングが続々

  今回、色校正という部分でユニークな動きが見られた。近年、インクジェットプリンターの性能がますます向上しているが、こうしたコンシューマー向けに近いインクジェットプリンターを活用した色校正のソリューションが数社より出品されていた。

昇華型プリンターのRainbow Color Proofing Systemで一時代を築いたイメーション(株)は、長年培ったプルーフィングシステムのノウハウをソフトウェアRIPとして結実させた『Imation Matchprint Inkjet System』を出品した。

Imation MatchprintInkjet Systemは、ColorSync対応の色変換モジュール“Imation CF M”を搭載したインクジェットプリンター用プルーフソフトウェア。Canon BJF-8500、HP DesignJet 2000CなどのA3~A0判のインクジェットプリンターに対応する。

サカタインクス(株)は、すでに欧米で大きな注目を集めているカラープルーフィングソフト『BEST Color XXL ver.4』とEPSON PM700Cと組み合わせて出品していた。

イメーション(左)とサカタインクスのブース。それぞれ独自のノウハウでインクジェットプリンターでの色校正を現実のものとしている。実際に出力される校正紙は十分実用に耐えうる
イメーション(左)とサカタインクスのブース。それぞれ独自のノウハウでインクジェットプリンターでの色校正を現実のものとしている。実際に出力される校正紙は十分実用に耐えうる



いずれもWindows NTベースのサーバーにソフトをインストールして、各クライアントマシン(ImationはMacintosh対応、BEST ColorはMacintosh、Windows、UINX対応)からプリントアウトする。

色の管理技術が進化

エプソン販売(株)は、雑誌『effects』制作(エムディーエヌコーポレーションと大丸印刷)におてるリモートプルーフィングの事例をデモや展示で立体的に紹介。特別なソフトウェアを使わずとも、1 社のプリンターを使うことで、統一的な色校正が可能であることを強調した。

エプソンは事例紹介で説得力ある展示となった
エプソンは事例紹介で説得力ある展示となった



このほか、(株)二樹エレクトロニクスは、ICCプロファイルを作成するのではなく、演算でカラー変換するオートマチックプルーフィングのソフトウェアRIP『DeskCheck』を出品していた。
 
また、PostScript RIPの老舗として著名なイー・エフ・アイ(株)は、RIPを提供している数社のプリンタメーカーとともに、デジタルプリンターを活用したオンデマンドプリントおよびバリアブルプリント(紙幣の番号のように1ページ1ページ、1部分でも違う内容をプリントする機能)の実際を紹介していた。

国内のほとんどのプリンタメーカーが出品した。イー・エフ・アイのブース
国内のほとんどのプリンタメーカーが出品した。イー・エフ・アイのブース



フラットベッドスキャナーでは、スクリーンのワニさんスキャナーに注目

イメージキャプチャーの分野では、ドラムスキャナーがフラットベッドスキャナーに主流の座を明け渡してから久しい。フラットベッドスキャナーは、より高い品質と生産性が求められ続け、すでに円熟してきていると言えるだろう。また、スキャナーの分野でもカラーマネジメントソフトを備えたドライバーソフトを搭載するなどカラーコントロールの分野は重要視されている。

大日本スクリーン製造(株)は、ワニのイメージで人気を博しているGenascanシリーズの新製品『Genascan 5500』を出品した。

Genascan 5500は、従来製品の2倍以上の高速入力を可能としており、さらに高精度なA/Dコンバーターの採用で、なめらかな階調表現を実現している。また、インテリジェントセットアップの画像ソフトウェア『ColorGenius EX』によって、“人物”、“風景”や、“標準”、“シャープに”といったキーワードを選択すれば、理想的な入力品質が得られる。特定色の変更も可能だ。

“モアレカットフィルター”をオプションで活用できるワニのスキャナー、Genascan5500
“モアレカットフィルター”をオプションで活用できるワニのスキャナー、Genascan5500



ハイデルベルグ・ジャパン(株)は、『Nexscan F4000シリーズ』を出品していた。Nexscan F4000は、xyVariLens方式とバーティカルカメラコンセプトのスキャニング方式を利用。CCDアレーがスキャニング原稿に限りなく近づき、ミラーなどを介さずにダイレクトに原稿を読み取れる。また、ICCプロファイルの画像への埋め込みや、LCHコレクションやCMYKコレクションの修正値の追加が可能な“LineColor 6.0J”も搭載している。

光学解像度5080dpi、濃度レンジ3.7D、最高濃度値4.0D、入力階調16bit。3D原稿のスキャニングも容易にできるNexscan F4000シリーズ光学解像度5080dpi、濃度レンジ3.7D、最高濃度値4.0D、入力階調16bit。3D原稿のスキャニングも容易にできるNexscan F4000シリーズ



このほか、アーティックス(株)は、ColorSync/ICMに完全対応のスキャニングドライバーを搭載した『ArtixScanシリーズ』を出品した。

実用に沿った一眼レフデジカメが登場

スキャナーのほかに、デジタルカメラの画像入力への活用が目立っている。富士写真フィルムのブースでは、実機はなかったが、1月末に発表された613万画素のスーパーハニカムCCDを搭載した一眼レフデジタルカメラ『FinPix S1 Pro』を紹介していた。

FinPix S1 Proは、その名の通り、同社のコンシューマー向けのデジタルカメラシリーズである。FinePixのラインナップの1つということになるが、その姿はまさに一眼レフカメラであり、プロフェッシュナルからハイアマチュアの使用に耐える物のようだ。実際、ニコンのFマウントレンズが使用できる。

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