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アルファ・オメガソフト、株式増資計画と新製品の発表

1999年12月17日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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17日、(株)アルファ・オメガソフトは、東京港区虎ノ門のホテルオークラにおいて、同社の株式増資計画と新製品の発表を行なった。

アルファ・オメガソフトは、'95年に富士通の社内ベンチャー制度から生まれた企業。12月現在、資本金3000万円で、富士通が49パーセントの株を保有している。2000年1月の第三者割り当て増資にともない、資本金を4億8000万円にし、3月の決算後に株式を公開する予定。

主な株主は富士通、ソフトバンク、三菱商事、ミレニア・ベンチャーパートナーズ。また2000年の6月には、第2回の第三者割り当て増資を実施し、資本金を15億円まで引き上げるという。

アルファ・オメガソフト代表取締役の佐々木隆仁氏
アルファ・オメガソフト代表取締役の佐々木隆仁氏



株式増資計画の発表にともない、アルファ・オメガソフト代表取締役の佐々木隆仁氏は、同社のビジネス戦略をリスクテクノロジーとネットビジネスに注力していくとした。同社では、2000年問題をチェックする『CHECK2000』、音声で嘘を発見する心理分析ソフト『Trusterシリーズ』などの製品を発売している。今回の発表会では、さらに2つの新製品を紹介した。

1つは、HDDのクラッシュや、データ消去などで誤って消してしまったデータを事後に復元するソフト『ファイナルデータ』。従来、事後のデータを復元することは不可能だったが、このソフトを使えばファイルシステム情報を経由せずに、直接データ領域のデータを調べられる。

フロッピーディスクに書き込んだファイルを誤って消去してしまった場合の復元と、クイックフォーマットしたフロッピーデイスクの復元をデモが行なわれた
フロッピーディスクに書き込んだファイルを誤って消去してしまった場合の復元と、クイックフォーマットしたフロッピーデイスクの復元をデモが行なわれた



スタンダード版の価格は1万5800円で、1月21日に発売する予定。また、3ライセンスパックのエンタープライズ版(24万8000円)やエンタープライズネットワーク版(98万円)、プロフェッショナル版(198万円)も用意する。

また、製品単体の発売のほか、このソフトを利用した新しい事業展開も考えているという。ビジネスコンビニエンス“Kinko's”と提携し、24時間データの復元サービスを行なう“Data119”を2000年2月に開始する。これ以外にもNiftyと提携し、インターネットを通じて、データの復元、セキュリティー診断、Y2K対策、ウイルス対策などのサービスをワンクリックで提供する“eClinic”なども開始する予定。

もう1つの新製品は英国TERTIO社のビジネスリスク管理ソフト『observant』。ネットワーク上でシステム障害が起きてサービスの提供ができなくなった場合に、どのようなビジネスリスクがあるのかを分析・把握して、その障害がどのくらいで復旧できるかをレポートする。ソロモン・スミス・バーニー証券、バークレー銀行、シーメンス、ロイター通信などに納入した実績がある。

デスクトップ上で、状態テーブル、バー形式、ブラウザー形式で障害リスクをレポート。写真は、ATMシステムの状態がどのようになっているかを状態テーブルで表示している
デスクトップ上で、状態テーブル、バー形式、ブラウザー形式で障害リスクをレポート。写真は、ATMシステムの状態がどのようになっているかを状態テーブルで表示している



TERTIO社のObservant事業部チャンネルプログラムマネージャーのStuart Ward氏は、「従来、ネットワーク上の管理ソフトは、単に稼働率やパフォーマンスを測定するものが多かった。もし、1パーセントでもシステムがダウンしてしまえば、サービスが使えなくなってしまう。Observantは、リアルタイムでシステムの状態を把握し、予測されるリスクと対処法を事前に把握できる」と語った。

Observantは、ローカライズと顧客ごとにカスタマイズした製品を来春4月から発売する。

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