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ザイリンクス、ASICやASSP市場向けに、次世代のFPGAファミリーを発表

2000年01月11日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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ザイリンクス社は、東京・千代田区の日本外国特派員協会において、ASICやASSP(Application Specific Standard Product)市場向けに、次世代のFPGA(Field Programmable Gate Array)、“Spartan-II”ファミリーを発表し、11日からサンプル出荷すると発表した。

FPGAは、ユーザーによってフィールドでプログラムできるロジックLSI。独自の回路を必要な時に短期間で作り込め、再プログラムが行なえる。今回発表した“Spartan-II”(2.5Vファミリー)は、従来品の“Spartan”(5Vファミリー)や“Spartan-XL”(3.3Vファミリー)がXC4000アーキテクチャーを採用しているのに対し、Virtex*アーキテクチャーをベースにした。クロック制御用の4つのデジタルDLL*(ディレーロックループ)、4KビットブロックRAM*、分散RAM*、プログラマブルI/O*(Select I/O機能を装備)、パワーマネージメント機能などををサポートし、複数のASSPを組み合わせて実現する機能をオンチップで統合できるというメリットがある。

*
Virtex:ハイエンド用途の従来品。Spartan-IIは、Virtexアーキテクチャーを0.18マイクロメートルの6LMプロセスでデザインしている。Spartan-IIでは、Virtexの温度ダイオードピンを低消費電力切り替えピンに変更している
*DLL:水晶発振器からのチップに入力されたクロックを逓倍、分周し、チップレベルとボードレベルのクロックを制御する
*分散RAM:SpartanファミリーやSpartan-XLファミリーにも搭載 *ブロックRAM(4Kビット):デュアルポートRAMを構成できる。4Kビット×1、2Kビット×2、1Kビット×4、512ビット×8、256ビット×16の構成が可能
*プログラマブルI/O:従来、Chip to chipのインターフェースは、TTLやCMOSのみに対応していた。この機能を使えば各種のI/O規格に対応できる。SSTL(-1、-2、-3)、HSTL(-1、-2)、AGP、GTL、GTL+、PCI、LVTTL、LVCMOSなどに対応。5V/3.3VのI/O互換

複数のASSPを組み合わせて実現する機能をオンチップで統合できる“Spartan-II”
複数のASSPを組み合わせて実現する機能をオンチップで統合できる“Spartan-II”



またSpartan-IIは、0.18マイクロメートル6層メタルプロセスによりダイサイズを小型化し、パッケージの種類を絞ったため、1万ゲート当たり1ドル*というコストも実現した。最大集積度は従来より3倍増となり、1万5000ゲートから15万ゲートまでの5種類の製品を揃えている。I/Oピン当たりのゲート数は従来比2~3倍、I/O処理速度は従来費2倍、動作速度は従来比1.5倍の150MHzとなっている。

*1万ゲート当たり1ドル:10万ゲート品、25万/ロット出荷時の換算価格

主な仕様は以下のとおり。



製品名  


 ロジックセル数


システムゲート数 


 最大I/O数


BlockRAM(ビット)


パッケージ


量産価格


XC2S15


432


15000


82


4(16384)


VQ100/CS144/TQ144


3.95ドル


XC2S30


972


30000


132


6(24576)


VQ100/CS144/TQ144/PQ208


4.95ドル


XC2S50


1728


50000


176


8(32768)


TQ144/PQ208/FG256


7.95ドル


XC2S100


2700


100000


196


10(40960)


TQ144/PQ208/FG256/FG456


9.95ドル


XC2S150


3888


150000


260


12(49152)


PQ208/FG256/FG456


12.95ドル


ザイリンクス社のプロダクトマネージャー、フォレスト・ハフ氏は、「'98年に初めてSpartanファミリーを発表した。今回発表するSpartan-IIファミリーは、PLDが参入できない分野や量産分野をメーンターゲットにしている。Spartan-IIを使ったPCIの実装例では、リソースが3分の1で済む。従来製品のコストは高かったが、Spartan-IIでは低価格を実現できた。従来の製品ファミリーとの棲み分けは、XC4000、Virtexをハイエンド向け、Spartanをハイボリューム向けとする。FPGA市場からではなく、ASICやASSPの200億ドル市場から10パーセントのシェアを取ることを目指す」としている。

プロダクトマネージャーのフォレスト・ハフ氏。Spartanプロダクトファミリーのマーケティングと製品管理を手掛ける
プロダクトマネージャーのフォレスト・ハフ氏。Spartanプロダクトファミリーのマーケティングと製品管理を手掛ける

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