ラスベガスで9日(現地時間)まで開催されていた、2000 International CESでは、デジタルビデオの普及や、アップルコンピュータ社の『iMac
DV』、ソニーの『VAIOシリーズ』などへの*IEEE1394(FireWire、i.Link)インターフェース搭載をふまえ、いろいろな製品が登場しつつあった。
*IEEE1394(FireWire、i.Link):IEEE1394は、プラグ&プレー機能を持つ高速のシリアルインターフェース。アップルコンピュータ社がMacintoshのSCSIインターフェースに代わるものとして開発した“FireWire”規格から発展した。i.LINKは、ソニーがDVカムコーダーにIEEE1394インターフェースを搭載したときの名称で、現在家電向けにはソニーに限らずこの呼称で統一されている。
ただし、昨年のCESで見られたような、IEEE1394をホームネットワークインフラとしてアピールするような展示は見られず、*HAViの応用事例が展示されているのではないかと思っていた記者には、ちょっと肩すかしを食らった格好となった。
*HAVi(Home
Audio/Video interoperability):国内外の家電メーカーが協力して普及を進める、IEEE1394をもとにした家庭内ネットワーク規格。
IEEE1394の普及を目的とする業界団体“1394 Trade Association(TA)”は、こういったショーでは必ずといっていいほど規格化などの進捗情報の説明会やブースを出展している。今回のCESでも記者向けの説明会が開かれた。1394TAのジェームス・スナイダー(James
Snider)議長によると、1394インターフェースは爆発的に普及し始めているとし、2000年に発表されるコンピューターの40パーセントに搭載されるという。また、今後発売されるすべての新しいビデオカムコーダーにも1394が搭載されるとした。
また、現在の1394a規格ではデータ転送速度が最大400Mbpsまでだが、これを800Mbpsに高速化した1394b規格に対応したチップは、すでにICメーカーから出荷が開始されたと報告した。
1394TAのスナイダー議長 |
1394TAのブースには、VAIOやMacintoshなど多くの1394インターフェース搭載パソコンが置かれ、DVカムコーダーから入力した画像を加工するソフトや、ストレージデバイスの展示が行なわれていた |
CES直前に開催された、MACWORLD Expo/SFでも出品されていた、1394インターフェース搭載のCD-ROMチェンジャー |
1394インターフェース搭載のカメラ、Zipドライブ、HDD製品。ストレージデバイスはこのほかにも数多く出品されていた |
米Softacoustik社の1394接続のスピーカー。Mac OS 9、Windows 98 SE、Windows 2000に対応する |
同じく米Softacoustik社の1394デジタルオーディオとアナログオーディオのゲートウェイ製品。これを使用することで、従来のアナログオーディオ製品を1394のデジタルネットワークに接続できるというもの |
また、家庭内のネットワークインフラということでは、Bluetooth関連の展示も多いのではないかと期待したが、こちらもレポートのVol.8で紹介したエリクソンのほか、米ルーセント・テクノロジー社のブースでデモが行なわれていた以外は、目立ったものはなかったようだ。
ルーセント・テクノロジーでは、Bluetoothの基盤を接続したノートパソコン2台を用意し、音声による通話とファイル転送を並行して行なうデモンストレーションを行なっていた。音声の品質は携帯電話程度で、ファイル転送を開始しても音質が悪化したりとぎれるということはなかった。
ルーセント・テクノロジーのチップを搭載した、Bluetoothのサンプル基盤 |