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ターボリナックス、パートナー主体のLinuxビジネス支援プログラムを開始

2000年01月28日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ターボリナックス ジャパン(株)は、パートナー主体の支援プログラム“TurboLINKS(ターボ・リンクス)”を開始したと発表、都内で説明会を行なった。

TurboLINKSは、Linuxビジネスに参入しようとしている企業や、既存のLinuxビジネスを拡張しようと考えている企業の支援を目的としたパートナープログラム。パートナーとなる企業がLinuxビジネスを展開する際、それに必要なサポートや技術情報を同社が継続的に提供するもの。同社は、ブランドビジネスやサポートメニューの標準化といったパートナーのLinuxビジネスを阻害するような制限をパートナーに与えない。一方、パートナー側は、自社の戦略に合ったプログラムを選択でき、同社から直接、技術情報やサポートを得られる。

TurboLINKSは、“基本プログラム”と“オプションプログラム”で構成される。基本プログラムは、全パートナー共通のプログラムで、最低限のサポートメニューをパッケージ化したもの。ダイレクトサポートや、新製品/β版の提供、情報提供などのサービスが行なわれる。申込単位はサイト(部署/ロケーション)ごとで、1法人で最低1サイトからの申込となる。サービス料金は1サイトで年額10万円。

オプションプログラムは、既にLinuxビジネスを展開している企業向けに、ハイレベルなサポートを提供するもの。LinuxでのSIビジネスを展開する企業向けの“認定SIパートナー”、同社製品を販売する店舗向けの“リテールパートナー”、Linuxのサポート事業を行なう企業向けの“オーソライズド・サポートセンター”、同社製品に対応したツール/システム製品を開発/販売する企業向けの“テクノロジーパートナー”、同社製品とパートナーの製品を抱き合わせ販売する企業向けの“バンドリングパートナー”、同社の認定コースをベースとした教育ビジネスを行なう企業向けの“オフィシャル・エデュケーションセンター”の6つが用意されている。

また、同社認定の資格制度として、認定技術者“Turbo-CE(Certified Engineer)”、および認定インストラクター“Turbo-CI(Certified Instructor)”を設けることも発表した。Turbo-CEは、最低限の技術レベルがあれば合格できるというもので、3月から4月に試験が開始される。試験はウェブ上で行ない、出題範囲は同社認定コース“T100-J”~“T3xx-J”、出題箇所は事前に同社ホームページで公開される。受験料金は未定だが、2~3万円程度になるという。有資格者には、年間3件までの無償サポートや、専用ウェブサイトへのアクセス権、サポート情報の提供、同社製品のβ版試用などが提供される。無償サポートが1年間、資格有効期限は未定。Turbo-CIは、同社認定コースのインストラクターで、Turbo-CEであることが前提条件。試験は研修と面接で、受験料は未定。なお、オーソライズド・サポートセンターはTurbo-CEの有資格者が、オフィシャル・エデュケーションセンターはTurbo-CIの有資格者がそれぞれいることが参加条件となっている。

TurboLINKSへの申込は、同社ウェブサイトで受け付けている。

同社社長の小島国照氏は、「現在のLinux市場において、コーポレートユーザーが増えてきている。Linuxにはたくさんのディストリビューションが存在している。その中でコーポーレートユーザー向けにインフラを構築することがわれわれの使命だ」

「(パートナープログラムについて)Linux市場は今後ますます拡大する。その中でサービスや教育、コンサルティングといったものが大きなビジネスになるだろう。多くの会社はその事業に殺到しているが、われわれはそこに直接には入っていかない。あくまでパッケージに特化する。パッケージングがわれわれのコアのビジネスだ」

「今後は、これまでなかったビジネスモデルがLinux市場で出てくる可能性があり、それをいかにサポートするかがわれわれのミッション。われわれが教育やサポートで儲けるわけではない。いいパートナーになりたいだけだ。エンドユーザーがほしいのはソリューションであってOSではない。われわれはだんだん影武者になっていくだろう。プログラムについては、なるべく“縛り”がないようにしたい」と語った。

また、TurboLINKSの企画者である同社フィールドマーケティングマネージャーの吉政忠志氏は、「TurboLINKSは、あくまでもパートナーが主体であり、いままでのパートナープログラムとは180度違うもの。Linuxは今はビジネス市場ではまだ創生期であり、今回のパートナープログラムの導入によっててこ入れをしたい。TurboLINKSのキーコンセプトは、“それぞれのLinux自由戦略を実現するためのバックエンドサポートを継続的に提供する”こと」と説明した。

ターボリナックス ジャパン(株)の小島社長(左)と、吉政フィールドマーケティングマネージャー(右)
ターボリナックス ジャパン(株)の小島社長(左)と、吉政フィールドマーケティングマネージャー(右)



さらに同社は、製品ロードマップについても説明した。それによると、3月に『TurboCluster Server 4.0』、『TurboLinux Workstation 6.0』、『TurboLinux Server 6.0』がリリース、6月には『TurboCluster Server 7.0』、『TurboLinux Workstation 7.0』、『TurboLinux Server 7.0』が、2000年末には『TurboLinux Workstation 7.0』の次期バージョンがリリースされるという。小島社長は「現在はWorkstationが高額にも関わらずたくさん売れている。今後はClusterに注力し、年内にはClusterが売上の20パーセントを占めるようにしたい」としている。

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