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日本スチールケース、オフィスチェア『リープ』を発売--背骨の動きにあわせて背もたれが変形

2000年01月20日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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オフィス家具メーカー米スチールケース社の日本法人 日本スチールケース(株)は19日、オフィスチェア『リープ(Leap:跳躍)』の国内販売を開始すると発表した。発売日は2月15日。代理店経由で販売し、価格は10万2000円から。

『リープ』 『リープ』



背骨の動きにあわせて背もたれが変形

『リープ』の想定ユーザーは、パソコンを使って長時間デスクワークをするビジネスマン。リクライニング姿勢をとったときに発生する身体的なストレスを軽減することに、特に力を入れて設計している。

人がイスに座るとき、背骨の上部は後方に、下部は弓なりに前方へと、それぞれ違った角度で傾斜する。通常のイスでリクライニング姿勢をとった場合、背もたれ部分は背骨上部を支えることはできるが、下部(ベルト部分から臀部)は背もたれとの間に隙間が生じ、結果として腰椎や椎間板に体重をかけてしまうこととなる

『リープ』の背もたれは、ちょうど腰があたる部分に“腰押さえ”と呼ばれる切り返しが入っており、上部と下部でそれぞれ独立した傾斜角度を付けられる構造(ライブバック)になっている。そのため、どのような角度でリクライニングの姿勢をとっても、背もたれと座っている人との間に空間が発生せず、腰椎や椎間板に無理な負担をかけないようになっているという。また、背もたれの硬さや腰押さえの位置を、体形にあわせて変更することも可能だ。

無人のイスと、人が座っているイスを見比べると、背もたれが腰の部分で折れ曲がっている様子がわかる
無人のイスと、人が座っているイスを見比べると、背もたれが腰の部分で折れ曲がっている様子がわかる



そのほか、背もたれが傾斜するとシート部が前方にすべる“ナチュラル・グライド・システム”を採用。普通に腰掛けている時とリクライニング時とで、手が届く範囲(リーチゾーン)に大きな差が出ない構造になっているという。

『リープ』のサイズは1つだけ。幅715~825×奥行き555~630×高さ1000~1150mmの間で、形を調節することができる。また、肘掛けの調節も可能で、上下に100mm動くほか、左右のスライド(首振り)にも対応する。

最も小さくした調節した状態と、最も大きく調節した状態
最も小さくした調節した状態と、最も大きく調節した状態



カラーバリエーションは、プラスチック部はブラック/ソーラーブラック(ダークグレー)/スターリング(シルバー)の3色、張り地は128色のバリエーションを用意。また、背もたれ部の素材など、デザインを変更するオプションも用意されている。

『リープ』の開発にあたり米スチールケース社では、工業デザイナーや人間工学・生体力学の専門家など27人によるチームを4年前に結成した。アメリカでは既に6月から販売を開始しており、米サン・マイクロシステムズ社や米フォード社といった大手企業数社に千台単位で納品した実績もあるとのことだ。

米国では、オフィス環境のガイドラインを策定している自治体も少なくない。腰痛や腱鞘炎などデスクワーク従事者からの労働災害に関する訴えが多く、こうしたオフィス家具に対する企業側の需要も高いという。日本では、オフィス環境の改善に予算を注ぎ込む企業はまだまだ少ないが、パソコンの普及が進んだことで、米国同様の需要が発生するのではと同社では考えているという。

なお『Leap』については、個人購入希望者からの問い合わせも受け付ける予定。

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