西日本電信電話(株)は20日、テレビやラジオ放送から、映像や音楽データを検索するシステム“コンテンツ利用チェックシステム”を開発したと発表した。今回開発された試作システムは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が'98年に開発した“時系列アクティブ探索法”をエンジン部に用い、市販のパソコンおよびチューナー(ビデオデッキなど)を組合せたもの。
検索システムの利用法は以下のとおり。まず、探し出したいコンテンツのデータをシステムに登録する。コンテンツはシステム内で自動的に100分の1秒毎に区切られ、色や音の強弱に基づき約2000種類のデータに分類される。次に、検索の対象となる番組放送などをシステムに取り込み、同様のデータ処理を受けた後、双方のデータの分布特徴を照合して検索する。検索にかかる時間は、6時間分のテレビ放映の中にある15秒分の映像を検索する場合で、1件約2秒程度という。
コンテンツ登録画面 |
今回開発した試作機は、TVやラジオの番組など一方向の放送を対象としたものであるが、同社は今後、複数の放送やインターネットのような不特定多地点間でのコンテンツ流通が可能なプラットフォームに対しても利用できるようにシステムを拡張する予定。
データ自体の情報を分析・照合するため、予め目的のコンテンツにIDや電子透かしといった情報を埋め込む手間が不要といった特徴があり、今後は、単純なデータ検索のほか、映像や音楽の不正コピーの監視システムとしてシステムを拡張することを予定しているという。
同システムの商品化について、広告代理店や放送局といったコンテンツプロバイダーと共同で運用実験を繰り返した上で、検討したいとしている。