このページの本文へ

マイクロソフト、DirectMusicの個別説明会でIE5.5との連携による音楽再生可能なウェブサイトをデモ

1999年12月20日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

マイクロソフト(株)は本社で、ASCII24向けに、同社の音楽用API『DirectMusic』の個別説明会を行なった。マルチメディア用API『Microsoft DirectX 7.0』のコンポーネントの1つである音楽用API『DirectMusic』は、米スクウェア・エレクトロニック・アーツ社が2000年1月25日に米国で発売するPC版『FINAL FANTASY VIII』(Windows 95/98対応)など、現在さまざまなWindows用ゲームタイトルに採用されている。

米マイクロソフトのDirectMusic担当者である、デベロッパーリレーショングループオーディオテクノロジーエバンジェリストのChanel Summers氏米マイクロソフトのDirectMusic担当者である、デベロッパーリレーショングループオーディオテクノロジーエバンジェリストのChanel Summers氏



DirectMusicは、例えばゲーム上でのシーンの切り替わりやユーザーの操作によってリアルタイムに音楽を変化させられる“インタラクティブミュージック”を実現するための音楽用API。MIDIデータの再生機能や、すべてのPCで一定の再生品質を保てるDLS(Downloadable Sound)のサポート、ソフトウェア シンセサイザーといったコアの部分のほか、DLSの音色管理を行なう“インタラクティブ ミュージックエンジン”、インタラクティブ ミュージックを制作するためのオーサリングツール“DirectMusic Producer”も用意されている。

説明会では、Chanel Summers氏による、DirectMusicに対応したPCゲームのテーマ音楽を変化させることで、さまざまなバリエーションを持たせるという一連の操作のデモンストレーションが行なわれた。オリジナルテーマをベースに、通常のフィールドから敵と遭遇した場面、敵との戦闘に入る場面、多くの敵と戦闘中の場面、敵に勝利した場面、再度通常のフィールド場面に戻る、といったシーンごとの音楽を、リズムやハーモニーが途切れることなく演奏することが可能。また、いくつかの生楽器の音をカスタムDLSに取り込み、音楽演奏の音色に利用できる。

また、同社のゲーム『Age of Empire』専用ウェブページを利用したデモンストレーションも行なわれた。これは、ウェブページ画面上に配置されている画像にカーソルを置くと、それぞれの画像に設定された音楽が再生されるというもの。例えば、Age of Empireのパッケージ画像にカーソルを置くとテーマ音楽が再生され、続いて剣の画像に置くと音楽が切り替わり、剣のぶつかり合う効果音が再生される。これらの音楽にはバリエーションが設定されており、その音楽データを単に繰り返して演奏するのではなく、さまざまに変化するという。

米マイクロソフトの『Age of Empire』サイト画面。画面右側のパッケージ画像や、剣の画像にカーソルを移動すると、音楽がスムーズに切り替わり再生される。なお、実際のサイトには、この音楽再生機能は施されていない
米マイクロソフトの『Age of Empire』サイト画面。画面右側のパッケージ画像や、剣の画像にカーソルを移動すると、音楽がスムーズに切り替わり再生される。なお、実際のサイトには、この音楽再生機能は施されていない



このウェブサイト画面は、現在同社が開発中のInternet Explorer 5.5に標準搭載される機能“HTML+Time”を利用して作成されており、ActiveXコントロールは使われていない。しかし、DirectMusicとActiveXコントロールを利用して同様のサイトを作ることも可能だという。これまでDirectMusicは主にゲーム開発者向け用途が多かったが、今後はウェブコンテンツ用途に関しても、ユーザーに広めていきたいとしている。

2000年の夏後半にリリースが予定されているDirectX 8.0のオーディオ関連機能について、同氏は「DirectMusicとDirectSoundの統合を行ないます。また、現バージョンはDLS1に対応していますが、8ではDLS2に対応します。オーディオのエフェクトの種類も増えます。また、"オーディオスクリプティング"という、作曲者自身がゲーム音楽を制作するとき、スクリプティングをプログラマーに頼らず自分で行なえる機能があります」としている。

DirectMusic対応のゲームタイトルは、現在ワールドワイドで4~5製品が発売されており、開発中のタイトルが50~100あるという。しかし、DirectXはオープンなテクノロジーであるため、同社に知らせることなく開発しているメーカーが多いという。上記の数字はゲームメーカーからの連絡により同社が把握している本数で、実際にはさらに多くの対応タイトルが存在するだろうと同氏は言う。

「もちろん、公開しているものですから、自由に使っていただいてかまわないのですが、私たちにご一報いただければ、プロダクト情報も随時提供しますし、サポートもします。優れたタイトルであれば、イベントへの共同出展や、私たちのセミナーでで紹介するなど、共同プロモーションも可能です。できれば開発メーカーの方々には私どもにご連絡いただきたいですね。そのほうが、メーカーの方々にとってもお得だと思います」

国内におけるDirectMusuic担当であるマイクロソフト(株)デベロッパーマーケティング統括部の大塚友則氏。「DirectMusic対応製品で、大変優れたものであれば、『頼むから協力してくれ』と、こちらからお願いするかもしれません(笑)。ぜひご一報ください」国内におけるDirectMusuic担当であるマイクロソフト(株)デベロッパーマーケティング統括部の大塚友則氏。「DirectMusic対応製品で、大変優れたものであれば、『頼むから協力してくれ』と、こちらからお願いするかもしれません(笑)。ぜひご一報ください」

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン